75話目 「休息の一コマ『ルビーズ&ラミア』」
どーも、作者です。
あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。
さて、今回からは日常編、もといデート編です。
作者はカップル爆発しろ派なのでなんともいえませんがねw
では、どーぞ。
くじによって決まったペアで街に繰り出した悠斗達。
今回は、ラミアとルビーズのペアに焦点を当てて行こう…
街なかを歩くラミアとルビーズ。
いろいろな物に目が止まり、興味津々なルビーズに対して、
キョロキョロと周りを見ながら恥ずかしがるラミア。
「ラミアさん、どうしたっすか?」
少し怪しげな動きをしているラミアを見て声をかける。
「ひぅっ、いえなんでもないですぅ…」
「それにしては、かなり怪しいっすよ?何かあったら言ってくれても大丈夫っすよ?」
「は、はい…ありがとうございます…」
ラミアに声をかけ安心させようと思ったルビーズだが、どうも彼女は恥ずかしがり屋らしく、なかなか周りと打ち解けようとはしてなかった。
逆に、周りに自分からグイグイ行くルビーズは恥ずかしがることもなく、店においてある珍しい物を見つけるたびに立ち止まっていた。
「おっ、これ面白いっすね!でも、何に使うんすかねぇ?」
ルビーズは魔法用具店の店先に置いてあった筒のような物を見ていた。
一見ただの筒だが、筒の中では火花が常に散っており、かすかだがパチパチと言う音が聞こえる。
「お、兄ちゃんいい物に目をつけるねぇ。それは打ち上げ花火をモチーフにして作った『火花筒』って武器さ。筒に魔力を込めれば中の火花の塊が勢い良く飛び出して着弾点で爆発するのさ。」
ルビーズが興味津々でその筒を見ていると、店の中から店員が出てきて筒の説明をしてくれた。
「へぇ…じゃこれ貰ってもいいっすか?」
「まいどあり!兄ちゃん彼女さん連れてるみたいだし、安くしとくよ!」
「ふぇぇ、違います、私はっ、そのっ」
「ありがとっす!」
ルビーズは筒の代金を払って商品を買い、店を後にする。
「あっ、あのっ!」
筒を持ったまま中心街の少し外の方へと歩いてきたルビーズとラミア。
ここらへんは街の外壁の内側とはいえ、人通りが少なく、敵対しないモンスターもたまに出現していた。
出現するモンスターの殆どがマスコットのように可愛がられる事が多いモンスターばかりだった。
そんなところを歩いていたら、ラミアがルビーズへ話しかけてきた。
「ん?なんすか?」
「さ、さっきその、店の人が言ってた…」
「あぁ、彼女さん連れって言ってた件っすか!間違って無いじゃないっすか!」
「ふぇぇっ?」
「いやいや、だってラミアさんを連れているんだから彼女さん連れってことじゃないっすか!」
このルビーズという男、彼女連れという言葉の意味を勘違いしているようだった。
だが、その事実にラミアが気がつくはずもない。
ルビーズに面と向かってそう言われたラミアはさっきまで感じていた恥ずかしさが更に加速していた。
すると、タイミングがいいというべきか、草むらからモンスターが飛び出してきた。
だがそれは、さっき言ったマスコットのような可愛いモンスターではなかった。
「おっと…ラミアさん、俺の後ろに引くっす!」
ルビーズは剣を抜き、モンスターと相対する。
「もしかして、残党処理しそこねたんすかねぇ…ここでこんなモンスターに合うとは」
ルビーズが相対した敵、それはルビーズ達に馴染みのある敵だった。
「シャ、シャドウナイト…」
ラミアのそのつぶやきに、ルビーズは剣を握る力を強める。
「最初に合ったのが俺たちでよかったっすよ、これでもし戦闘能力を持たないプレイヤーが先に遭遇してたらどんなことになったか…考えたくもないっす」
「あ、あの…私も、戦いますっ!」
「いやいや、女の子に無理をさせる訳にはいかないっすよ!」
「それでも、役に立たないよりはましです!わ、私にも戦わせてください!」
ラミアがルビーズに訴えかける。その目は冗談を言っているわけでもなく、本気だった。
「分かったっすよ…でも、絶対に俺より前には出ないでくださいよっ!」
そう言うとルビーズは剣を構え、シャドウナイトへ向かって飛び出す。
「コォォォォ!」
シャドウナイトは突っ込んできたルビーズへ向かって、手槍を突き出す。
「当たらないっすよ!」
ルビーズは当たるギリギリの所で回避し、シャドウナイトの足を切る。
「グォォォ!」
足を切られたシャドウナイトは地面に膝をついてしまう。
「貰ったっす!」
ルビーズは膝をついたシャドウナイトへ剣戟を繰り出す。
「グォォッ」
だが、諦めの悪いシャドウナイト。
手槍を振り回し、ルビーズを追い払う。
「うわっと、危ないっすね!」
ぴょんぴょんと後ろへバックステップして避けるルビーズ。
