83話目 「休息の一コマ『大人悠斗&千代』」
どーも、作者です。
時間が取れません。いや本当に。
正直やばいです。次回更新ができるかどうかも怪しいくらいに。
なんとか頑張って予定までには上げるつもりですが、
もし予定通り上げられなかった時でも予定から一ヶ月以内には絶対出すと思っていてください。
申し訳ありません。
では、どーぞ。
さて、残り2組となったデート大作戦。
いつの間にかいろんなペアで恋に発展しそうな動きを見せている。
そして、今回は大本命のこのペア。
大人悠斗と千代のペア。
2人が付き合っているというのは周知の事実だが、付き合って何年もたった未来の悠斗と千代のペア。
まだまだ恋愛というものをしっかりと理解してない千代と数年の間にしっかりと愛を育んだ大人悠斗。
この2人が集まるということはかなりの期待ができる。
では、見て…おっと、もう展開が起こっているようだ。
「悠斗ーっ!」
千代はカンカンに怒っていた。いくら不可抗力とはいえ、自分のあれを見られてしまったのだから。
しかも、未来から来た未来の旦那に。
「悪かったって!あれは事故なんだよっ!」
大人悠斗は全力で街中を逃げまわる。
「絶対に許さん!いくら私でも今回は絶対にゆるさない!」
怒りで口調が昔のように戻っていた。
それは10分ほど前の事だった。
大人悠斗が服を調達しに行くというので千代はそれについていくことにした。
いくら未来から来たとはいえ相手は悠斗。ドキドキが止まらなかった。
「ね、ねぇ悠斗…さん」
「だから悠斗でいいって。時間軸は違えど同一人物なのは変わらないんだからさ。」
「その…服を調達しに行かなくても自分の固有能力で作ればいいんじゃないの?」
「それがなー、ちょっと特殊なやつでな、しかもコレがあるってことに気がついたのはデータが消えてからだったからな…」
「データが?」
「そー。エターナル・オンラインは年に一度ゲーム内のアイテムのデータを一部消去するんだ。んで、気がついたらその服のデータが消えてて作れなくなっててな…この時代ならまだあるらしいから予め注文しといたんだよ。」
大人悠斗が未来から来てでも欲しかった服、相当なものなのだろう。
そして、大人悠斗はふらっと店に入っていく。
「店員さん、頼んどいたあれ出来てる?」
「おう、できてるぜ!まったく、にいさんも物好きだねぇ!これを3着も用意させるのは相当だぜ?」
「まぁまぁ、全部プレゼント用なんで、包んでくれ。」
「あいよ!代金はどうする?」
「現金でいいか?あいにくレアアイテムの持ち合わせがなくてな…」
「おうよ。それじゃあ…すまんな、にいさん、オーダーメイドだから少し高くなっちまったぜ、だが少し負けといてやるよ!」
「助かる。とりあえずコレが代金だ」
そう言うと大人悠斗はインベントリからお金の束を取り出す。
見たことないほどのお金の量だった。ただでさえギルドに対してお金を入れない悠斗だが、未来の悠斗はあれだけ持っていたのか…と千代は驚く。
「ついでに、頼まれてたコレ、持ってきたぜ」
大人悠斗は細い、だが青白くキラキラと光る糸でできた生地を取り出す。
「おお、悪いな。まさかスノーマンディアの糸で作られた記事を見れるとはな、長生きはしてみるもんだ」
店主はそれを受け取ると、何かが入った紙袋を大人悠斗に手渡す。
「大事に使いな!」
「意外と高いからなコレ…おっと、ついでに試着室も使って行っていいか?」
「おう、かまわんぜ!どうせなら30分貸し切りにしてやるよ!」
そう言うと店主は外に出て、看板をクローズにする。
「俺は店の前の喫茶店にいるから、帰り際にこえかけてくれ!」
そういうと、店主は店向かいの喫茶店へと入っていく。
「やっぱいい人だよなぁ、あのおやっさん。さて、千代悪いんだがコレを着てもらえないか?」
そういうと、大人悠斗は紙袋の中から真っ白な、それでいて透き通った白い何かを取り出す。
「それは?」
千代が不思議そうに聞くと大人悠斗は驚いたように応える。
「おっと、見たこともないか?これはあれだ、現実世界で言うと…なんだっけな」
白く透き通ったドレスのような形をした服。
それを現実世界で表現するならば。
「ウェディングドレス…?」
「そう、それだ!」
大人悠斗は思い出したかのように言い放つ。
だが、千代の顔は真っ赤になっていた。
それは怒りからではなく、胸のドキドキからだった。
ウェディングドレス、と言えば現実世界では結婚式で着るような服だ。
それを3着も買ったというのか?しかもオーダーメイドで?なぜわざわざ過去で?
