表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter5 「Eternal Floor」
43/96

41話目 「疾走するチーム」

どーも、作者です。


安心と安全の超ダッシュ回。

もっと早く走れー!


では、どーぞ。

14層のゴールまで今まさに走りながら向かっている悠斗達。

敵やトラップに一斉に引っかからないように陣形を作りながら走る。

前衛、右翼、左翼というブーメランのような陣形だった。

前衛には悠斗・千代・メアリー・蒼汰・アルス。

右翼にはメア・アナザー・桜月・エリス・パール。

左翼にはルビーズ・パロット・智恵・サキュル・ラミア。


基本的には前衛が敵やトラップを発見し後方の左右の翼に指示を出す。

右翼・左翼は敵を排除しろと指示されたら排除、支障にならない程度に動く。

そうしてできるだけ敵と戦わずにゴールまで突き進む。


「邪魔だ、おらぁ!」

前方から突進してきたミノタウロンを剣で受け止め、そのまま地面に勢いを受け流す。

受け流されたミノタウロンの角は地面に突き刺さり、その場から動かなくなってしまった。

「悠斗!」

千代の声に気付き、はっと上を見上げる。

悠斗の目には大きく、丸いものが写った。

「やべぇ、岩だ!」


どこからか飛んできた大きな岩を紙一重でかわす悠斗。

「っぶねぇ!」

ドン、という重いものが落ちる音と共に地面で割れる岩。

だが、それだけで終わらないのがダンジョンだ。

それは、割れた岩の中からひょこっと顔を出した。


「あっ、かわいいねこの子!」

それは、うさぎだった。よく見る、普通のうさぎだ。

「あっ、近づくな桜月!」

「ふぇ?」

うさぎを抱え上げる桜月。その瞬間、うさぎは桜月に牙を向いた。


桜月の顔に噛み付こうとするうさぎ。だが、それを悠斗が許すはずもなく。

「ってぇぇぇい!」

一回の踏み込みで抱え上げられていたうさぎの牙を切る。

牙を失ったうさぎは何もできなくなり、桜月の腕から抜けだして逃げていった。

「あぁ、うさちゃーん!」

「やめとけ、きらうさぎにかまってるとこっちがやられるぞ」

さっきのうさぎは『きらうさぎ』と呼ばれるモンスターだ。

その外見で冒険者を騙し、背中を向けたり担ぎあげられたりした瞬間に噛み付いてくる。

吸血能力があり、噛まれたところから血を吸われてしまう。


「とにかくさっさと中間の層は抜けるぞ」

陣形を立て直し、再び走りだす悠斗達。

「ところで、さっきのインキュバス戦だが…」

千代とメアリーがどきっとする。

「お前ら、流石に油断しすぎだろ…」

千代は返す言葉もない。先に戦う相手が分かっていてそれで油断してやられてしまっている。

「メアリー、しかもお前は俺の体借りてるんだから千代とかメアを助けられただろ…」

メアリーは申し訳無さそうな顔をしていた。


「そ、それにしてもアイツの能力ってなんなんですの?同じ吸血鬼でもよく分からないんですのよ。」

「そうだ。魔法のようにも見えたが透明な魔法など見たこともない。」

「だろーなー。アレは魔法じゃなくて催眠の類だからな。」

「「催眠?」」

「そー、催眠。体は乗っ取れないけど遠距離で使えるようになったメアリーの魅了って感じだな」


「えっ、魅了って魔法のたぐいではないんですの?!」

驚きを隠せないメアリー。いままで魔法と思って使ってきたものが魔法ではないと言われたのだから。

「分類的には魔法だが、性質的には全く別のものだ。」

悠斗がインベントリから魔法書を取り出し、器用にペラペラとページをめくっていく。

「例えば、この…そうだな、『ファイア』っと」

右手を前に突き出し、前方のミノタウロンへ向けて詠唱する。

悠斗の手のひらから炎の玉が飛び出し、命中する。

命中したミノタウロンは燃え上がり、少しもがいた後、消滅する。


「それが世間一般で言う魔法ってやつだな。詠唱してから使う感じだ。」

「そうですわね、どんな魔法も詠唱が必要ですわね。」

「だが、インキュバスは詠唱しているようには見えなかったぞ…?」

「そう、そこだ。そこが魔法と催眠の違いだ。」

さっき使用した魔法書のページを更にめくる悠斗。

「そうだな、これが分かりやすいか」


タイミングを測ったかのようにオークが前方に現れる。

「プギィィィィ!」

「うるさいアイツを黙らせるにはちょうど良さそうだ」

悠斗は魔導書を閉じ、ポーチへしまう。

「よっと」

オークへ向けてインキュバスがやったように指を鳴らす悠斗。

すると、オークは糸が切れたように地面にへたり込み、寝てしまう。


「こんな感じだな」

ひょいっとオークを飛び越え、後ろをちらっと見る悠斗。

「あれが、催眠ですの?」

「そうなるな。詠唱が要らない分、攻撃は出来ないが効果は強力だ。」

「だが、アイツの使った催眠は強力だった…一瞬で意識が飛ぶくらいだったからな。」

「それはアレだ、お前らが耐え切れなかっただけだ。せめてもの防衛本能だな」


「耐え切れなかった、とはどういうことですの?」

「見た感じ、アイツの使ってる催眠は強力だ。女性に対しては、だがな」

「女性に対して?」

「そー。まぁ言うなれば強烈な催淫効果がある感じだな」

「「っっ!」」

その言葉を聞いて顔を赤らめる2人。

「いや、あのな?変な事想像するなよ?本質的にはメアリーの能力と同じだ。ただ、本心を引き出すのではなく自分に惚れさせる、という能力になるがな。」


「じゃ、じゃあアイツの姿が悠斗に見えたのも…」

「そんなことになってたのか。通りで剣を振り降ろさないわけだ…まぁ、俺の姿に見えたのもそのせいだろうな」

「で、でもそれならフィールド全域に催眠を打てばいいんじゃないんですの…?」

「そうも行かないだろうな。催眠は魔法に比べて消耗する魔力が大きい。それをフィールド全体に打つとなると、膨大な量必要だ。」

「それならば、メアが始めを避けれたのも…」

「多分範囲を指定して打ったからだろうな。いたぶるのが好きだとか言ってたしな」

「うぅ、恥ずかしいですの…」

「…同感だ」


「お前ら、自分がインキュバスの手駒にならなかっただけ良かったと思って、自分の防衛本能に感謝するんだな」

呆れたような顔で悠斗がやれやれとしていた。

「っ、そ、そそそんなことにはっ、な、ならない!」

「そ、それは同感ですの!絶対にありえないですの!」

「はいはい、そーですねぇ強いですねぇ」

「バカにしてますの?!」


悠斗は2人に呆れながらも層を走り抜ける。

そして、到達する20層。

「ハァ…ハァ…ふぅっ、大丈夫か?」

「な、なんとかね…」

「もうあるけないよぉ…」

「エリスを無理に歩かせてしまったか。」

「アル、それよりおまえは自分の剣の心配をしろよ」

さっきから剣先を引きずりながら走っていたアルス。

剣先が刃こぼれしていないか気になる悠斗だった。


「さて、この扉の条件はっと…」

扉の横の条件を読み進める悠斗。

「は?ソロ?」

一人で挑戦することだった。

次回更新は7月25日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