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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter6 「Shadow Spirit」
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63話目 「最高で最愛のコンビネーション」

どーも、作者です。


恋愛フラグというものはいつも唐突に訪れるものです。

逆に言えば、唐突にフラグが折れることも、回収することもあります。

さて、2人はどちらへ向かうのでしょうか?


では、どーぞ。

一方その頃6層でパロットを破り、一息ついていた悠斗達。

悠斗は部屋の外で寝ていると言いながらもこっそりとアルスとエリスを見ていた頃。

アルスとエリスは楽しそうに会話をしていた。それは、記憶が戻ったエリスが今までの事やこれからのことをアルスに話しているのだろうか。

アルスも、嫌な顔をせずにしっかりと全てを聞いていた。悠斗は部屋の外から見ていたので何を話しているかはわからなかったが楽しそうだったのでまぁいいかと思い横になって寝てしまった。


悠斗が眠りについた頃、アルスはエリスに謝っていた。

「エリス、すまない。私がもっとしっかりとしていれば君をこんな風にしなくてすんだのかもしれない…父上を死なせてしまったのも私の力不足だ…」

「そんなことないよ、お兄ちゃんは頑張ったよ!」

「それでも、エリスの心にトラウマを植え付けてしまった。だからこそ、記憶がなくなるという事態も起こってしまったのだ…」

「それでも、私は今のほうがいい。私のトラウマの為に昔のことをまた忘れるくらいなら昔のお兄ちゃんと遊んだ記憶を持ったまま生きていきたい。たとえそれが辛い人生になるとしても。」

「いいのか?それは私が想像しているよりも、エリスが想像しているよりも辛いぞ?」

「うん。私が決めたんだもん、それで大丈夫だよ。いざとなったら、守ってよね!」

「ふふ、そうだな。このアルス・フェール、僭越ながら王の右腕の騎士として、この命果てるまで守り通すと誓いましょう。」

「うむ、苦しゅうない。余の命が果てるまで守り通すが良いぞ!」

「ふふふ、ははは」

「あははは、ははは」

楽しそうに笑う2人。それは騎士と姫ではなく、二人の仲がいい兄妹の姿だった。


そして、現在。悠斗は目をこすりながら5層への階段を降りていた。

「なぁ…アルス…俺眠いんだけど」

先ほどから魔力を消費しすぎていて、体力に限界が来ていた。他の人がそうなっていないところから見ると、肉体がリンクしているような状態の自分のみがそうなっているのだろう。

「もう少しだ悠斗。気持ちはわかるがもう少しだけ我慢してくれ。」

「えぇ…嫌だぁ…アルスとかエリスは寝てたからいいかもしれないけどさぁ…俺さっきからずっと戦いっぱなしで一睡もしてないんだよ…すごい眠い…」

そう言った悠斗の足は少し震えており、今にも倒れそうだった。

「仕方ないな、私がおぶっていくよ」

エリスは眠そうにふらふらと歩いている悠斗の前でしゃがむ。

「ほら悠斗にーちゃん、乗って」

「大丈夫か…?俺結構重いと思うぞ…?後その呼び方は変わらないんだな」

「だいじょーぶ。この肉体に変わってから力もついたし!」

「それじゃ悪いが、お言葉に甘えて…よっと」

悠斗はエリスの背中に乗るようにしておぶってもらった。

「あー、やっぱアーサー王の精神混ぜたのは正解だな…肉体の基礎ステータスが跳ね上がってる」

「基礎ステータスが?悠斗、そんなことがあるのか?」

「んぁ、まあな。肉体を再構築する際に精神に合わせて肉体を変化させるからそれで基礎ステータスが上がったりもする。」

「ほう…」

「でもデメリットもあるからなんとも言えないけどな…駄目だやっぱ眠いわ寝る」

そういうと、悠斗はエリスの背中に顔を当て、そのまま寝てしまった。すーすーと寝息を立てながら気持ちよさそうに寝ていた。

「寝ちゃったね…」

「まあ、仕方あるまい。私達の中で一番頑張ったのは悠斗だろう。それに加えて今の今まで気が付かれないように周りを警戒していた、疲れても仕方ない。しかも、悠斗が寝たということは周りの安全は保証されているということだ。なんだかんだで一番仲間に気を使っているだろうな。」