そう悩んでいると大人悠斗はまるで思考を読んだかのように応える。
「実はウェディングドレスのオーダーメイドができなくなってな…オーダーメイド式のレシピデータが消えたせいで誰も作れなかった。しかも俺も見たことすらなかったから作り出せもしなかったんだ。だからまだデータの消えてない過去で作ってもらったってわけよ。」
そう言うと大人悠斗は千代の手を引き、試着室の方へ歩く。
「さて、サイズは合ってるかな…?」
大人悠斗はウェディングドレスを千代に手渡すと、試着室の中へ押し、カーテンを閉める。
「着れたら教えてくれー。俺はカーテンの前にいるから。」
そう言ってカーテンの前で座り込む大人悠斗。
「うぅ…」
千代は恥ずかしいながらも、わざわざサイズまで合わせてくれた大人悠斗の好意を無駄にはできなかった。
「これ、どうやって着るんだろう…」
千代は着方に四苦八苦しながらもなんとか服を脱ぎ、ウェディングドレスの袖に手を通す。
「恥ずかしい…」
千代は思い出していた。メアリーに体を奪われ、その帰りに悠斗に告白されたことを。
あの時、自分にここまで人を愛おしく思える心があったのかと思った。
しかし、その気持ちに嘘偽りはなく、悠斗が私を好きという気持ちも嘘偽りないものだというのはわかっている。
だからこそ、守ってもらうだけじゃなく、守ってみせる。
あくまで、チームでの悠斗と千代は対等な立場で居たい。
だけど、私がもしも純粋に女の子として守って貰いたい、とそう思った時は、守ってもらおう。
あんなにも心強い、旦那はいないのだから。
「悠斗」
「んー?」
「…これから先も、私を守ってくれるの?」
「…ははっ、応えるまでもないな!」
大人悠斗は自信あり気に応える。
「命をかけてもお前を守りぬいてやるよ。これは未来の俺とか過去の俺とか関係なく、相田悠斗として、誓う。」
「…ダメだよ、それじゃあ」
そういって、千代はカーテンを開き、大人悠斗と対面する。
サイズは完璧に合っており、悠斗がきっちりとオーダーしたのがわかった。
「やっぱ、似合ってんな。」
大人悠斗はしっかりと上から下まで眺め、感嘆の声を漏らす。
「悠斗、ダメだよ。私がほしいのはその答えじゃない。」
「ははっ、悪かったよ。命は掛けない、だけど必ず守る。俺の手が届かない範囲だろうとも。」
「悠斗…っ!」
そういって、大人悠斗に抱きつこうとする千代
だったのだが。
ドレスの裾に足を引っ掛けてしまい、盛大に転ぶ。
その勢いで、ドレスがビリビリと音を立てて破れる。
そして、その音とともに地面にバタンと倒れる千代。
「ったぁ~…」
鼻をぶつけて痛がる千代。
立ち上がるとドレスが破れていた。
だが、大人悠斗は無言でドレスを修理する。
「あ、ありがとう悠斗……?」
何故か大人悠斗は上を向いたまま顔を見せようとしない。
だが、少し赤くなっているのはわかった。
「…無理だ」
「え?」
「…いやさ…好きな子というか嫁のさ、その…アレを見て…」
そこまで言った直後、大人悠斗は全力で走りだす。
そして、悠斗が走り去った後には、血のような何かがしたたっていた。
それを見て、千代は全てを悟る。そして、怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら店を飛び出し悠斗を追いかける。
そして、今に至る。
後に千代は、嬉しいような恥ずかしいような一日だったと答えた。
次回更新は5月1日の予定です。
次話は84話目 「休息の一コマ『悠斗&大人千代』」です。




