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18 供物を神に捧げる図案が僕にDPを捧げる行為の暗示か。

 リゼッタに任せてたのほうの作業、生活空間の構築も終わったようなので、こんどはピラミッドっぽい彫刻を施すためのデザインを考えることにした。


「日常のデザインじゃないから難しいな」


「それっぽいのを考えましょう」


「テンプレも利用しようか」


「ピラミッドは独特でありますものね」


「そうだなあ、供物を神に捧げる感じがいいかもしれないか」


 さっそく思いついたの!? みたいにビックリしながら、リゼッタはいいアイデアだってニッコリ褒めてくれる。

 カワイイが過ぎるね。


「それにDPをエリュシオン様に捧げる行為を暗示されるとは……さすがであります」


 供物を神に捧げる図案が僕にDPを捧げる行為の暗示か。

 ピラミッド御用達の絵柄かと思ってたよ。


「ふっふっふ」


 そんなつもりは1個もなかったけど……確かに、だ。

 魔王に力を与え続けてくれよなっ!

 魔王との約束だ。


 まあそれだけじゃアレなので、復活をするファラオ的な感じでアイテムを神から下賜されてるような図案も入れておいた。


「リゼッタも上手だね」


 リゼッタに任せている隣のコアを覗き見たら、イイ感じのデザインを描いてる。


「ありがとうございます! 私はピラミッドの中に長くいましたからな」


「僕の復活はリゼッタのおかげだし、こっちこそありがとうだ」


 彼女の願いはできるだけ叶えてあげたいよな!

 ニコニコしつつも、2人で壁画とか石柱なんかのレリーフを出し合って、ピラミッドに相応しい感じに仕立て上げる。


「おっし。あとはテンプレの柄を混ぜ込むように設定して、シームレスな感じでシステムに壁画を描画してもらおう」


 迷路や通路は当然ランダム生成を利用する。

 ダンジョンコアがゲームと同じように使えたから順調に作っていける。

 僕たちの生活空間じゃないからな。


 こんなとこにこだわっても仕方がないのだよ。

 雰囲気雰囲気。


「さっさとダンジョンを公開したいところだよなあ」


 まさかそんな風に思うときが来るとはなあ。陰キャライフにはピッタリだったんだけどね。

 誰も来ないダンジョン。


「DPとはこんなにも消費するものなのですね」


「なんでもかんでも使うからね」


 リゼッタとの生活をするためには生贄が必要なんです!!

 リピーター狙いだから死ぬようなトラップとかは仕込まないけど、油断したら魔物にやられるから気を付けろよなっ。


 これも魔王との約束だ。


 ダンジョンを開放するタイミング、どうしたもんかな。

 浅いと攻略が進む速度によっては僕たちもバタバタしてしまう。かといって深く作るには時間がかかる。


「やっぱ50層まで作ったらってのが丸いか」


 ガワが大きくて高出力ゆえに、DPの消費量も多いからな。

 のんびりもしてられない。


 サイズが大きいということは宝箱や魔物、罠なんかに使うポイントがね……どうしてもね。


 DPを稼ぐための人を呼び込むためにも、DPが必要という……悲しめのさだめ。

 リピーターは是が非でも生まないといけないのさ。


 まあ表世界にダンジョンを投影するだけでもイケる気がするんだけどね。

 とはいえとはいえ、だ。呼び込む手段は多いほうがいいからさ。アレコレ考えなくては。


 ダンジョン1層のアイデアだけど、薬草農園で人を呼ぶための撒き餌にするか?

 なんならポーションの生る木みたいなことをしたっていい。たまに高いポーションを出してあげれば噂に踊らされて人が来るってもんさ。


 DPが余計にかかるけど……可能か。

 そして一般人でも安心安全。


「甘すぎませぬか?」


「素材になるより何度も足を運んでもらうほうが結果的に儲かる」


 言い方は悪いけどな。


「なんという御慧眼、さすがであります! エリュシオン様の深謀遠慮には到底思い至らぬ境地にございます!!」


 しんぼうえんりょ……辛抱たまらんっ、じゃないのはワカリマス。

 しかしネットがないと「なんか凄いっすね!」くらいの言葉としてしか受け取れないよ?


「うむっ」


 だからちょっと自慢気に頷くだけにしておいた。


 だいたいこれで誤魔化せるはず。

 僕がリゼッタを「かわいっ」でなんでもオッケーな感じと同じく、リゼッタも僕を見て似たような感想を持ってるっぽいからね。


 魔王の高性能な目と耳は、リゼッタが推しにとろけてるところも、ちゃぁんと把握してるのだ。見られてんの僕だから恥ずかしいんだけども。

 まあ、それはお互い様なんだろうな。


「ゴミ処理用と見せかけたスライムくんも置いておくか」


「浅層にいるスライムには意味が……?」


「ああ、人ってダンジョンにゴミを出しに来るでしょ? するとDPが増えるし、ゴミを食べたスライムが大きく成長するんだ。そしたら株分けしてどんどん強くするのが定番の手段ってわけ」


 クックック、馬鹿どもめが──っていう魔王ムーブもできるシステムなのだ。


「おお、なるほど! 定番というのはいつの時代も強いということでありますなあ」


 戦闘可能なサイズくらいになったら、合体させて深いところに栄転だよ。


「そうなると出入口も1層目でいいかな。非戦闘区域に設定してさ」


 非戦闘区域ならお知らせも書いて置いとかないとな。


「違反者にはデスナイト3体送りつけてMPドレインがいいだろうね」


「私もたまに参戦したいでありますな、ソレ」


 昏倒させてダンジョン外に捨てよう。


「しかも全部剥ぎ取って【罰】の張り紙まで顔に張り付けちゃう」


「ンフュッ、エリュシオン様の御考えは、私にとって斬新過ぎるでありますよ? 思わず変な声が出てしまいました」


「僕は楽して儲かりたいのだっ」


「よいお考えでありますね。しかし私の活躍もお見せしたい所存」


「当然用意するさ。勇者にも来てもらったほうが儲かるからな」


「おおっ! ぜひお任せいただければ」


 嬉しそうでなにより。


「だけど対勇者なら僕も出るからね?」


「エリュシオン様との共闘は嬉しい限り!」


 ソロもいいけどデュオだって楽しいよな!


「勇者と言えば精霊の箱庭からも取りたいかな」


「ガーデンコアでありますか」


「野良の箱庭があるか調べるか」


「人族の街ならば簡単に情報は得られるでしょう」


「キリがいいとこまでやったらさ、デ、調査に行こうか」


「はい!」


 調査だ。

 あくまでも調査であって、デートではない。

 思わず漏れた「デ」で、リゼッタが嬉しそうな顔したけど、調査です!

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