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17 興奮してオホったリゼッタが、僕を見て固まる。

「先にマルチコアができるのか実験していい?」


 今後に関わる重要事項だから。


「もちろんでありますよ、エリュシオン様」


 できないのなら、そのままDP素材として使おーっと。


「今の僕たちの状態はゾンビがすぐ隣にあるからなあ。階層の増加じゃなく形から入らないといけない」


「切実な問題であります……」


 だってもう完全に同棲イベントだものっ。

 心に住み着いてるゾンビが迫ってくるんだ。


 ゆえに、のマルチコア実験。


 効率もよくて、ハイパワーになるはずだから。

 どうかな?


「捧げる──っと」


 ダンジョンの場所はここ。

 同一座標だ。


「Yes! 計算通りッ!!」


「おほぉ……エリュシオン様! 出ました! 出たでありますよ!!」


 興奮してオホったリゼッタが、僕を見て固まる。


「え? エリュシオン様、なんか一回り小っちゃく幼くなって……とてつもなく可愛さがかわいっ」


 そんな計算はしてなかったんですが……。

 ぇぇえ……?


「短期間に心臓の再生を2回もやったからかな? 僕のステかなにかが減ってたりするんだろうか?」


 ステータス画面を見てみる。


「うわ!? 減ってるじゃん! まあまあ減ってるし、いつまでかかるか分かんないけど、デバフっぽいからその内に回復す……リゼッタ?」


 ぽわぁっとした顔で僕を見るリゼッタに、僕もつい見とれそうになった。


「アッ、は、ははっ! いえ、はいっ、今のうちとか思ってないであります!!」


「い、いや、別にいい、よ?」


 ガン見されてたねえ。

 分かるから、まあいいですよ?

 小っちゃいの、たぶん今のうちだし。


「ぼ、僕だってリゼッタにそう(・・)なるし」


 推しのふとした瞬間に心を持って行かれる感覚──ワカリマスともッ。


「やっぱり早く高出力型ダンジョンにしないといけないね」


 3個目以降はDPにしてダンジョンの強化に使おう。


「はぃぃ」


 恥ずかしがる儚(はかな)げ清楚美人さんは至宝なので。


「まずはダンジョンのガワから作ろうか」


 同じ場所にコアを並べて、2個目はリゼッタも使えるように設定する。

 社長と秘書ムーブも可能だ。


「はっ。コアが2つもありますからな! 大きく作っても余裕がありそうです」


「フッフッフ、計算通りなのだ」


「ですな、クククッ」


 求む! ピラミッドパゥワッ!


「コアルームが真ん中に──」


「エリュシオン様、居住空間用のスペースは……──」


「そうだ、表世界に投影するようにして人を呼び込もう」


 これは出入口設置してからだね。


「なれば無尽蔵のDPが確保できそうでありますな」


「神の峡谷内だからな!」


「ですが邪魔されないようにしなければッ」


 目が燃えているリゼッタさんのお言葉。

 ふ、ふ、2人の時間をということでしょうかっ!?

 ふたっふたっ、2人の熱い時間(とき)を、でございますか!?!?


「2人の時間を、邪魔さ゛ないように、そう゛いうこと゛なの゛かな゛っ゛!゛?゛」


「ンな゛あ゛っ゛!゛?゛!゛?゛」


 僕たちは、また「ステイ ク-ル」した。

 そしてセーフエリアの機能に清浄魔法付けた。

 芳香魔法も組み込んだ。


 ゾンビタイム始まるとお腐れ臭がするので。

 あ、お腐れー。今晩飲みに行く? くらいの気軽さでゾンビになるからね。

 清浄魔法は重要だ。


 僕たちのお家時間が、もっと幸せになりますように。


「う、うーんと、コアは2個あれば十分かもなっ」


「え、ええ。私たちだけなので、複数あっても手間が増えるだけかと!」


 若干怪しいけど、着々と進めていくよ。

 外側がピラミッドの形になれば、無敵のパワーを手に入れられる。

 粛々と進めよう。


 2人してチラチラしちゃうせいで、視線が絡み合ってしまう仲良しさんアピ。

 だけど仕事もできる僕たちなので──


「か、完成しましたなっ、エリュシオン様!」


「うん。高出力型ピラミッドダンジョンだ」


 2人で作業できるので居住空間の構築は順調。

 落ち着いたデザインに統一して家具とかを配置した。


 グッド!


 そう──まるで社長と秘書のようだ!

 スーツを作ったっていい。


「僕、リゼッタ用のアイテム作りするから、あとは頼んでいいかい?」


「私の……ですか?」


「そだよ。マジックバッグとかデスナイトの本気装備とかね」


 強力なアイテムとはいえ、さすがにめん棒とフライパンと町娘衣装は戦闘用じゃないからさ。

 あれは普段着。


 今やっとかないと、どんどん後回しになりそうだからな。


「おおっ、ありがとうございます! であれば居住区のほうはお任せあれ!!」


「頼むね!」


 まずはマジックバッグ。


 形はベルトポーチが使い勝手いいと思う。

 オシャレしても似合うように、ショルダーバッグにもなるように設計する。ストラップをリボンに見立てて付ければ大丈夫ではないだろうか。


 それから騎士系装備だ。


 デスナイトのカッコイイを前面に押し出したいときもあるだろうしね。

 剣、盾、鎧。僕はデザインしたことはないけど、入り浸ってたリゼッタスレからカッコいいスクショを何枚も保存してんだよね。


 そして何回も見たから覚えているっ。


「イメージもバッチリ。うん、イケるな」


 剣には鋭さアップと頑丈さアップ。

 防具には機動力と頑丈さ、属性防御と反発も付けよう。


「あとは髪飾りだ」


 これは前にデザインを考えてあるのですぐ作れる。

 付与は魔力増強かな。


 一気に作った。セーフエリアの空気清浄機が火を噴いたぜ……さっきセーフエリアに清浄魔法を組み込んでおいてよかった。素材がある程度あっても、マジックアイテムはコストが高いからか、ゾンビになっちゃった。


 作ったものを渡す。


「リゼッタ、できたよ」


「ああっ! この身に余る光栄、恐悦至極であります!」


「よかった」


 大げさな感謝のあと、ボソッとカワイイと聞こえたので気に入ってくれたようだ。


「そのリボンを解くとショルダーバッグにできるから、街歩きのときも使えるよ」


「おおっ? おおぉ。さすがはエリュシオン様でありますな」


 ほわぁとか言って口が開いてる、儚(はかな)げ清楚美人さん、好き。

 ゲームにはなかった、少しヌケてる表情。

 転生特権だな、これは。


 いい。


 凄く。


「どうかなさいましたか? エリュシオン様」


「いや、喜んでもらえて嬉しかっただけ」


「御手ずから作成されたものとあらば、喜びもひとしおであります!」


 リゼッタの言う御手ずから、若干カワイイおてて(・・・)でって感じに聞こえるのだが……気にしないほうがよき?

 愛でていいのは、愛でられる覚悟を持つものだけ的な?

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