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少年のような少女のような

少年のような少女のような子供が暗闇の中にうずくまっている


窓もない座敷牢 重く分厚い鉄格子


細い手足には、強力な封印が施された鎖


彼もしくは彼女には、名前がない

この世に母の命と引き換えに生まれ落ちた日より 十数年 憎しみと怯えをともした目で暴力を振るいに来るだけの父は、名前をくれなかった…


何故父は、ワタシを憎むのだろう?

母の命を奪ったから?

髪の色が父や食事を運ぶ使用人達と違うから?

頭から角が生えているから?

オトコでありオンナたがら?


名もない彼もしくは彼女は、暗闇の中問いかける相手も無く、自問している


怯える父親 吉備 真 (キビ マコト)代々 日本の歴史の闇に潜む魔物や妖怪 鬼を祓い退治してきた一族である


桃太郎 吉備津彦命キビツヒコノミコトを始祖にもつ 日本の名家である


吉備家には、退治した鬼による呪いの伝承があった…

呪いの鬼「呪ってやるぞ、鬼殺しの吉備の者共よ… おぬしらが最も栄えし時…母の命奪いて生まれ落ち 一つの角宿し 桃色の髪 白い肌 紅い瞳   半鬼 半人 半男 半女 狭間の子供が吉備家を滅ぼす…楽しみにしておれ我が呪い…」


真「何故オレの代で…」


日本政府の魔物や妖怪の事案を担い

おごることななく研鑽を積み栄華を誇ってきた吉備家の当主となり、愛する美しく聡明な妻をめとり、愛する子を授かった、はずなのに…妻は、死に半鬼半人のバケモノが生まれた…吉備家の座を狙う 群青流等の大家にスキをみせる訳にはいかづ我が呪いの子を地下座敷牢に幽閉して、どのくらいがたっただろう…愛することも殺すこともできない弱い自分に疲れていた…

そんなある日、限界をむかえた心で、酒に溺れて自制の効かない状態のまま

家宝の鬼切丸に手をかける


真「今日で、終わりにしよう…」


重たい体を引きずりながら地下の座敷牢に向かう


真「今日で終わりだ」


怯える名前もつけなかった我が子に刀を振り上げる


子供「…や…めて…おと …さ ん」


この十数年言葉など教えていないはずだ…


真「なぜ…あぁすまない…弱い俺を許してくれ」


刀を落とし、真は、はじめて子供を優しく抱きしめる


いままで、俺は、何をしていたんだ…

愛すべき我が子ではないか…


真「今まですまない…ごめんな…許してくれ」


子供は、はじめて人の温もりを知る



その時頭に響く


「この世界は、魂が溢れすぎました。世界を維持する魂がたりません」




「自らで刈取り整理して世界に捧げなさい」




「強き者がのこり、弱きものは、世界の礎となれ」




「さぁ始めよ、生存への闘争を」




『セカイのシステム変換により、世界の生物の半分が魔物になりました、全生物に闘争の補助のため


ステータスメニュー レベル スキル 魔法 ステータスが魂に追加されました。よき闘争を世界のために』




『システムをダウンロードしました』




『正常にインストールされました』


真「ついに始まったか…」


世界各国政府で、上層部しか知らされていない予言されていた、未来が始まる


真「行くぞ」


子供の手を取る


ゾス ズブズブ


体に熱い塊と激痛がゆっくりとおとずれる


子供「…許さない」


振り返ると鬼切丸を真に突き刺さし

片目より涙を流しながら微笑む


真「…あぁ似てるな」


真は、血だらけの手で、子供の頬を優しく包む 亡くした妻に本当に似ている…呪いと戦う勇気が俺にあれば…


真「ごめんな…」


子供は、歩き出す…親の屍をこえて

名は、ない…

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