心霊スポット、狂気の建築家ハウス 2
そこのキミっ。
そう、キミのことだよ。
この話が読みたい?
なら、
この話の中にある単語で、作者がウケた変換ミスを当ててみて。
あ、あれ?
読まないと当てられないじゃん、有澤!
by 高寺 敦士
答えは後書きで!
闇を切り裂く悲鳴が俺たちの耳に飛び込んでくる。
まただ。
クラスメート達の、叫び声……。
もっと叫ん……
忘れろ。
「麗央〜! やっぱり止めておいた方がいいよ! か、帰ろう?」
隣で、昨日俺を虐め倒した変態サディストが怯えてる。
快感だ……!!
クックックッ!
……でも、さすがに何かヤバい気がしてきたな。
追いかけて止めようか……。
いや、もう二人が中に入ってから、カップラーメンが出来てもおかしくない時間は経ってる。
……よし、電話で指示だ。
「日菜! 今すぐ英里を連れて戻ってこい! 勝負は中止だ!」
本当は日菜を置き去りにして英里だけ戻ってきてくれれば、心にも平和が戻るんだけどな。
『嫌だねっ! あたし麗央を絶対離したくないもん! 今更引かない!』
日菜……お前も怖いの苦手なのに……、そこまで俺のこと……。
俺、英里に気持ち傾いてたけど……、日菜も実はいい子なのかも知れない……。
表現がチョット大振りなだけで、俺のことをちゃんと愛し
『麗央を転がしていいのはあたしだけ〜!』
時間よー、戻れー。
「もう何でもいいから戻って来い! 俺が欲しいなら、別の方法があるだろ!」
『割っていいの?』
……割っ
……分割しちゃうんですか? 俺を。
『あたしに下半身譲りな! なら戻ってもいいよ!』
……これは現実じゃない。
逃避と言うなら言うがいい。
「……割らないで半分こしろ! とにかく早く戻れ!」
『……』
……ん? 返事が返ってこない。
「日菜?」
『……プツ。プーッ、プーッ……』
切れたーー!
敦士も明らかに動揺してる。
嫌な予感。
「まさかそっちも切れたのか?!」
「……うん!」
……最悪だ!
今すぐ連れ戻しに行かなきゃ!
俺は全速力で走り出
……せない?!
なんかジーンズに引力が……
「どこ行くんだよ〜!! 一人にしないでぇ!」
だぁーッ!
こんな時にこの流氷の悪魔はぁ!!
ズボンを掴むな!
形が浮き出るくらい食い込んでるだろうが!
「早く行くぞ!」
「やだやだやだーっ!!」
あ〜もうっ!
オモチャ与えるから機嫌直せ、ガキんちょ!
もういいっ!
脚にしがみつく敦士をそのまま強制連行してしまえ!
俺は嫌がる敦士という足枷をズルズル引きずって洋館の中に立ち入る。
中は暗くてとにかくカビ臭い。
ようやく立って歩き出した敦士と一緒に懐中電灯で先を照らしながら歩く。
闇に支配された廃墟は視界が悪く、前が全然見えない。
腕にしがみつくコアラ(敦士)さえ確認できない状況。
目が慣れるまでの辛抱だな。
「日菜ーッ!」
「え、英里ぃ〜……帰りたいよ〜。 早く出てこ〜い」
俺達が歩く度に埃が蹴立つ。
「れ、麗央……! 俺の後ろに何かいる気がする……!」
うっ……!
やめろよ、こんな場所で笑えない冗談は!
「肩が重いよ〜!」
「気にすんな! ただの四十肩だ!!」
我ながら説得力が欠けまくりな言い訳だ。
……ん?
なんかどこからか女の声が……
「この声、日菜じゃない……?」
……そうだ!
泣き叫んでるから一瞬気付かなかったけど……。
ちょっぴり興奮してしまったが、今は趣味より危険物回収が先だ!
敦士の手を引いて俺は声のした方に走る。
一つのドアの前に辿り着くと日菜の声が大きくなった。
「麗央ーッ! 助けてー!! 怖いよぉ! ドアがっ、……ドアが開かない!」
日菜がドアノブをガチャガチャしながら叫んでる。
俺はドアを蹴る。
ーーガンッ、ガンッ
ダメか……!
全然開かない!
「麗央、退いて!」
えっ?? 敦士、まさか……
敦士が走って跳ぶ。
慌てながらも、しっかり避ける俺。
「ちょっ! ストップ!! ドアの向こうに…!」
ーードゴッ!!
手遅れだった……。
ドアを蹴破っちゃったよ……、日菜ごと。
壊れたドアの下敷きになって日菜がノビてる……。
「キャアアァァ!」
えっ?!
……今度は英里だ!忙しいな、もうっ!
「敦士! 英里の方に行って来い!」
「えぇっ?! 一人で?!」
「いいから早く行け! 昔、英里を奪ったことはそれでチャラだ!」
「……、わかった!」
敦士が走っていく。
俺は日菜を抱えた上で、普段の鬱憤晴らしも兼ねて顔をべしべし叩いた。
「おい! 日菜! 日菜! ……危険物っ!!」
あっ。
『危険物』で目覚ましちゃった……!
マズいかも……!
「麗央……」
あれ……?
抱きつかれた……。しかも、耳の後ろですすり泣きが聞こえる。
「怖かったぁ……」
……っ、文句なしの200点!
か……可愛いじゃないか!
「無茶しすぎだよ、お前。お化け屋敷すら入れないのに……」
本当は怖い気持ちを押し殺してたんだろな……。
口では無茶苦茶なこと言ってるけど、日菜は意外に純粋なのかも知れない。
それに対して俺は余りにも身勝手だ。
気持ちがふらついてたかと思うと、今度は突発的に行動に出てしまう。
唇が勝手に動いて触れるーー
初めてだな、日菜。噛まないキスは。
ーーその後、
合流した俺達。
英里のそそる絶叫は、ガイコツの貯金箱だと思って拾ったら本物のガイコツだったから……らしい。
勝負は結局お流れになったけど、俺は気持ちが迷走してる。
英里も好きだし、日菜も好きかも……
この際、一夫多妻制にしませんか?
アッ!
そこのお前!
そうだ、お前だっ!
クラスメート引き上げさせるの忘れてた!
あとはよろしく〜っ!!
【正】
俺は嫌がる敦士という足枷をズルズル引きずって【洋館】の中に立ち入る。
【誤】
俺は嫌がる敦士という足枷をズルズル引きずって【羊羹】の中に立ち入る。
羊羹に入ってどうする(笑)