さっきまで眠い眠いと言いながらも最後の最後までアルスとエリスの周辺に気を配っていた悠斗だった。

悠斗が眠ってから5分ほどしたあと、5層の扉の前に着いたアルスとエリス。

アルスが扉を強く押すと、扉は音を立てながら開いていく。

そして、扉が完全に開ききる。そこに居たのは、3人。それぞれ見たことある人物だった。


そして現在、4層に到達し扉を開いて中に入った千代一行。

2組の敵に襲われ回避しながら次の層へ進む扉の所へ行き進もうとしていた。

「もう!面倒くさいなぁ!」

大人千代が少し苛立ちながら固有能力によって作った槍で光の羽をはたき落としていく。はたき落とされた羽は地面に触れると同時に粒となって消えていった。

「いよっと」

蒼汰は大剣の腹を向けて闇の羽を弾いていく。カカカカカカン、カカンと甲高い音を立てながら羽は弾かれ、消えていく。

「蒼汰、こっち!」

先行して走っていた千代が扉を開いて待っている。

「了解、っっっそりゃぁ!」

蒼汰は大剣を構え直し、力を込めて思いっきり横に振りぬく。

横に振りぬいた大剣は風を切り裂くとともに、かなりの風圧を纏う斬撃を飛ばす。

風をまとった斬撃に、というよりも剣を振りぬいた瞬間の風圧で羽は吹き飛ばされていく。

「千代さん、今のうちに!」

「蒼汰、助かったよ!」

蒼汰が思いっきり羽を風で弾き飛ばしたおかげで、瞬間的に攻撃が飛んでこない時間ができた。

その隙に、大人千代と蒼汰は扉の奥へと走っていく。

「メアリーさんも、早く!」

蒼汰がメアリーに手を伸ばすが、メアリーは来ない。

「私の事はいいですわ、早くお行きなさい!」

メアリーは魔法を展開し、自分の後方に大量の魔法陣を展開する。

「でも、メアリーさん1人じゃ無理だ!」

「大丈夫ですわ!私もマスターの一人、それなりの実力は持ってるつもりですわ!」

「でも!」

「早く!」

メアリーは前方の2人から飛んで来る羽を後方の魔法陣から飛び出す雷魔法で落としていく。

「…っ!」

蒼汰は扉から進まず、メアリーの方へ走っていく。

「蒼汰!」

「僕は大丈夫だ!それよりも先に行って!必ずメアリーさんを連れて行く!」

蒼汰はメアリーの前に出ると、背中の鞘から大剣を抜き、構える。

「蒼汰様!危ないですわ!」

「いくらマスターだとしても、女の子一人置いて行くなんて僕にはできない!」

「蒼汰様…」

「それに、僕、いや俺だって決めたんだ!もう誰も傷つけないように、自分の気持に嘘はつかないようにって!」

「ふふっ、そうですわね。自分の気持に嘘つくのは良くありませんわ。後、私としては『僕』のほうが蒼汰さんらしいですよわよ?」

「そ、そうかな…?」

『俺もそう思うぞ』

どこからか聞こえてきた声。それは、久しぶりに聞いたような声だった。

『無理すんな。俺がお前の人格者(ペルソナ)である限り無理はさせねぇよ。』

「ありがとう、僕…」

『やめろ、なんかその言われ方恥ずかしい…ま、頑張れ。最悪の場合は俺が出てやるからさ。』

「助かるよ。」

すると、突然後ろから声がする。

「蒼汰様、避けてっ!」

「ふえっ!?」

もう一人の自分と話すことに夢中になっていた蒼汰は、目の前に大きな羽が飛んできていることに気が付かなかった。

正確には、大きな羽というよりも光の羽が集まって大きな羽が形つくられているようなものだろう。

「(避け…きれないっ)」

蒼汰は避けることを諦め、とっさに羽に対して剣を構える。

そして、大きな羽の一点を狙って突きを繰り出す。突きを繰り出した瞬間、蒼汰の鎧を羽先が少しかすりダメージを与えた。

だが、蒼汰が羽の一点を突いた瞬間形つくられていた大きな羽が散り、一枚一枚の羽が散らばっていく。

「蒼汰様!」

メアリーは魔法陣を展開したまま蒼汰に近くへ寄ってくる。

「僕は、大丈夫。メアリーさんは?」

「蒼汰様があの羽を消してくれたおかげで無事ですわ。それよりも早く治療を…!」

「いや、本当に大丈夫だから心配しないで。ほら、このとおり。」

蒼汰はぶんぶんと腕を振ってみせる。

「無理はしないでくださいませ…」

「う、うん。」


「ねぇ、僕達を放っておいてイチャイチャするのはどうかと思うよ?」

「同感だ。私らはそこらの魔物とは違うのだぞ?待っててやるという優しさがなかったら今頃貴様らは塵になっていたところだ。」

苛立ちを見せる2人組。天使と悪魔がそこにはいた。

彼女らはチャームファンタジアのメンバー、メア・カルヴァとアナザー・イブリース。

もちろん、彼女たちの格好は消えてしまった時と同じだ。だが、やっぱりというべきか知っていたというべきかやはり目は赤い。そして、こちらに向けている殺意も本物だ。

「それは申し訳なかった。だけど、流石に簡単に僕も負ける訳にはいかないよ?」

蒼汰はいつの間にか固有能力を展開していた。

「次はこっちから仕掛けさせてもらうよ…!来いっ、『ラグナロク』!」

蒼汰が手を空に掲げて叫ぶと、蒼汰の手に大剣が創りだされていく。

その大剣は先程よりも一回り大きかった。だが、それだけではなくかなりの威圧感もあった。存在するだけでかなりの威圧感を放つ武器、間違いなくレジェンダリークラスの武器だろう。

