17話目 「シャドウゲイン」
どーも、作者です。
こ れ は 酷 い 状態の内容になってます。
では、どーぞ。
エリスの声にならないような叫び。悠斗が呼ぶ声。
薄い意識の中、それだけは聞こえていた。
自分で立ち上がる事はできない。体が言うことを聞かない。
自分は、死ぬのだろうか。守ると誓ったエリスを残して。
また、自分は守れなかった。
「おい!馬鹿野郎、早く目を覚ませ!こんなところじゃ死ねないだろ!」
悠斗は手で傷口を押さえる。だが、流れだす血は止まらない。
悠斗の手が血で染まっていく。ゲームの世界にあるはずのない感触で染まる。
アルスの体から血の気が引いていき、心なしか冷たくなってきている。
人が死ぬ、アルスが死んでしまう、悠斗は考えたくないことを考えていた。
「・・・もう、いいんだ・・・最後にエリスとだけ・・・話を」
息絶え絶えのアルスは、うつ伏せの状態から顔を横に向け、
途切れそうな声でそう言った。
「お前が守るんだろ!最後にとか縁起でもないこと言うな!」
「はは・・・もう私は・・・助からないだろう・・・」
「諦めんな!しっかりしろ!気を持て!」
悠斗が必死にアルスの意識を留めてる中、蒼汰は何も出来なかった。
見ていることしかかなわない。
「悠斗・・・僕は最後くらい話させてやるべきだと思うよ」
「蒼汰!お前まで縁起でもないことを!」
「しょうがないだろ!本人がそう言ってるんだから・・・」
そういった蒼汰の顔は今にも泣き出しそうだった。
「蒼汰・・・お前」
「ごめん、僕もこんなことは言いたくないよ・・・」
「・・・くそっ、でも俺は諦めねぇからな!絶対助けてやる!」
悠斗はアルスの傷口を手で抑えつつ、少し横へずれた。
「エリス・・・すまない、守ってやれなくて・・・」
声でかすれ始めているアルス。
蒼汰は、少しでもしっかりと声が聞こえるように、
エリスを下ろし、アルスの元へ行かせた。
「あるおにーちゃん・・・」
「ははっ・・・こんな姿を見せることになるとは・・・」
「こんなすがたって・・・わかんないよ!」
「そうだな、お前はわからないだろうな・・・いや、分からなくていい・・・」
「えっ・・・?えっ・・・?」
「お前はわからないままが幸せだ、それが幸せなんだ・・・」
アルスは吐血する。それも、かなりの量を。
「もう、持たないな・・・」
「あるおにーちゃん!」
「すまない、エリス。最後に一言だけ言って、お別れだな・・・」
「いやだよ・・・わかれたくないよ!」
「ごめんなぁ・・・私にもっと、力があれば守ってやれたのに・・・」
「いや、いやだよ!まだいかないでよ!」
「それは、無理な願いだ・・・」
そういうと、アルスは近くに居たエリスを最後の力を振り絞って抱き寄せる。
「私が居なくとも、チームの人と楽しくやるんだぞ?」
その直後、アルスは倒れた。
そして、二度と動くことはなかった。
「・・・ぅ」
エリスは今にも泣き出しそうだった。
悠斗は、即座に転送魔法でアルスとエリスを転送する。
「最後に言いたいこと言えたなら、良かったんじゃないか」
「そうだといいね」
悠斗と蒼汰は名も言わず、出口に向かった。
が、
「おおっと、感動のお話の後にはなにもないと思ってんのかよバカ共が!」
後ろから斧が飛んでくる。
悠斗は無言でそれを受け流し、投げつけてきたであろう敵を睨む。
「てめぇら、誰だ」
「俺達は、チーム『シャドウゲイン』だ!」
シャドウゲイン。金になるなら何でもやると噂のチームだ。
「そのシャドウゲインさんが僕達に何か用?」
怒りを抑えながら蒼汰は聞き返す。
「用も何も、てめぇら良くもかわいい俺の仲間たちを倒してくれたな!」
「たっぷりお礼してやるぜ!」
蒼汰がさっき縛られていた部屋のドアから大量に盗賊が出てくる。
「んで、お礼って?まさか俺達を殺すってんじゃないだろうな」
「ははっ、それ以外にあるわけ無いだろう!かかれ、野郎ども!」
敵のマスターらしき奴が支持すると、敵が一斉に襲いかかってくる。
「お前ら・・・!絶対に許さねぇ、後悔させてやる!」
「今回ばかりは許せない、ここで君たちを倒す!」
悠斗と蒼汰は武器を構え、集団に突撃する
結果は言うまでもなかった。
悠斗と蒼汰のコンビネーションはまるで一心同体といえるほどのシンクロだった。
相方の位置を把握し、効率よく敵を倒していった。
残ったのはもちろんマスターらしき奴だけだった。
「ひ、ひぃぃ!許してくれ、俺は悪くないんだ!」
「すまんな、俺はあんな事されて黙ってられるほどお人好しではないんだ」
手に持っていた片手剣で真っ二つに切り裂いた。
倉庫内が静寂に包まれる。
そこに聞こえていたのは、悠斗と蒼汰の足音だけだった。
次回更新は5月1日です。




