90話目 「アンリミテッド」
どーも、作者です。
激闘とは。
では、どーぞ。
キィン、ガキン、パキィンと金属が打ち合う音がフロアの中に響く。
そう、大人悠斗とラストが互いに攻撃を防ぎながら鍔迫り合う音だ。
「ラストぉぉぉぉぉぉ!」
大人悠斗は固有能力を開放する。
「穿て、死の剣!」
悠斗は作り出した剣をラストに投げつける。
「そんな攻撃が当たるかっ!」
ラストは剣を槍で撃ち落とす。だが、地面に撃ち落とされて叩きつけられるはずだった剣は地面に落ちず、槍が触れると同時に甲高い音を立てながらも軌道を変え、ラストへ襲いかかった。
「なっ!」
ラストは慌ててその場から後ろへと下がる。
「後ろを貰ったぞ、ラスト!」
下がろうとしたラストの後ろには、いつの間にか大人悠斗が回り込んでいた。
「しまっ…!」
ラストは慌てて振り向こうとするが、遅かった。
「『精神の開放と消失』ッ!」
大人悠斗は即座に大人千代の背中に術式を描き、唱える。
次の瞬間、大人千代の背中に描いた術式が輝きだし光が溢れ出す。
「っ、悠斗ぉ!」
ラストは最後のあがきと言わんばかりに力を開放する。
「お前も道連れだぁ!」
「お前に言わなくても、そのつもりだよ…」
急に大人悠斗は冷めた反応をした。
「なっ…お前、まさか」
「まぁシステムとして完全に消滅するのはお前の精神だけだがな…俺もただじゃすまないだろうな」
「プレイヤーの精神ごと未来へ戻る気か!?そんなことすればお前もただじゃすまないぞ!」
「だからそう言ってんだろ。たとえ何年かかったとしてもお前の存在を完全に抹消して未来に帰る!」
「ふざけるなぁ!」
「いいからさっさとその体から抜けやがれ、ラストォ!」
そう大人悠斗が叫ぶと同時に、溢れ出る光が強くなり、そして光の球のようなものが大人千代の体から抜ける。
「ふざ、け、る、な…!」
その言葉を残し、光の玉ははじけ飛ぶ。それと同時に大人千代の体が薄く、消えていく。
「千代、すまなかった。今回はお前まで巻き込んじまったな…それにしばらく帰れそうにない…」
大人悠斗はそう言い残し、すうっと消えていく。
「ホントはこんなことになるはずじゃなかったんだがな…ちくしょう…」
「はぁ、君は本当に面倒事を起こす天才だね、まったく…」
突然後ろから聞こえた声に大人悠斗は反応する。
「おまえ、来てたのか」
「まぁね。君が面倒事に巻き込まれてるみたいだから様子見に来たんだけど、遅かったか」
「そうだな、もう少し早かったら俺もすぐに帰れたかもな」
「流石に未来からこっちまで来るのに一瞬ってわけには行かないからね…」
「だろうな、俺も無理だ」
「ま、とにかく千代ちゃんには言っといてあげるよ。」
「すまねぇ、助かる。」
「といっても君の力ならかえってくるまでに1週間もかからないさ」
「お前は毎回俺を過大評価しやがって…まったく」
「というか、1週間以内に帰ってきてもらえないと私が迷惑するんでね、頼んだよ」
「頼んだよって、帰ってこれる自信ねぇよ」
「帰ってこないと千代ちゃん顔真っ赤にして怒るかもしれないよ?」
「…そりゃごめんだな」
「だったら、早めに帰ってきな。ギルドの安全は私が保証するからさ。」
「なんとか頑張ってみるわ、なんとかな」
「それじゃ、また1週間後に。」
「まったく…」
その言葉を残して大人悠斗は消えてしまった。
「やれやれ、彼は本当に昔から手のかかるやつだったね…」
そう言うとその人物は消えた。
次回更新は12月20日です。