「悠斗にもらった武器、悪いけどここで使わせてもらうよ!」

蒼汰はラグナロクを握って、走りだす。

「それ以上は進ませない」

アナザーは翼を開き、詠唱する。

「闇よりいでし暗黒の獣よ。かのものを喰らい尽くし冥界へと引きずり込め!」

地面に魔法陣が展開され、そこから犬の顔が顔を出す。だが、顔を出した犬の頭は3個ついていた。

地獄の番犬と名高いケルベロス。召喚された獣はそれに特徴が酷似していた。

「そおりゃっ」

蒼汰は高く飛び上がり、空中からケルベロスの左頭を狙う。

しかし、真ん中の頭が蒼汰に噛み付こうとしてくる。

「任せるがいいですわ、蒼汰様!」

メアリーが背後から巨大な雷の槍を創りだし、ケルベロスの左頭を貫く。

左頭を貫かれたケルベロスは苦しそうにもがこうとして、蒼汰から狙いを外してしまう。

その隙をつき、蒼汰はケルベロスの右頭に斬撃を入れ、切り裂く。

右と左の頭を失ったケルベロスはウォゥ…ウォゥ…と苦しそうな声を上げてもがく。

「今楽にしてあげるからね、傷めつける趣味はないんだ!」

蒼汰はラグナロクをケルベロスの真ん中の頭に思いっきり振り下ろして切り裂く。

ケルベロスは声を上げることもできなくなり、消滅していった。

「ふう…さて、次はどんなことしてくれるんだい?」

蒼汰は肩にラグナロクを担ぐ。余裕という感じが現れていた。

「よそ見は厳禁だよっ!」

メアが固有能力を開放し、光の翼の力で光速に近い速度で蒼汰に襲いかかる。

だが、その攻撃が蒼汰に届く前にメアは地面に落ちる。

それは、上から雷の矢が落ちてきてメアを貫いたからだった。

「ぐっぁぁぁ!」

背中を貫かれたメアは痛みで叫ぶ。

「我、ここに終末を招くものなり。『世界を破滅せし永き冬(フィンブルヴェルト)』!」

蒼汰は間髪入れずにメアに向かって斬撃を放つ。

蒼汰のラグナロクに零の魔力が付与され、それが最大限まで溜まった瞬間、蒼汰はそれをメアに向かって振り下ろす。

振り下ろされたラグナロクの剣戟の残像が凍りつき、空中で氷が出来上がっていく。

そして、ラグナロクがメアに振り下ろされた瞬間、メアを中心に4層全体が凍りつく。瞬きする間もなく、本当に一瞬の出来事だった。

「っふー…これ使うと寒いから嫌いなんだよね…」

蒼汰は地面に刺さったラグナロクを抜き、アナザーの方へ構える。

アナザーは先程ラグナロクが刺さっていたところを見るが、そこにはもうメアの姿はなかった。

「さて、次はアナザーさんあなただ。覚悟は良いかな?」

蒼汰はラグナロクの剣先をアナザーに向けて言い放つ。

「…望むところだ。貴様の腕がどれほどか見てやる!」

「まぁもう決着はついてますけどね」

「えっ?」

唐突に蒼汰が放った言葉はハッタリではなかった。

アナザーが気が付かないうちにアナザーの上空には大量の魔法陣が展開されていた。

もちろん、それを展開したのはメアリーだ。

「私も居るのを、お忘れなく?」

「上ばっか見てると舌噛むよっ!」

蒼汰が、消えた。目の前から文字道理突然消えた。

だが、次の瞬間アナザーの腹部に切られた痛みが入る。

「ぐっ」

切られたのか?いつの間に?

しかし、それを考える間もなく次の斬撃がアナザーに入る。

そして、連続でアナザーは切られていく。まるでかまいたちの風の中に入ったように。確実に、腕などの重要な部分を傷つけられていく。

そして、待っているのように魔法陣からは雷の槍が顔を出す。そして、一番強い斬撃が背中に入り、蒼汰は姿を現すが、アナザーは強制的に上を向かされていた。

そして、その上を向いた状態のアナザーに大量に展開された魔法陣から大量の雷の槍が放たれる。その大量の槍はアナザーを貫いていき、アナザーの姿が見えなくなるまで突き刺さっていった。

そして、すべての槍が放たれた後、そこには人の姿は残っていなかった。


「いくらマスターじゃないとはいっても、僕だって」

「いつも戦わないからといいましても、私だって」

「実力はあるんだよ?」「実力はありますのよ?」

息ぴったりのメアリーと蒼汰だった。

次回更新は10月26日です。

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