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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter5 「Eternal Floor」
39/96

37話目 「悠斗の憂鬱と選抜チーム」

どーも、作者です。


今回は補足回(前半)です。

うだうだと長くなってしまう気がしたので前後編で分けることにしました。

申し訳ありません。

各自の固有能力と自己紹介は次回です。


では、どーぞ。

絶望感いっぱいな気持ちでギルドに帰ってくる悠斗と智恵。

「もう嫌だ…元の世界に帰りたい、パソコンの前でただゲームしたい…」

疲れと憂鬱な気持ちから心の声がダタ漏れになる悠斗。珍しく弱気だった。

「しかもこの後またエターナルフロアに行かなきゃいけないんだろ…はぁ…」

それは少し前、咲夜から言い渡された『お願い』だった。


「というわけで、悪いんだけどエターナルフロアの調査と制圧を頼める?」

「何がというわけなんだ、説明しろ!」

「言ったままだよー。君たちはしばらく元の世界に戻れそうにない。」

「何でだよ!元々は咲夜がこっちの世界に俺たちを呼んだんだろ!」

「それがね、今回のハッキングの件で君たちを呼んだのはいいんだけど、元の世界に戻す方法を考えてなかったのさ。私達もこの世界に入ればなんとかなるかな、と思ったのが仇になっちゃったね。」


それは、悠斗達『ヴァイスリッター』への正式なクエストとしての願い。

「エターナルフロア」の調査と制圧だった。

以前エターナルフロアのセーフティーゾーンにモンスターが進入する、という大事件が起こったのだが、原因は咲夜のダンジョンセッティングミスだった。

今回は智恵のハッキングの件でモンスターが見境なく暴れだし冒険者に被害を出しているというもの。

更には今まで見たこともないモンスターが現れたり、経験したこともないダンジョンルールになっており、一般のチームでは太刀打ち出来ないであろう、ということで悠斗達ヴァイスリッターに白羽の矢が立った。


