53話目 「突然の壊滅」
どーも、作者です。
今回も短めです。次回は戦闘回を混ぜながら補足説明を入れていきます。
それと、次回更新が少し遅くなってしまいます。申し訳ありません。
では、どーぞ。
「次、同じようなことがあったら絶対に許さないからね」
「いや、以前からこんなことがあるたびにそれ言ってないか?」
「う、うるさい!」
後から自力で追い付いてきた大人千代の怒りに対して、大人悠斗は少し穏やかに、なだめるように軽口を叩く。あくまで優しく。
「今回は俺が悪かったよ、そこは謝る。でもな、これくらいお前にとってもどうってこと無いだろ?」
「そりゃ、多少の魔力消費ですむけどもそれでも時間がかかるから…!」
「分かった分かった、次からはしっかり迎えに行きますよお姫様」
「っ、悠斗ぉ!」
恥ずかしさで大人千代は大人悠斗に殴りかかる。大人悠斗はふっと笑ってわざとそのパンチを受けた。
だが、そのパンチは思っていた場所から少しずれ、腕ではなく腹に入った。
「ぐふぉっ」
腹にパンチがクリーンヒットしてしまった大人悠斗は苦しそうに腹を抑え、うずくまる。
「ぐおぉぉ…おま…やり過ぎだ…」
そのままドサッと地面に倒れる大人悠斗。ピクリとも動かなくなった。
「ああ、やり過ぎた!」
慌てて大人千代が治療を行う。治療するほどの怪我でもないとは思うのだが、気絶してしまった以上気付けでもなんでもしないと戦力にならない。
「(女の人って怖いなぁ…)」
何故か悠斗にトラウマが刻まれてはいたが。
「なぁ…」
気絶した状態から何とか立ち直った大人悠斗。今度は説教する側になっていた。
「いくらなんでも腹にパンチ入れるのはどうかと思うぞ…お前の怒りは最もだがさすがにやり過ぎだ」
呆れたような顔でやれやれと言う大人悠斗。
「まさかずれてパンチが入るとは思わなかったのよ…」
「それでも腹にパンチ入るか普通…?」
「それはそうだけど…」
あのやりとりを見ていると、本当に2人は仲がいいんだなと思う悠斗だった。
「とりあえずこれからフロアボスラッシュなんだからさ、加減しようぜ…」
「ご、ごめん…」
「まぁ、いいけどな…」
そんなやりとりをしながらも、10層の扉の前に到達する悠斗達。
「さて、ここからはボスラッシュだ。今までのレベルの強さの敵と連続で戦うことになるぞ。」
大人悠斗は剣を創り出し、握りこむ。
「このセイバリティも、もってくれると助かるんだけどな…」
手に握っている剣を見てボソッとつぶやく悠斗。
「さて、行くか!」
何も握っていない左手で扉を押し開け、中へと入る。
今回は条件がついておらず、全員で入ることができた。
だが、扉を開け中に入った瞬間に大人悠斗が叫ぶ。
「全員伏せろぉっ!」
慌てて大声で叫んだ大人悠斗。その声に反応し、動けたのは悠斗、千代、蒼汰、大人千代、エリス、アルス、メアリー、サキュルだけだった。
慌てて伏せた7人は、強い閃光に襲われる。
「駄目だ、逃げろ!」
伏せきれなかった残りのメンバーに向かって大人悠斗は叫ぶが、その声が届く前に大人悠斗の横を光の道が通り抜けていく。
その光は伏せきれなかったメンバーを貫き、消し去る。それこそ、粒よりも細かく。
「遅かったか…」
がっくりと膝をつく大人悠斗。その声は絶望に染まっていた。
「桜月…!智恵!」
悠斗は何も無い虚空へ今さっきそこに居たはずの人物の名前を叫ぶ。
「そんな、みんな…いなくなっちゃった…」
エリスがさっきまで居たはずのメンバーが消えたことに放心しているようだった。そのエリスを守るように、アルスはしっかりと抱きしめる。精神的に安定させるための一時的処置だろうか。
「嘘…嘘ですわ!そんな簡単にやられるはずが無いですわ!」
メアリーも慌てていた。やはりメンバーがいきなり目の前から消える、と言うのは精神的に辛いものがあるようだった。
「な、何が起きたの…?」
大人千代が大人悠斗が居る方へ向く。
だが、そこに存在したのは、大人悠斗と人ではない何かだった。
次回更新は9月13日です。




