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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter3 「Imaginary Creatures」
22/96

20話目 「ナイトメア」

どーも、作者です。


いやー、最近少しずつペースをあげられるよういろいろと頑張ってます!

(ちょっとずつペース上げていますが、何時まで続くかと心配です)

以後もこのままのペースだといいなぁとか思ったり。


では、どーぞ。

「んっ…くっ…」

宿屋のベッドに寝かされていた千代は苦しんでいた。

それは噛まれた痛みからではなく、夢のせいだった。

俗にいう悪夢、というやつを千代は見ていた。


「あー、お前弱過ぎだわ俺に勝てないとかバカにしてんの?」

悠斗は千代の斬撃をひょいひょいとかわす。

あたかも、子供が遊びで剣を振っているのを避けるかのように。

いかにもやる気無さそうに避ける。


「くっ…これでぇぇ!」

千代は悠斗が剣をジャンプして避けた隙を狙ってシールドバッシュを狙った。

「あー、駄目駄目読めるし当たらんしそれカウンターできるし」

本当に読めていたかのように悠斗は千代の盾を足で止め、

もう片方の開いている足で千代を蹴り飛ばす。


「ぐあっ!」

いくら空中にいて腰が入っていないとはいえ、悠斗の蹴りは強烈だった。

体が吹き飛び、受け身を取れないまま地面を転がる。

「それで終わりかー?なんだあっけねぇ…もっと腕磨いてから来いよ」

悠斗は千代に目もくれずそのまま立ち去ろうとする。


「ま、待て!」

千代は剣を地面につき、それを支えにしてなんとか起き上がる。

さっき蹴られた痛みで足はガクガクになっており体に力が入らない。

立っているのがやっとなくらいだ。

「まだ終わってない!もう一度戦え!」


「やめとけって今のお前じゃ俺には勝てない」

悠斗は呆れたように言う。

たしかにさっきの戦闘を見ればどちらが強いかは明らかだ。

しかし、千代も簡単に負けを認める訳にはいかない。

チームの戦闘指揮を執っている以上無様な姿をマスターには見せられない。


「私がここで勝たなければ、私がチームにいる資格など無い!」

自分の声で自分を奮い立たせ、自分の足でしっかりと立つ。

さっきよりは力が入るようになってきた。

後一撃だけならば悠斗に攻撃を入れることができる。

「これで最後だ!」


千代は剣を構え、詠唱を始める。

足元に魔法陣が展開され、魔法陣から光が溢れ出る。

「ここに集え我が英霊の力よ、光となりて我らが敵を討ち滅ぼさん!」

光が千代の構えている剣に集まり、刃となる。

「『シャイニード・スラッシュ』!」


剣を振り上げ瞬間、刃となった光が伸びる。

元の刀身の5倍ほどの長さとなり、光の剣を創りだす。

そのまま千代は力の限り剣を悠斗へ向けて振り下ろす。


「ほう、やるなぁ。だが」

悠斗は何もない空間から剣を取り出す。

「所詮この程度だったな」

取り出した剣で光の刃を真横に切る。

真っ二つに切られた光の刃はその場で泡のように消えてしまう。


「なっ…」

力を使いきった千代はその場にへたり込んでしまう。

「だから言ったろ、今のお前じゃ俺に勝てないって」

悠斗は作り出した剣を地面に突き刺し、千代に背を向ける。

「まぁ暇つぶしにはなったわ。また挑んでこいよ、いつでも相手してやるから」

その言葉を残して悠斗は立ち去る。


「まっ、待て悠斗!まだ終わってない!」

千代は立ち去ろうとする悠斗に手を伸ばす。

が、悠斗は千代の手に微塵も興味を示さず離れていく。

「待ってくれ!私を置いて行かないでくれ!」

必死に悠斗へと手を伸ばす。が、その手はどんどん悠斗から遠ざかっていく。

「嫌だ!もう一人は嫌なんだ!私を、私を置いていくな悠斗!」


バッ、とベットから体を起こす千代。さっきの悪夢のせいか息が荒い。

無意識のうちに手が自分の前に伸びていた。夢で見た悠斗に届くように真っ直ぐに。

悪夢のせいでかいた大量の汗がシーツに染み込んでいた。まだハァハァと息も荒い。


「おっ、起きたねお客さん」

部屋に入ってきた宿屋の人が心配そうな顔で話しかけてくる。

「…ここは?」

「ここは宿屋さ。」

「なぜ私は宿屋に・・・」

「なにやら道端で倒れていた君を女の人が運んできたらしい。」

「道端で?倒れていた?」


千代は倒れる前のことを思い出そうとするが、思い出せない。

思い出そうとすると頭に痛みが走る。

桜月と買い物に来ていて、荷物を預けて誰かを追ったのは覚えている。

しかし、誰を追おうとしていた?誰を見つけた?

肝心のそこだけが記憶から抜けていた。


とりあえずギルドに戻ろうとしてベッドから降りようとする千代。

だが床に足をついて立とうとした瞬間、バランスを崩してしまう。

千代はとっさに受け身を取ろうとするが力が入らずそのまま倒れてしまう。

思っているように体に力が入らない。


「おっ、おい大丈夫かい?」

「大丈夫…だ、このくらいで負けたりしない…!」

千代はなんとか剣の鞘を支えにして起き上がる。

「とにかく、ベッドを貸していただき助かった。」

「まぁうちは宿屋だからベッドを貸すのが仕事だし…」

「とにかく助かった。代金はいくらだ?」

千代は手持ちの金額を確認しながら言う。


「ああ、お金は取らないよ。善意ってやつさ」

「いいのか?」

「うちも結構繁盛してるからね、一人分くらい問題ないさ!」

「ありがとう。」

千代は荷持を持って宿屋の人にお礼を言い宿屋を出た。

その足で直接ギルドへ向かう。

「(なんか…今日は熱いな…)」


エターナル・オンラインでのまだ肌寒い春の日の事だった。

次回更新は5月15日です。

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