「というわけなんだ。」

「それを何で先に言わねぇんだよ馬鹿か!」

「いや、だって君が嫌だって言うから…」

「嫌でもこれに関しちゃ強制で俺たちがやるはめになるだろ!」

「そうだね、『エターナルフロア』を完全踏破したのは君たちだけだからね…」


すべてのダンジョンの中でも最高難易度と呼び声高いダンジョン、

それがエターナルフロアだ。並大抵の冒険者では進入すら出来ない。

様々なルールが階層ごとに設けられており、すべてのモンスターが出現する。

純粋な戦闘能力、策略を建てる知能、先へ進む勇気、類まれなるセンス、

絶対に諦めない根性、状況に対応するための判断力が試される。


「はぁ…分かった、やるよ。それでなんだが、ダンジョンのルール緩和を頼めるか?」

「ルール緩和?今内部をいじるとどうなるか…」

「いや、変えて欲しいのは『パーティーの人数制限』だ。15人に増やしてくれ。」

「それなら何とか行けそうだね。それで、誰を連れて行くんだい?君たちは確か5人チームだったよね?」

「俺のチームから5人、それと『チャームファンタジア』・『ナイトオブラウンドテーブル』から各5人ずつの計15人の選抜チームで挑む。」

「ほぅ、すごいね。そこまでのチームをまとめ上げるほどのリーダーシップが君にはある、と」

「リーダーは俺じゃなくてもいい。だが戦力は一切の抜け無しで挑みたい。」

「そのメンバーなら行けるかもしれないね。では、任せたよ。」


そしてギルドの前についた悠斗。

さっきまでは少し強がっていただけで、咲夜と別れた途端にどっと疲れが押し寄せてくる。

疲労感と不安感、絶望感で胸がいっぱいだ。

こんなことなら、もっとしっかりと運動しておけばよかった…

自分の運動神経のなさに後悔していた。


「ただいま~…ってのも色々おかしいか」

ギルドのドアをキィという音を立てながら開ける悠斗。

ギルドの中にはいつもの見慣れたメンバーが居た。


「おかえりなさい、ですわ」

「帰ったか、ユートよ」

チームマスター2人が一番最初に出迎えてくれた。

なぜ、蒼汰や桜月では無いのだろう、と思いつつ軽く挨拶しながら中へ。


「あっ、ゆー帰ってきたー!」

今は魔力も回復していて、疲れているせいか眠っている智恵をソファに横寝かせると、

後ろから桜月にタックル張りの勢いで横から抱きつかれる。

「ぐおっ」

疲れて体が重い悠斗はその抱きつきに耐えられず抱きつかれた向きと同じ向きに倒れこむ。

端から見たら桜月が悠斗を押し倒していた。


「やめろー…桜月ー…俺もう疲れてんだー…」

倒れたまま動けない悠斗は他気だるそうな声で必死の抵抗をする。

「むーん、つまんないのー!私はもっとゆーと遊びたいの~!」

「俺はそんな事できるほどの気力残ってない…」

「ダメと言っても離さない~!」

「やめろぉー…」


すると突然悠斗の体に乗って居た重りが軽くなる。

それは悠斗の体から桜月が離された、ということである。

「やめてちよちゃん、私はもっとゆーと遊ぶの!」

「お前こそ悠斗の事を考えているならやめろ、見ているこっちが辛い」

「そんなこと言って、実のところちよちゃんも悠斗と遊びたいんでしょ~?」

「なっ、ばっ、バカを言うな!」

「照れちゃって~かわいいー!」

「桜月ぃぃぃ!」


なぜかは分からないが桜月と千代の追いかけっこが始まっていた。

まぁ、自分には関係ないだろう。

よっこいしょと悠斗は疲れている自分の体を持ち上げ、アルスとメアリーのそばへ。

「む、どうしたユートよ」

「悠斗様、どうされましたの?」


「ちょっと話があってな。お前ら、明日までに各チーム5人ずつ集めてこれるか?」

「かまいませんが、何かありますの?」

「そうだ、私達としても理由なくメンバーを集める事は難しい。」


悠斗は今日咲夜から聞いたことと、明日エターナルフロアの調査・制圧を行うと2人に言った。

それで各チームのメンバーを各5人ずつ集めてもらえると助かる、という話をした。


「なるほど、分かった。ならば選抜メンバーを集めてこようではないか。」

「私たちも、選りすぐったメンバーを集めてきますわ。」

「同盟結んだばかりな上、突然で悪いな。」

「ふっ、君に助けられた恩もあるしな、気にするなユートよ」

「私も悠斗様には色々と配慮していただきましたし。楽勝ですわ!」

「助かる。じゃあすまないがまた明日ここで。」

「了解した」「了解ですわ」















そして翌日。


「唐突に集まってもらってすまない。各自、今日は何をやるかは分かってもらってると思う。」

そこには、各チームの選りすぐりのメンバーが揃っていた。


「今回の事件でエターナルフロアがまた大変なことになってるらしい。

 それで、俺達ヴァイスリッターに白羽の矢が立てられた。

 だが、正直俺達だけで勝てるかどうかも分からない。だからこそ、君たちの力を借りたい。」


いつになく真面目に言う悠斗。だが、もちろん内心では

「(早く現実に戻りてぇ・・・)」

と愚痴を漏らしていた。

「それでなんだが、少しゲームシステムのおさらいをしたいと思う。」

「異論なし」


よし、では説明を始める。

まずは「ステータス関係」について。


ステータス。それはいわゆるどのゲームにも存在する能力値のことだ。

ゲームによっては様々なステータスが用意されていると思うのだが、

エターナルオンラインでは基本的に『6個のステータス』で構成されている。

『攻撃』『回避』『速さ』『運』『器用さ』『知能』

この6個の基本ステータスにより体力やマジックポイントなどが決まる。


最初に選んだキャラのスタイルによりどの能力が上がりやすいか決まる。

最終的には全体的におなじになるのだが、伸びが変わってくる。

悠斗の場合はオールマイティのスタイルを選択したので、全体的に伸びがいいとはいえないが、苦手な伸びもない。という風にだ。


「体力・スタミナ・魔力」の違い。

まずは体力。これは他のゲームで言うと『HP』『ヒットポイント』と呼ばれるものだ。

これが0になればプレイヤーは『行動不能』になる。


次にスタミナ。これはプレイヤーがスキルを使うときに使用する物。

これが切れるとプレイヤーはスキルの使用ができなくなる。

その上減れば減るほどキャラクターが疲労し、ステータスが一時的に下がる。


最後に魔力。これは魔法、魔力を使ったスキルを使用するときに使う物。

こちらも切れると魔法の使用ができなくなる。

更にターゲッティングができなくなってしまう。


これらステータスや体力、スタミナ、魔力は『成長度』に比例して増加する。

長くプレイすればするほど多く、大きくなっていく。


ソウルリベレイト。

一時的に体内のリミッターを外し、内に秘めた『オーラ』と呼ばれるものを開放する。

そのキャラの得意能力を最大限まで引き上げ、普段では出来ない事まで可能にする。

こちらも成長度が増えれば増えるほど持続できる時間も増える。

ただし、現実時間で1日1回という使用制限があり、なおかつ使用していた時間分反動として自分の防御力と苦手能力が最低値になってしまう。

最強の力を手に入れることはできるが、自分の体を限界まで追い詰める諸刃の剣でもある。


最後に『固有能力ユニークアビリティ』。

これはキャラクター作成時に最初から付与される特技みたいなものである。

個人個人で使える能力が変わる、唯一無二の能力。

使いこなせば最強の盾、最強の剣となるが使いこなせないうちはスタミナを多く消耗してしまい連続の使用や持続が難しくなってくる。

成長度などでもどうにかなるものではなく、ゲームプレイヤー自身の実力に依存する。

効率良く使う方法を編み出せない限り、使いこなすことは難しい。


「まぁ、こんなところか。それで、次は全員の固有能力ユニークアビリティを知っておきたい。」

各自が各々の能力を持っている以上、把握しておくことは大切だ。


「じゃあまず俺だな。俺は…」


次回更新は7月13日です。

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