22話目 「戦女神・アルカード」
どーも、作者です。
誤字脱字が気になって最近は投稿前に10前後回ほど見返してしまいます。
それでも誤字脱字があるって?すいません!
本当に誤字脱字は作者の見落としミスです。
どうしても気になるようでしたら指摘してください。
では、どーぞ。
何度も抱きつこうと飛びかかってくる千代。
それを傷つけないように受け流し回避する悠斗。
その光景を見て開いた口が塞がらない蒼汰と桜月。
ギルド内は修羅場と化していた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待て千代!俺が何をしたっていうんだ!」
桜月がいつも飛びかかってくるのを避けるかのように避ける。
毎回どこを狙ってくるかわからないのでギリギリまで引きつけてから回避する。
もし抱きつかれでもしたら多分貞操と命が危ない。2つの意味で。
「ハァ……ハァ……」
息を荒くしながら何度も悠斗に抱きつこうとする千代。
まるで何かに取り憑かれているかのような動きだった。
眼中に悠斗しか見えてないのだろう。
「ねぇ桜月。君だったらこの状況どう思う?」
「私?私はちよちゃんより先にゆーを奪うかな!」
「うん、ごめん聞いた僕が間違いだったよ」
少々頭のなかが混乱している蒼汰に対して、
桜月の気持ちはまったくと言っていいほど揺らがないようだった。
いつも通り、質問に対して答えが帰ってきていない。
「悠斗!悠斗ー!」
何度も何度も悠斗の名前を叫ぶ千代。
「やめろ!なんか千代にそんな感じで名前呼ばれると気持ち悪い!」
自分の名前の呼び方に寒気を覚える悠斗。
「いやぁ、微笑ましいですねぇ」
「そうですねぇそーくん。本当に2人は仲がよろしいことで」
完全に蚊帳の外でくつろいでい蒼汰と桜月だった。
「お前らそんなところでくつろいでいないでこの状況どうにかしてくれー!」
ついに受け流して避けることができなくなった悠斗は千代の腕をつかむ。
掴んだ腕を軸にして背負投をし、地面にたたきつける。
「ちょっと痛いけど我慢してくれ!」
そのまま千代の腕を捻りうつ伏せにし、千代の手を後ろで縛る。
「悠斗、僕達」
「ゆーくん、私達」
蒼汰と桜月は声を合わせて言う。
「「手伝うことある?」」
「ねーよ!今しがた終わった!聞くのが遅い!」
2人の呑気な発言に対して悠斗は3連続のツッコミを入れていた。
「それにしても千代を縛ったのはいいが」
悠斗は縛り上げて天井から吊るしてある千代を見る。
「正直な所これ10分持たないよな」
千代を縛っている縄がミシミシと音をたてている。
「ちよちゃんなんだかんだで力あるもんねー!」
封印の儀式の準備をしながら桜月は笑い半分に言う。
「どうして?!どうしてこんなことするの?!」
吊るされたまま千代は叫ぶ。
「うん、話ややこしくなるからちょっと黙っててくれ千代」
あからさまに正気ではない千代をなだめるように言う。
「ったく、何が千代をこんな風にしたっていうんだ…」
カウンターの後ろ側のワインセラーからオレンジジュースを出す。
悠斗の趣味で温度という概念がないこの世界で飲み物を置くなら
ワインセラーがいいと言ってこの形になった。
現実では今時珍しいビンに入ったオレンジジュースを開け、コップに注ぐ。
『ビックリオレンジ』という種類のオレンジを使ったジュース。
このオレンジで作られたジュースは味が変わるという特性を持っている。
一口飲んで、また一口飲むと味が変わる。
「こんなにも悠斗の事が好きなのに!」
突然の千代の発言で悠斗は口に含んだジュースを思いっきり吹き出し、
桜月は魔法陣を書いていたマジックライトペンを指で折り、
