28話目 「5人目とハッカー」
どーも、作者です。
シリアル・・・じゃなくてシリアスです。
作者はシリアルはケロッグが好きです。え?今関係ないって?
さぁ、本当にこの話は関係がないのでしょうか?
まぁ、本当に関係ないんですけどね。
ただの作者の気まぐれの雑談です。
では、どーそ。
「やあユート。中で見かけなかったからどうしたのかと思ったぞ」
悠斗がギルドのドアを開けて一番に声をかけてきたのはアルスだった。
身長が高いせいか、それとも独特の雰囲気のせいか周りから少し浮いていた。
「ゆーとにーちゃん!」
蒼汰にくっつきながらもこちらに笑顔を向けるエリス。元気そうで何よりだ。
「あら、いらしてましたの。てっきりどこかへ行っているものかと思いましたわ。」
こちらも蒼汰のそばから離れず挨拶してくるメアリー。
正直その格好は暑くないのかと突っ込みたくなったがやめておいた。
「あなたが…悠斗…さん」
いきなり目の前にふっと現れる少女。見た目は14から15歳位だろうか。
露出が多めの服を着ていて、あの生物と見た目がかぶっていた。
「君がメアリーにサキュと呼ばれていた子か。」
初めてあった時は全身をつつむローブをまとっており顔が隠れていた。
唯一その子が女性ということだけは分かった。
「そう…です」
「はじめまして、だな。俺は悠斗、相田悠斗だ。」
「私…は…サキュル・マーベリット…サキュでいい…」
「サキュル・マーベリットか。いい名前だな。」
「…」
悠斗が名前を褒めると顔を少し赤らめて後ろを向いてしまった。
「悠斗!私が居ながら他の娘にうつつを抜かすとは何事だ!」
千代が怒りながら悠斗の腕を引っ張る。
「だぁっ、悪かった、俺が悪かったって!」
必死に反論する悠斗だが千代は引っ張る手の強さを緩めない。
「あーっ!ちよちゃんずるい!私だって悠斗と手を繋ぎたいのに~!」
ソファに座りながらオレンジジュースを飲んでいた桜月がテーブルにコップを置いてこちらに走ってくる。
右手を千代に、左手を桜月に引っ張られる悠斗。
「離せ桜月!悠斗は私が連れて行くんだ!」
「ちよちゃんこそ!私だって悠斗と一緒に居たいの!」
「おいバカ、痛いっ、痛いから二人共腕を離せっ!」
両方からかなりの力で引っ張られているのでかなり痛い。
「あーそれでだ、ユート」「そうですわ、悠斗様」
アルスとメアリーがまるで合わせたかのようにピッタリと悠斗に言う。
2人は少し顔を合わせた後どうぞどうぞと譲り合いをしていた。
「話をとぎってしまってすまない、そちらからで構わないぞ」
「いえいえ、私こそ遮ってしまって申し訳ありませんでしたわ。」
「いいから早く用件を言ってくれマジで体千切れそう」
依然引っ張り続けられている悠斗だった。
「ならば私から。ユートが言っていた異変のことなのだが…」
異変は大樹の森だけではないらしい。
黄昏の海、死者の大墓、見捨てられた廃坑などの多くのダンジョンで異変が起こっているようだ。
それもただ単に敵のレベルが上がるだの危険度があがっただけではなく、
突然の地形の変化、水場の干ばつ、地震、火山。
どれもこれも以前に観測されたことが無いような事だ。
「とにかく今このエターナル・オンラインの世界は普通ではない。確実にユートの言っていたハッカーが関わっているであろう。」
事態は深刻だった。それはこの場にいる誰もが感じていた。
このままハッカーを放置すれば確実に町の方にも被害が出るだろう。
むしろ、今まで町やプレイヤーに被害が出なかったことが奇跡だ。
「対策を打ちたいところだが、対策のしようがないもんな…」
ダンジョン外の街やフィールドならプレイヤーのスキルなどで対策のしようはあるが、
サーバーを管理しているゲームマスターの管理下にあるダンジョンの内部だけは手の出しようがなかった。
何故ならばダンジョンは入るたびに地形が変化しモンスターも復活する。
ダンジョン内で永続的なスキルを打ったところで、ダンジョンから出てしまえばすべて消える。
「とりあえずハッカーを捕まえてからそっちの対策を考えよう。ハッカーがいる状態じゃ対策を考えるだけ時間の無駄だ。」
悠斗は一旦忘れることにした。
「では次は私ですわね。私からはそのハッカーについての情報ですわ。」
どうやらハッカーは集団ではなく、1人のプレイヤーらしい。
エターナル・オンラインでもかなりのやりこみプレイヤーのようで、ダンジョンのシステムの穴などを熟知している。
さらにどこをどう弄れば大きな被害が出るかの計算もされている。
捕まえる、と言っても一筋縄ではいかないだろう。
「それと、ハッカーは女性の可能性がありますわ。」
「女性?なぜだ?」
「さっきゲームマスターに問い合わせた所現状男性プレイヤーは全員ログインしているらしいですわ。」
「それとハッカーが女性だってことに何の関係が?ゲーム内からでもできるだろ?」
「それがですわね…」
どうやらゲーム内からゲームシステムにアクセスしようとすると必ずゲームマスターの方に知らせが届くらしい。
その知らせが被害が出始めてから一度も無いと言うのだ。
だから犯人はゲームにまだログインしていない可能性が高い、そして現状男性プレイヤーは全員ログイン済み。
以上のことからハッカーは女性の可能性が高いらしい。
「そうか…」
「まぁ可能性の話ですから、絶対というわけでもないですわ。」
「いや、可能性でも疑うべきか…」
と、そこまで言って悠斗はあることに気がつく。
それは悠斗が一番思い浮かばなかった、盲点でもあり信じたくない仮説。
「なぁ千代!智恵は今日ログインしたか?!」
突然の悠斗の大声に千代は驚きながらもこう答える。
「いや、見てない。ログインしたらシステムで連絡が来るはずだ。」
悠斗はポケットからスマホを取り出しシステムメニューを開く。
チームのカテゴリから最終ログイン時間を確認する。
そこの智恵の欄だけ、『21時間前』という文字が映っていた。
「(まずい…まずいまずいまずいまずい!)」
想像したくない方向に悠斗の頭の中の話が進んでいく。
智恵が最後にログインしたのは21時間前。
被害が出始めたのは21時間前。
そして今日智恵は学校を休んでいた。
家の都合という理由だった。帰りにプリントを届けに行ったが智恵本人を見ていない。
そしてこの時間までログインしてこない智恵。
偶然だと思いたい。だが辻褄が合いすぎていて、完全に逃げ場がない。
情況証拠は完全に智恵がそうだと物語っている。
この後ログイン、最悪でも連絡さえ来れば疑いは晴れる。
悠斗はメッセージを開き智恵にメッセージを送る。
『どうした?今日は皆でクエストに行こうって言ってたじゃないか。』
あくまでメッセージでは平静を装う。
「(頼む…!違うと言ってくれ…忘れていただけだと言ってくれ…!)」
祈るようにスマホを握りしめる悠斗。
すると、意外なことに智恵のメッセージはすぐ帰ってきた。
だが、それは悠斗にとって最悪のメッセージだった。
「今、私はすごく楽しいよ。とっても、とっても。」
悠斗の質問に対して帰ってきたのは、違う意味での答えだった。
次回更新は6月15日です。




