31 僕の矮小なぴんぴんピラミッドを求められている!!
滝を見ながら入ることにしたので、温泉プリセットは滝タイプのものを選ぶことにした。滝滝しいけど、まあよしってことで。
「最初からこの泉を温泉にしておけばよかったかな?」
「それはそれで、なにか違う感じがすると思うのでありますけど」
「ふーん、それもそうか」
「で、では御背中を。エリュシオン様」
「う、うん」
水着で会話は、まあまあ普通にできるようになった。チョイチョイ2人で訓練してたのが功を奏したようであるッ!
だけど背中の流しっこは、最初に当ててんのよイベントをやったせいでさ?
く、来る? 来ない? き、き、来て欲しい! みたいな緊張が走ってる。
「あっ……」
「ご、ご、ご期待に沿おうかとっ」
「なんでバレ……コレか……ご、ごめん……いや、あ、あり、がとうリゼッタ」
「私にも……し、し、して欲しいのでッ!」
僕の矮小なぴんぴんピラミッドを求められている!!
女の子も背中にナニかが当たるの、嬉しいのだろうか……。
謎だ。
そんなことを聞くのもアレなんで、謎は謎のままで……ちょっとモヤ付きながら洗いっこした。
「ンッ」
「ご、ごめん! 強かった?」
「い、いえ。やはり自分で洗うのとでは感覚が違うのであります。ちょっとくすぐったくて声が漏れてしまいます」
「そうなんだ……僕、腕はなんともないけど、リゼッタはくすぐったいのかあ」
「そういう確認、なんだかえっちでありますが?」
そうなの!?
「ふうう……今日も少しだけ進んだね!」
なんて返したらいいか分かんないよ……誤魔化すしかない不甲斐ない僕を許してくれぇっ。
「はい。私たちの未来は明るいのではないかとっ!」
背中と髪の毛、腕だけじゃなく、今回は足も洗いっこした。
膝上くらいまでだが、それでも着実に身体の前側も洗え始めている。
「あ、明日はお腹を試そう」
「こちょこちょはナシでありますよ?」
「も、もちろん! 今日だって足の裏とか、くすぐってないだろ!?」
「そ、そうでありますけど……くすぐったかったんですもん」
ぬぉぉ、儚げ清楚美人が「もん」って言ったら僕は死ぬしかないんじゃが!
「そ、それはごめんだけど……ユルユルしすぎたのかなあ? 洗いかた」
も、もしかしてだけど……ちょっと長かったのかも?
よ、欲望が出たか?
まあその……くすぐったい部分だからかさ、よじれたリゼッタを見たときさあ、結構やばかったんだよね。
だって水着で生地が少ないのにモジモジよじれたら……えっちすぎる!!
くそう、同人誌になるわけだぜッ。
こちょこちょ界隈に、僕も入りそうです!
どっ、同人誌じゃないから、透けたりめくれやすい水着は作らないけどもッ!
こちょこちょ界隈に、僕も入ってしまいそうなんですッッ!!
「なにやらえっちなことをお考えのようでありますが……お返しされることも考慮していただけたらと存じます」
「ァッ……ハイ…………」
目には目を。
歯には歯を。
こちょこちょ濡れスケめくれにも、きっちりカウンターは発動するようですな。
うーむ、見た目だけはショタ化してるから、一定の需要はありそうだけど。
嬉しくはない。
「というかゾンビ化解除セットの性能がよすぎない?」
「確かに人としての機能を十全に発揮したうえで、いい香りと高性能な身体になっておりますからね。さすがはエリュシオン様であります」
ここまでの敏感さは想定してなかったんだけどなあ?
さすがチートの創作魔法だ。
雰囲気でやってくれるね。
◆
「エリュシオン様、民衆の噂を気にしたのか、勇者どもが10層を突破しました」
「あ、あれか。勇者は権力だけあって、実力はたいしたことないってヤツ」
「私たちが簡単に撃退したあげく、箱庭まで失いましたからな」
「からまれたおじさんと冒険者が、面白おかしく吹聴したんだろうね」
初の10層突破は箱庭のコアをもらった勇者たち。続いて公園で絡んできた勇者も9層に来てるね。盛況でなによりだ。
勇者の不思議パワーはDP換算するとオイシイから、じゃんじゃん来て欲しいです。
「インスタンスダンジョンはそこで終わりだから、魔族と出会う可能性も出たな。可能性だけなんだけど」
魔族は10層を突破してない……。
「軟弱であります!」
「勇者にしたって僕たちが煽ったから、新しいのがおかわりされたんだろうしな。現代人たちはガツガツしてないのかもね」
一方で魔王くんたちは完全に引きこもって、DPで暮らしてるみたいだ。ウチに様子を見に来る気配もないからなあ。
魔王の不思議パワーでは稼げないということが、判明したよ。
というか勇者も自動化してファームしてるってことだよなあ。
ピンハネシステム起動して暮らしてるようだし。
そう考えると奪うだけの勇者が人気ないのは分かるな。ダンジョンみたいに、素材なんかでリターンがないし。
勇者からは色々奪っても問題はなさそうだ。
大人Verイチャイチャが可能になるまで、ダンジョンの強化は勇者くんたちでイケるね。
「さて、おじからみ勇者くんたちは反省を生かしてるかな?」
「そのようには見えませぬが……力量が変わっておりませんな」
「ン? あ、そうか。なんでだろう」
デスペナを感じさせない動きだ。
僕たちのほうが実力はあるので、問題にはならないけど……ペナルティなしにできるっぽい?
「元気ならいいか。勇者たちが来れば来るだけ儲かるのは僕たちなんだし」
「私的には強化されて出直して欲しいところでありますな」
バトルジャンキーめえ。
「それは公園勇者くんたちに期待しよう」
「そういえば、なぜあんなところにいたのでしょう。傲慢貴族の似合う場所ではないであります」
「僕たちのところに……迷わず来たな?」
リゼッタが美人だから、ではないというのか。
「偽装の指輪、退治した勇者のときと一緒のヤツでしたか?」
「あー、それかも? 情報収集はマメにしてるのかも」
諜報関係は優秀そうだけど他はどうなんだろうね。
それにしても、魔王と分かって近付いてきた可能性があるのかあ。
その上でリゼッタを取ろうとしたのは、正気を疑うけど。まあ僕の目の前で寝取り系のことをしようとしたんだろうけど──寝言は寝て言え案件だね!
「とりあえず公園勇者のほうをチェックしておこう」
「そうでありますな。ヤツらの動きは未知のままですし」
スキルとか人工精霊のバフとかね。
知っておいて損はない。
戦闘になる可能性は十分にあるし、なんならリゼッタが戦いたそうだし。
ゲーム時代みたいにガチ戦闘じゃないっぽい世代だから、あんまり期待しないほうがいいと思うんだけど。
箱庭だよ箱庭。
結局勇者は精霊の箱庭のコアが大事なのさ、僕たちにはね。
なので公園勇者くんたちの帰宅待ちです。