蒼汰は座っていた椅子から転げ落ちる。
唐突な発言でその場に居た千代以外のメンバーがそれぞれの反応をした。
「おい!?お前いきなり何言ってんだ?!」
さっき黙っていてくれと言って少しおとなしくなったから大丈夫だろうと思っていた矢先、
唐突な好きだ発言でかなり動揺している悠斗。
声が裏返ってしまうほどの動揺だと傍目からでも分かるほどだった。
「ちよちゃ~ん?その発言は私に対しての挑戦状だと受け取ってもいいよね~?」
桜月はさっき壊したマジックライトペンを手のひらでバキバキと音を鳴らしながら更に壊す。
かなり怒っているのが分かる。ペンがそれを物語っている。
「おいそれはどういうことだ俺を巻き込むな」
悠斗は同様しながらも冷静に桜月の発言にツッコむ。
「桜月…それ痛くないの…?」
蒼汰は何に対して発言していいのか分からず桜月に対して言う。
「痛くないよ~?別に痛くないよ~♪」
更にバキバキと音を鳴らしながら蒼汰に向かってニコニコしている顔を向ける。
顔は笑っているが体が怒りを示しているのでむしろその顔が怖かった。
千代の不用意な発言で完全に修羅場と化したギルド。
何がどうなっているのかわけがわからない悠斗。
怒りで今にも爆発しそうな桜月。
どうやってこの場を収めるか悩んでいる蒼汰。
完全にどうかしている千代。
「これどうすんだ・・・」
完全に詰みの状態の悠斗。
だが、そんな状況を一変する事態が起こる。
ブチッという音と共に千代の縄が解ける。
今状態の千代が自由になれば次にどうするかは決まっている。
もちろん悠斗に襲いかかる。
「とまれ千代女っ!」
「ストップ、ちよちゃんっ!」
悠斗に飛びかかろうとした千代を蒼汰と桜月の2人がかりで抑える。
千代は必死に桜月と蒼汰を振り払おうとするが、
蒼汰も桜月も力は劣っているとはいえ一般のプレイヤーに比べれば
天と地ほどの差があるほどの強さがある。
それが2人がかりとなればさすがに千代でも振りほどけるわけがない。
「千代がどうしてこうなったかさえわかれば解決方法はあるんだが…」
悠斗は一生懸命に考える。なぜ千代はこうなったのか。
どうして唐突に自分を狙い始めたのか。なぜ蒼汰や桜月ではなく自分なのか。
「うっ…うぐっ…」
千代は突然おとなしくなる。
が、それは次の行動の前準備みたいなものだった。
「うっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
シャウトに近い叫びとともに千代から闇が溢れる。
よくアニメなどで見る力を開放するモーションにそれは似ていた。
「あぁ?!千代から闇の力だぁ?!」
パニックで完全に口調がおかしくなっていた悠斗。
「戦女神って聖の力を糧として戦う職業のはずなのに闇のパワーが…?」
闇の力に押されて抑えていた手を話してしまう蒼汰。
「うぐっ…うわぁ…むぐっ…」
苦しそうに呻く千代。何かに縛られているかのようにもがいている。
「やべぇな、アレ止めないと厄介な事になりそうだ」
悠斗はとっさに剣を創り、千代に斬りかかる。
「おらっ、俺の聖属性攻撃で正気に戻りやがれっ!」
千代めがけて剣を振り下ろす悠斗。
だが、その攻撃は意外なものに止められてしまう。
千代に当たるすんでのところで紐のようなものに止められてしまう。
その紐は剣に巻きついたまま剣を悠斗から取り上げ、千代の元へ。
千代はその紐が持ってきた剣を持ち、立ち上がる。
「あぁ…これは面倒な奴に『魅了』されちまったな…千代」
悠斗は目の前の千代の姿を見てそう言い放つ。
「まさかお前がそんな姿になるとは想像もしてなかったよ、『吸血鬼』千代さんよ」
次回更新は5月20日です。




