表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter5 「Eternal Floor」
58/96

56話目 「永久なる無限の概念《アンリミテッド・コンセプション》」

どーも、作者です。


最近涼しくなってきましたねー。

季節の変わり目は体調を崩しやすいので気をつけてください。


では、どーぞ。

「遅いね、悠斗」

9層の扉の前で待機する悠斗達一行。

大人悠斗が追いついてから扉の中に入るという判断だった。

「何か事情があるんでしょう…流石に逃げたりとか負けたりはしないはずです」

未来とはいえ、自分自身だからこそそれだけは分かった。

「そうだね、悠斗が私達を置いていなくなるわけないもんね。さっきの君みたいにさ。」

大人千代が言っているのは、さっきの戦闘での悠斗の激昂の時の台詞のことだと思った。

仲間が傷つけられた、それだけで悠斗が怒るには十分な理由だった。

そんな悠斗が大人になって更に力をつけた今、絶対に見捨てるわけがない。

「ま、とにかく少し待ってみようよ。今は心の安定も必要みたいだし。」

大人千代はちらっとメアリーやアルスの方を見る。

残されたメンバーはかなり落ち込んでおり、正常な状態ではないのは分かった。

「そうですね…」

悠斗は残されたメンバーの気持ちが痛いほどわかっていた。

自分のチームも、桜月と智恵が消えてしまったのだから。

マスターと言う肩書きを持っている以上、メンバーが、仲間が消えるのは苦しい。

「くっそ…」

悠斗は拳を強く握りしめる。さっきまでの自分に力がなかったから守れなかった。

もっと早く能力を覚醒することができていれば守れたかもしれない。

「おーい!」

そんなことを思っていると後ろの方から大人悠斗が走ってくる。

「悪い悪い、ちょっと手間取ってな…」

はぁはぁと息を切らす大人悠斗。

「よかった、無事みたいだね。それじゃあ行こうか。」

大人千代は容赦なく扉を開く。

「おいっ、俺は息を切らして走ってきたんだぞ!いたわりはないのか!」

「悠斗だし?大丈夫でしょ?」

「そんな他人事で言われてもな…」

「まぁまぁ、大丈夫でしょ?」


「『谷を駆け抜ける者(グングニル・パース)』」

何かが光速で接近し、攻撃を仕掛けてくる。

とっさに、悠斗達は防御の構えをとるが、アルスだけは剣を取り出し、前に出る。

そして、光速で飛んできた人物に対してカウンターを決める。

飛んできた人物は跳ね返るように吹き飛び、転がる。

だが、それと同時にアルスの大剣は粉々に砕け散る。

粉々に砕け散った剣の柄を投げ捨てるアルス。

「何のつもりだ。それに、なぜここにいる。答えろ、パール!」

チームメンバーに話しかけるにしては、その声には敵意がこもっていた。

「マスター。随分と腑抜けになったものだな?」

「答えろと言っている!」

起き上がった人物は、先ほど消えたはずナイトオブラウンドテーブルのメンバーの一人、パール・フォアルだった。

だが、目だけは真っ黒な目の中に赤い光が灯っていた。

人間の目の白い部分を黒にし、黒い部分を赤にした、といえば伝わりやすいだろうか。

「そんなのわかりきってるはずだ。仲間を守れない腑抜けたマスターに復讐するためだ!」

「確かにエリスや私は仲間を守れなかった!だが、その償いはこのダンジョンをクリアしてからするつもりだった!見捨てたわけではない!」

「それはどうだかな!所詮マスターはその程度だったというわけだ!肩書に踊らされ、その名前に胡座をかき、何もできない無能なマスターだったと言うわけだ!」

「貴様…!いくらチームの仲間とはいえ、エリスをこれ以上侮辱するのは許さんぞ!」

「そんな小娘いくらでも代わりは居るんだ!貴様の妹だからと見過ごしてやったが、本来ならば私がその位置に立つべきなのだ!」

「黙って聞いていれば余計なことばかり!王にその口の聞き方は断じて許さんぞ!」

「アーサー王がなんだ!ここで貴様もろとも消してくれるわ!」

パールは再び固有能力を使い、アルスへと突撃してくる。

「くっ…」

能力が分かっていても、アルスには対策方法がなかった。

武器が割られてしまった以上、対抗するには自分の体しか無い。

だが、アルスは基本的身体能力がそれほど高くなく、体術は得意ではなかった。

アルスはパールが当たる直前に回避した。

だが、それを知っていたかのようにわざと攻撃を空振りし、着地した地点から跳ね返るようにパールはアルスに攻撃する。

「しまっ…!」

「『永久なる無限の概念アンリミテッド・コンセプション』!」

大人悠斗がとっさに固有能力を発動し、詠唱する。

「今回は長ったらしい文はカットだ!」

