11 なんかリゼッタがオッケーっぽいことを言ってるけど、僕が爆発してしまうっ!
「作るにしてもまずは候補地を見付けないとな」
魔王であること、ダンジョンの候補地と出入口の候補地が魔界と人界に1つずつ。
ダンジョン作りにはこれが必要だ。
設定上の話だけど、今いる星がギャグマンガの地球状態なので。
だって星が半分に分かれてんだよ。
パンチでパカッな感じ。
パカッ。
それで魔族と人族は南北に分かれて、半分こして生活してるんだ。
設定上は神の峡谷によって分かたれたという、カッコいい世界。
その割れ目は宇宙空間だから飛んで渡れないし、橋も掛けられない。
だからダンジョンが必須ってわけさ。
なぜなら魔界と人界を行き来するにはダンジョンが必要な設定。
そしてダンジョン制作は魔王だけの特権だよ。
ちなみに勇者特権は民家を漁れるとかじゃなく、精霊の箱庭制作。
生まれる人工精霊、あれはあれでよきものですぞ!
ま、今はある程度必要なものを用意しておく必要がある。
なにせ僕たちはゾンビになっちゃうからね。
魔法タイプの魔王になったのは幸運だったな。
「ダンジョンを出る前に便利魔法を作っておきたいから、アイデアがあったらなんでも言ってよ」
「ははっ」
リゼッタと相談しつつ、必要と思われる魔法を作る。
偽装魔法 認識を阻害とか誤認させたり、存在感を薄くしたりとかする。
モブ冒険者のプリセットを指輪に付与して3個ずつ用意しておいた。
魔法の切替より、気分で交換可能な指輪のほうがいいかなと。
隠蔽魔法 隠すよ。なんでもかんでも可能な限りとにかく隠すよ。
地図魔法 索敵魔法と組み合わせてマップ上に表示する魔法。
鑑定魔法 鑑定の情報源はインベントリのシステムを利用。
収納しなくても情報を閲覧可能に。
温泉魔法 快適ライフ系。まったりのんびり魔法。
飛行魔法 付与型。操作は照明魔法と同じく魔力をターゲットに進む方向を決める。
次のターゲットを指定しなければ、その方向に進み続ける感じ。
それから防護魔法だ。これに関しては飛んでるときの風除けや、対バードストライク用にと思ったんだが、遮断するものを設定できるようにした。
魔力の遮断ができないと、創作魔法を使うときに周囲の魔力を吸ってしまうのを思い出したので。吸魔の結晶と清浄魔法を囲って、魔力の流出を避けるのさ。これはゾンビ臭を出さないようにするためだね。
「ふぅぅ、こんなものか」
「お疲れさまでしたエリュシオン様」
「不便かけてゴメン」
「なにをおっしゃいますか。我らの未来を切り開く素晴らしきものでありますれば!」
離れててもいいんだけど、守るからって側にいてくれるんだ。
「ありがと」
「はっ」
ニッコリと返事をもらったのでアイテム作成に入りますか。
「野外活動用のテントでしょ、それから偽造カード2人分。あとは……絨毯で空飛ぶのもいいな」
「面白い発想であります!」
「そういう物語があるんだ」
テントで飛んだっていいしな。見た目は相当オカシナことになるが。
「温泉もあるんだしバスタオルとか石鹸も必要だった」
「こっ、混……浴であ゛ります゛か゛?゛」
「そっ、そん゛な恋人の達人みた゛い゛な゛の゛は゛っ゛ま゛と゛ぁ゛っ゛」
「て゛す゛よ゛ね゛?゛ ま゛と゛ぁ゛む゛る゛ぃ゛て゛す゛よ゛ぬ゛ぇ゛っ゛!゛」
「う゛ん゛っ゛」
オチツケェ、僕ぅ、オチツケェィ!!
なんかリゼッタがオッケーっぽいことを言ってるけど、僕が爆発してしまうっ!
ど、ど、どうせならゾンビじゃないリゼッタと混浴したいし!?
落ち着きを取り戻すまでしばらくかかった僕たち。
「ピラミッドパワーがあっても、まだまだ無理だと思う」
「感情の爆発力は侮れませぬ」
すぐにドキドキするから、ピラミッド型テントを最初に作ることにした。
ピラミッドパワーが宿るのかっていう実験も兼ねてね。
結果、効果があるということが判明。
そして効力はサイズに比例した。つまりピラミッド型ダンジョンは、でっかいのを作成するのがいいってことも確定しなたな。
テントを設置する場所ってのもあるからさ、アレコレ作って試したんだ。
その結果バランスのよかった4.5×4.5mの正四角錐のものに決定した。
5~6人用のサイズだね。
実験と称して手と手を合わせる、お互いの手のサイズチェックとかしてしまった。
感動である。
まあ僕のサイズが小さいから「おっきいであります」っていうのは聞けなかったのが残念だけどな。
そ、それに……ハグしても大丈夫なサイズだぜ。
ひ、膝枕もイケると思うッ。
推しとハグするという禁忌を犯した僕は、もう爆散しそうだけど。
「エリュシオン様が私で興奮しておられる……ンフッ」
ボ、ボソッと言っても聞こえてんのよ、リゼッタ。
恥ずかしいから心の声にしておいてくれぇっ。
僕でニヤニヤするリゼッタに興奮しちゃうじゃあないかッ。
こんなに爆散しそうなのが平気ということは、ピラミッド型防護魔法も重ね掛けしてるってのが効果を発揮してるんだろうな。
今後とも役に立ちそうな魔法だね!
「もしや……玄室にテントとセットでピラミッド型防護魔法を展開すれば……御背中をお゛流しす゛ることが叶う゛の゛で゛は゛あ゛り゛ま゛せ゛ぬ゛か゛!゛?゛」
「た゛、た゛に゛ぃ゛っ゛!゛?゛」
ま、待て待て。それは一旦あとでだ、あとで。
「ま゛ずは……アイて゛ム作成だ。必要なことを済ませてから、ゆっくり実験したほうがいい」
「そ、そ゛う゛であります゛な。少々先走ってしまったようです!」
偽造カードは人界で活動するのに大事なアイテムだ。
冒険者と勇者の認定証カードを偽造した。勇者認定のほうにはランクとかはないので1枚ずつ作っておけばいい。
「カードは偽名でつくるよ。そうだな……シオン、リゼにしよう」
「おお、あ、愛称で御呼びできる未来が訪れようとはッ。シ、シオン様ッ」
ホントに嬉しそうなリゼッタにほっこりにっこり。
「ぃ、いいでありますな……」
「あ、そっか……よかったなら、よ、よかたッ」
真っ赤になってもにょもにょ返事をするリゼッタを見て、僕も急に恥ずかしくなってきた。
言われてみれば確かに愛称。
「リ、リゼ」
「は、はぃ、シオン様……」
結構なドキドキイベントだ。
これはピラミッドパワーが必要かな。
「ダメ、だね。対面で呼び合う場合は2人きりのときだけにしないと」
「はい。感覚的に一部ゾンビ化しそうであります」
お互いを見なければ、なんとか耐えることが可能だった。カードを提示しているような誤魔化すときも、なんとかなりそう。