「グォォァァァッ!」
シャドウナイトは地面に手を当てる。そこから魔力で作られた線がルビーズの足元へと伸びていく。
「それも当たらないっすよ!」
ルビーズは高くジャンプして飛び上がる。
だが、ジャンプすると同時に地面から氷の柱が伸びてくる。
「うわっ」
ルビーズは空中で氷の柱に足を取られてしまい、空中に固定される。
そして、氷の柱はルビーズを包むように凍りついていく。
「ひぇぇぇ、冷たいっす!凍るっす!」
ルビーズは慌てて氷に向かって剣を振り下ろし、氷に剣を叩きつけるが、びくともしない。
叩きつけている間もパキパキと音を立てながら少しずつルビーズの身体を氷が包んでいく。
「ルビーズさん!」
慌ててラミアが炎の魔法で氷を溶かそうとするが、歯がたたない。
氷を炎が包み込んでも、氷が溶ける様子はなかった。
「あ…ダメっす、こおっ…」
ついに、ルビーズの身体全部を氷が包み込んでしまった。
「ルビーズさん!」
「グオオオ!」
シャドウナイトはルビーズが凍りついたのを見て、標的をラミアへと変更する。
「グルアァァァ!」
手槍を持ってない方の手に魔力を込め、氷の槍を創りだし、それをラミアへと投げつける。
「きゃっ」
ラミアは間一髪でその氷の槍をかわす。
だが、シャドウナイトは手を緩めず氷の槍を作っては投げつけてくる。
ラミアの近くに大量に突き刺さる氷の槍は、刺さった部分から少しずつ地面を凍らせていく。
「ど、どうしよう…」
ラミアが悩んでいる間にも、シャドウナイトはどんどん攻撃をしてくる。
「誰かっ…助けてっ…!」
そう願った瞬間、予想外の助けがラミアのもとに現れる。
近くの草むらからガサガサと音がなったかと思うと、大きい何かがシャドウナイトへ向かって走っていく。
「グォォォァァァァッッッッ!」
その物体は勢いを利用し、右手に力を込めて力いっぱいシャドウナイトを殴り飛ばす。
「グァァァ!」
吹き飛ばされたシャドウナイトはバラバラになり、地面を転がっていく。
そして、バラバラになると同時にルビーズを包んでいた氷が粉々に砕ける。
「うわわわっ」
突然氷の中から空中に放り出されたルビーズは、慌てて着地の態勢を取ろうとするが、上手くバランスが取れない。
そして、バランスが取れないまま地面に落ちる、と思われたが、先ほどシャドウナイトを粉々にした物体が、ルビーズをキャッチする。
「た、助かったっす…ん?」
ルビーズがお礼を言いながらも、自分を助けてくれたその物体を見る。
だが、それは人間ではなかった。
「グオ。」
真っ白い体毛のクマだった。
「く、くまさんじゃないっすか!どうして俺を助けてくれたんすか!」
「あ、あのぉ…それ、私の能力のせいですぅ…」
後ろから、ラミアが申し訳無さそうにルビーズに近づいてくる。
「えっ?」
「あの、私の固有能力の力ですぅ…」
ラミアが助けて欲しいと願った時、固有能力が発動し、近くに居たクマが反応してラミアたちを助けに来た、ということである。
「グォ」
クマは、ルビーズを地面に下ろすと、ラミアたちに不格好ながらも手を振って、草むらの中へと帰っていった。
「ありがとう、くまさん!」
「助かったす、クマ吉ー!」
「えっ、名前…つけたんですか?」
「名前があったほうが呼びやすくないっすか?」
「それはそうですけど…」
「さて、ここらへんっすかね…」
そんなこんなで街の中心へと戻ってきたラミアとルビーズ。
辺りはすっかり暗くなっており、夜空の星がキレイに光っていた。
「なにするんですか?」
「この筒の試し撃ちっす。夜なら綺麗に上がりそうっすし!」
そういうと、ルビーズは手に持っていた筒に魔力を込める。
「行くっすよぉぉ!」
ルビーズは筒の先端を上方向に向け、魔力を一気に込めた。
すると、筒の中から火花の塊が空に向かって打ち上がる。
打ち上がった火花の塊は天高く打ち上がった後空中で大きな破裂音を鳴らしながら破裂する。
ドーンという音と共に振動が響き、様々な色の火花が空中に散り、空に花を咲かせる。
「おぉ…これは」
「きれい…ですね」
ルビーズとラミアは空に打ち上がった火花の塊をみて、感嘆のため息を漏らした。
いつの間にか中心街には人が集まっており、人々は空中で何度も何度も花を咲かせるそれに見入っていた。
「なんだかんだあったっすけど、まぁ…これでデートってやつはいい感じになったんじゃないっすかねぇ?」
ルビーズは、笑顔でラミアのほうへと顔を向ける。
ラミアは、顔を真っ赤にしながら顔を下に向け、うぅ…と呻いていた。
「そんな恥ずかしがることないっす!」
ルビーズは、恥ずかしそうにしていラミアをお姫様抱っこで抱え上げ、ヴァイスリッターのギルドへ連れて行く。
まるで、彼女と彼氏のような一日だったと、後でルビーズは語った。
次回更新は1月14日です。




