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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter3 「Imaginary Creatures」
26/96

24話目 「プレイヤーVSプレイヤー」

どーも、作者です。


私情で申し訳ないのですが、しばらくの間小説の更新ができません。

一週間ほどで戻ってまいります。

読んでくださっている方、申し訳ありません。


では、どーぞ。

「待ってましたわ!」

PVP宣言の後の約束通り、悠斗と桜月はアライズ広場に来ていた。


アライズ広場にはPVPスペースが設けられており、

互いの同意によりPVPを行うことができるようになっている。

今回の蒼汰と千代を賭けたPVPはそのスペースで行われる。

広すぎず、狭すぎずという感じだ。

フィールドは結界で守られており外部からの手出しは一切できない。

プレイヤー同士の本気の実力勝負が見られるということで、

見物人も多い。見物人の中で賭けが行われることもしばしば。


悠斗は桜月の装備のチェックをし、完全に準備が出来た状態で来ていた。

桜月の装備はほとんどがレジェンダリーレアと呼ばれる物で

なおかつゲーム最強と呼び声高いセット装備だった。

名をホーリーフェアリーセット、通称『光の妖精』と呼ばれるセットだ。

攻撃や防御よりも、『敏捷性』に重点を置いている装備だ。

まるで妖精のように自由自在に動き回れる。


武器も今回のために悠斗が制作した杖だ。

人が制作した武器にレア度は付かないがレジェンダリーほどの価値がある武器になる。

その制作難度から誰一人として作ろうとしない武器だった。

こちらも、名を『逢月蒼宝杖あいづきそうほうじょう』と呼ばれる杖だ。

SSクラス素材をふんだんに使っており使い勝手もよい。

まさにシスターという職業の桜月にピッタリの武器だった。


「こっちは万全の準備をしてきたぜ!千代さんよぉ!」

腕を組んでふふんと勝ち誇ったような顔をしている千代に向かって、悠斗は叫ぶ。

「その武器、あなたが制作されましたの?」

図鑑でしか見たことのない桜月の武器を見て千代は驚く。

「あぁ、そうだ。この戦いは負けられないからな。」

少し誇らしげに悠斗は言う。

「さすがですわね。チームをまとめるだけの力はお有りということですわね。」

「伊達にチームリーダー名乗ってるわけじゃないんでね。」

千代と悠斗はバチバチと火花を飛ばす。

何故かPVPが始まる前に戦いが始まっていた。


「とにかく!受けていただいた以上は戦っていただきますわ!」

そう言うと千代は鎧のポケットから紙を取り出す。

「これは同盟用の紙ですわ!あなた達が勝てばこれを差し上げますわ!」

そこにはチャームファンタジアの同意サインが書いてあった。

「ついでとはいいたくないが千代も返せよ?」

「この方は私達が勝っても負けてもお返しいたしますわ。」

悠斗の目をまっすぐに見る千代。


「まぁいいや、とっとと始めようぜ。正直俺が疲れてるってのもあるが。」

悠斗は桜月とともにPVPのフィールドに入る。

「桜月、すまんが俺はここまでだ。今お前にかけてやれるバフだけ最大限にかけてやる。」

悠斗は詠唱を始め、桜月の周りに魔法陣を組む。

「あたえたまえ…力を…体を…頭脳を…幸運を…『ラッキーセブン』!」

魔法陣が光を放ち、桜月の体に光が集る。

桜月の体に光が吸い込まれていき、やがてすべての光が消える。


「よし、これでいいな。いいか、バフの効果時間は1時間だ。それまでに何とか決着を付けてくれ。」

悠斗は桜月の頭に手を置く。そしてそのまま桜月の頭をなでた。

「頼んだぞ、桜月。」

そう言うと悠斗はフィールドの外に出た。

「桜月さん!」

その声に呼ばれ声のした方に振り向く。

そこには千代が立っていた。もちろん、フィールドの中に。


「お互い、全力で戦いましょう!」

「そうだね、望むところだよ!ゆーやちよちゃん、そーくんのために勝つって決めたから!」

その言葉を最後に、2人はフィールドの中央へ。

向い合って立つ2人。あ互いの目には相手しか写っていない。

「お前ら準備はいいか!」

悠斗が戦闘開始の合図をする。


「スタート!」

悠斗の言葉・見物人の歓声と同時に両者はフィールドの端まで下がる。

千代は持っている剣に属性を付与する。

桜月は杖に魔力を込める。


「行きますわよっ!」

一回の踏み込みで桜月の目の前まで飛び込んできた千代。

闇の属性を付与した剣を桜月の腹にめがけて突き刺す。

桜月は杖の持ち手の部分で剣先を受け止め、蹴りを繰り出す。

その蹴りは勢い良く突っ込んできた千代の体に命中し、

カウンターの要領で千代を吹き飛ばす。


「ぐっ!」

ズザーッと地面を滑る千代。その隙を桜月が見逃すはずもなく、

そこに向かって魔法を繰り出す。それは、桜月の得意分野の魔法。

「『ライトニング・ボルト』!」

杖の先から雷で槍の形を作り出し、千代の体を貫いた。

「ふっ!」

それだけでは終わらず、その雷で作った槍先を地面に突き刺して鎖にした。


「くうっ…」

予想外のダメージと行動制限により苦戦を強いられる千代。

だが、黙ってやられている千代ではない。

「『闇纏う暗黒の球(ダークネス・ブラスト)』!」

剣を握っていない左手から闇の球を打ち出す。

次の魔法の詠唱を準備していて身動きを取れなかった桜月はもろに食らってしまう。

「うわぁっ!」

あたった瞬間球が破裂し、桜月の体を吹き飛ばす。

ゴロゴロと地面を転がる桜月。止まった後もしばらく動かない。


「桜月っ!」

外から悠斗が叫ぶ。

「…っ…大丈夫だよ…ゆー…」

かなりの威力だったのか、左肩を抑える桜月。

「このくらい…どうってことないよ…」

再び詠唱を始める桜月。だが、体が安定せずふらふらとしている。


「や、やりますわね…」

ハァハァと息を吐いている千代。さっきの攻撃でエネルギーを使った上、

雷の槍で体を貫かれてなおかつ地面に固定されている。

雷の槍はじわじわと体にダメージを通していく。


「ほ…『ホーリー・レイ』!」

先に動いたのは桜月だった。

3重の魔法陣を展開し、最大限まで貯めた魔力を杖に込めてその杖を天高く投げる。

投げた杖は天を貫き、そこに5重の魔法陣を展開する。

「私の、ゆーの、そーくんのちよちゃんを返してぇぇっ!」

天に描かれた魔法陣は虹色に輝き、膨大な魔力を一本のレーザーとして放つ。


「私とて、ここで負けるわけには行きませんの!」

手に持っていた剣を捨て、両手を重ねる。

「あなたの最大がそれならば、私も最大で受け止めてみせますわ!」

千代から闇の波動が溢れる。具現化して目に見えるほどの膨大なエネルギーを両の手のひらに込める。


「『聖を無に返す漆黒の楯(インヴァリディション)』!」

闇のエネルギーを貯めた両手を空にかざし、放つ。

そのエネルギーは巨大な3枚の盾を千代の前に作りだす。


「「はぁぁぁぁぁぁ!」」

2人の全力と全力のぶつかり合い。

それは、PVPの歴史に残る名勝負だったという。

次回更新は6月1日です。

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