悠斗の周りから体力の魔力が放出される。

「おらよっ!」

大人悠斗は魔力を地面に染み込ませる。

「無駄だ!」

パールはアルスへと攻撃を加える。だが、その剣はアルスの鎧を砕くこと無く、折れる。

「なっ!?」

「終わってねぇぞ!」

大人悠斗は剣をパールの上に作り出し、パールを貫く。

「ぐあっ」

剣は背中を貫き、そのままパールを地面に押さえつける。

大人悠斗は念の為に鎖を作り出し、手と足を縛る。

「これで動けないだろ。それより、その目は…」

大人悠斗はまじまじとパールの目を見る。まるで見たことがあると言わんばかりに。

「離せ!」

「無理無理。離したらまた攻撃してくるだろ?すまんが、ここで寝てもらう。」

大人悠斗は睡眠魔法を詠唱しパールを眠らせる。


「うーん、面倒くさいことになってきたかもしれないな…こりゃ時間軸ブレッブレかもしれんなー」

呆れたように大人悠斗はつぶやく。

パールを眠らせ、そのまま放置しながら9層を抜けてきた。

「どういうことだ?」

「んあ?あぁ、そのままの意味だよ。面倒くさい。もしかしたら未来から俺たち以外にも来た奴が居るかもしれないって感じだ。」

「えっ!?」

「ゲートを開いた時、何かしらの侵入を許しちまったって感じだな。今ここで起きてるこの現象は智恵のせいじゃなく俺達のせいかもしれないな。」

未来から自分と千代以外にも誰かが来てる?そんなことありえるのだろうか。

ただでさえ未来から来た人物がいることで混乱しそうなのに、他にも人が来ているとは…

「まぁ確実に俺たち関係の人物ではないな。こんなことする理由がわからん。」

大人悠斗は歩きながらも器用に大剣を作り出していた。ただ、丁寧に、慎重に。

「よし、できた。ほれ、アルス。」

創りだした大剣をアルスへ向かって投げ渡す。

「急ごしらえだが以前使っていた剣と遜色ないはずだ。一応軽く、切れやすくはしておいた。」

それはアルスが先ほど粉々にされた剣だった。

「本当はもう少ししっかりと作りたかったんだけどな…それで我慢してくれ。」

「いえ、恩に切ります。」

アルスは少し素振りをして、その剣を背中の鞘にしまう。

すっと鞘の中に入ったが、その重さは以前よりも軽く感じた。


「さて、昔の俺。能力が覚醒した以上説明しないとな。お前の『覚醒固有能力リ・ユニークアビリティ』について。」

大人悠斗は剣を創りだし、説明を始める。

「お前の覚醒した能力、『永久なる無限の概念アンリミテッド・コンセプション』だが、基本的には以前の能力の上位互換だ。」

大人悠斗が手に持っていた剣を地面に突き刺し、もう一本剣を創る。

「以前の能力では消えてしまっていたものが消えなくなってる。そこは単に強化されただけだ。だが、ここからが新たな能力だ。」

大人悠斗は悠斗に向かって剣を投げる。

とっさに剣を防ごうとする悠斗。だが、飛んできたはずの剣は大人悠斗の手元に戻っていた。

「どうだ?これが新たな力だ。お前は、『概念』と『結果』と『出来事』を作り出せるようになった。まぁ、面倒くさいからこの世に存在するすべてのことが作り出せるようになったとだけ覚えておけばいい。」

「そんなの…」

「神にも等しいってか?前にも言っただろ?俺達はもう神の領域に足を踏み入れてる、いやむしろ神だ。」

そんな能力がまかり通るのだろうか。

「しかもな、覚醒固有能力の強みは『デメリットが存在しない』ことなんだ。」

「なっ!」

「ありえないと思うだろ?デメリットがないというよりも、デメリットがなかったことにできるからだけどな。」

大人悠斗は剣を天井へ向かって投げる。あのままならば剣は天井に突き刺さるだろう。

「まぁ、例えば『天井には剣は突き刺さらない』という結果を創ってみよう。するとな…」

剣が天井に突き刺さると思ったその時、剣は天井に弾かれ、そのまま大人悠斗の近くの地面へ落ちる。

「こうなるわけだ。次はこの地面に落ちてる剣に対して、『剣は地面に落ちず、跳ねまわる』という概念を与えてみよう。」

大人悠斗は魔力を剣に集中させる。すると、剣はひとりでに地面から跳ね、地面に着く寸前に跳ね、を繰り返す。

大人悠斗が再び剣に魔力を集中させると、剣は地面に転がり止まる。

「それじゃあ最後に、『今から俺が壁に触ったら、砕ける』という出来事を創ってみるか。」

大人悠斗は魔力を壁に集中させる。そして、大人悠斗が壁に触れると、壁は粉々に砕ける。

「まぁこんな感じか。後は使いこなせよ?ま、後は実戦で覚えるしか無いけどな?」

大人悠斗が見ている先を見ると、そこには8層の扉があった。

次回更新は9月25日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