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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter2 「Team&Guild」
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15話目 「フェールという名前」

どーも、作者です。


モーンモーンと鳴く羊を見ました。夢で。


では、どーぞ。

「おにーちゃん、こっちこっち!」

「ハァ・・・ハァ・・・待て、私だってそんなに動けるわけではない・・・」

「むぅ~!はやくはやくー!」

「ちょ、ちょっとぐらい休憩をさせてくれ、私はもう限界だ・・・」

広い庭ではしゃぐ2人組。片方は騎士、片方は姫。

息を切らしながらも、姫を追いかける騎士。

元気いっぱいに、騎士を振り回す姫。


どこからどう見ても平和だった。

この日常はずっと続くと思っていた。

自分が騎士として、そして兄としてこの幼い姫を、妹を守る。

そんな世界で過ごしていけると思っていた。

あの事件が起こるまでは。


約束を破られた唐突な戦争。

何の用意もできていなかった自分の国は、何もすることが出来なかった。

受け継がれていたフェールの王家もこの代で終わることになってしまう。

だが、王である父親の名により、命からがら騎士と姫は逃げ出すことが出来た。

だが、戦争、両親の死というトラウマは少女が背負うには重すぎた。


トラウマにより、記憶を失ってしまった姫。

何も覚えていない、何も思い出せない。

それをただ見ることしか出来ない騎士である自分。

騎士という立場として、兄として姫である妹に対して何も出来ない。

そんな絶望感、脱力感に心が荒みそうになった。


自分に力があれば、もっと多くの人を守れたら。

そんな自責の念に飲み込まれる。

妹が記憶を失ったのは、妹にとっては幸いだった。

あんな辛い出来事を思いださせる訳にはいかない。

今は、ただ騎士として妹を守る、それしか出来なかった。


そんな矢先に、逃げた先の街で噂を聞いた。

「なんか最近行方不明者が出たとか。」

「エターナル・オンラインでしたっけ?私もプレイしてるから怖いんですよ~」


エターナル・オンラインのプレイヤーが消える、という事件が起こっていた。

それは、ゲームにログインした途端に消えるだとか。

「ログインした途端に消える・・・?」

昔、城で姫の娯楽に付き合わされプレイしたことがある。

キャラは削除していないので今でもログインできるはずだ。


「これだ・・・一か八か、かけて見る価値はありそうだ」

話をしていた2人組に話をつけ、パソコンを借りることに。

エターナル・オンラインにログインすると、

そこには前にプレイした時に見た風景が広がっていた。


横には、自分が守ってきた妹も居た。

「ここは・・・?」

「ここはエターナル・オンラインというゲームの世界だ。」

「えたーなる・おんらいん?」

「そうだ。ここなら、君もゆっくり休めるさ・・・」

「やすむ?あそぼうよ~!」

「はは、そうだな、遊ぶか・・・また昔のように」

「?」

「いや、なんでもない。あそこに広場もあることだし、遊ぶとしよう。」


ここなら誰にも追われない、そして自分を鍛えることもできる。

もう誰も失いたくない。絶対に、絶対に妹だけは守りぬく。

それが騎士として、兄としての役目なのだと信じて。








「い・・・」

また昔のことを思い出してしまった。最近はよく思い出す・・・

「ーい・・・」

とにかく、早く見つけ出さなければ。

「おーい!」

「うわっ」

耳元で悠斗に叫ばれ、ビクッとしながらアルスは下がる。


「な、何用だ」

「いや、ぼーっとしてるからさ、ぼーっとしてるとあぶねーぞって思って。」

「そ、そうか。忠告感謝する」

「お、おう」

「すまんな、昔の事を少し思い出していてな」

「昔のこと?お前、以前何かしてたのか?」


悠斗は少し変に思って聞いてみた。

アルスから帰ってきたのは、意外な答えだった。

「騎士を。」

「ぷっ、はははは!今どき現実で騎士やってるやつなんていんのかよ!」

「ぬっ、笑わなくてもよかろう。騎士なのは事実だ。」

「へっ?んじゃ、お前は日本育ちじゃねーのか」

「ニッポン?ニッポンとはなんだ?」

「おいおいまじかよ・・・お前、出身は?」

「シャルマータという国だ」

「(知らねぇ・・・)へぇ・・・」


ややぼーっとしながらも商店街に着いた2人。

探し人を探す。

「そういや、帰ってこない奴ってどんな奴?」

「小さい女の子だ、銀髪で碧眼の子だ。」

「見た目の歳は?」

「10歳くらいか。」

「俺が見つけても周りからは変態扱いしかされなそうな歳だなオイ」

「なぜだ?」

「あぁ、日本だとな・・・」

先が思いやられる悠斗だった。
















悠斗達が商店街に着く20分前。

蒼汰とエリスは商店街を抜け、広場に着いた。

「うわー、おっきいふんすい!」

「噴水なんて言葉知ってるの?」

「あるおにいちゃんにおしえてもらったの!」

「アルお兄ちゃん?」

「うん!ぎるどでいちばんつよくて、いつもわたしをまもってくれるの!」

「へぇ・・・見た目通りの性格してるんだね」


蒼汰がすこし感心しているその時、後ろから殺気を感じた。

とっさに背中に背負っていた剣を抜き、後ろへ振った。

その剣は、空を切った。後ろになにかいると思ったのは錯覚だったのか・・・?

と、次の瞬間後ろから悲鳴が聞こえた。

後ろに振り返ると、エリスが浮いている。比喩でもなんでもなく浮いている。


「えっ?」

わけがわからず判断が遅れた蒼汰。しかし、それが命取りになってしまった。

突然後ろから頭を殴れる。頭に鈍い音が響き、鋭い痛みが走る。

「った・・・」

そのまま、もう一発くらい、意識が飛びそうになる。

薄れゆく意識の中、エリスの悲鳴と叫びだけが聞こえる。


たすけて、もうやめて、と。

「ここで倒れられない・・・」

だが、無慈悲にも更にもう一発殴られ、意識を完全に失ってしまった。

次回更新は4月29日です。

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