↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/24

第二十三話 パリピ吟遊詩人

「ララ~うるわしのアレム~」


「すごくお上手ですね、ターマさん」


「うまいな」


 人間で流れの吟遊詩人、ターマが俺の前で歌を。


「もう1度、もう1度お願いします!」


「ハハ、いいですよ」


 エーレが気に入ってしまい何度もおねだりしている状態に。


「ララ~、おうのなかのおうーペランさまー」


「スゴーイ!」


「ははは、メチャ気に入ってるな。エーレ」


「うん、歌は好きなのよ。それにとてもお上手」


「そう言っていただけるととてもうれしいですね」


「それからいつもより気分が乗っているというのもありますね」


「ほう、気分が?」


「はい。ここでは人間と魔族が分け隔てなく手を取り合って仲良く暮らしております。どこへ行っても常に憎しみ合っている彼らがです」


「ホントな。なんで争ってんだか。人間も魔族もそんなに変わらないと思うけど」


「私もそう思います」


「そうだ、ターマ。ずっと、とは言わないまでもしばらくここにいてもらえないか?」


「いいアイディアね! お願いします!」


「ははは、ではお言葉に甘えて」


「やったー!」


「じゃもう1曲やってください!」


「いいですよ」


 その後数分歌を歌うターマ。


「ナイスアレム~」


「もう1曲、もう1曲!」


「ははは、ではこんなのはどうでしょう」


 人間と魔族が手を取る 奇跡

 ここでは当たり前の光景 景色

 他では憎しみ合う 仇敵 


「へー、面白いですね」


「とある部族で歌われていた歌を我々用に改良してできたものだそうです。いま詩人の間で密かに流行っているんですよ」


「すごーい」


「おお、これなら俺にも出来るかな?」


「えっ、出来る?」


 いつかなるぜ、そこの一番に パイレーツ

 だけど俺はここから動けない俺の夢は カイメツ

 まあホントは興味ないから別にいい。俺が好きなのは パイオツ 


「こ、これは!」


「いつも冗談ばかり言っているからな」


「そうね、通じるものがあるのかしら?」


(即興でこのレベルの歌を!? しかも私より数段上!)


「もちっと本気でやってみるか」


(この上が!?)


 あの人なんて言ったっけ? お偉いさんなんだけど。 知らん、殿下

 今日はちょっとお腹が痛い、おまるの出番だぜ。 スワン、連射

 超古代の技術とかは残っていないがプレイ法の一つは残っていた! チカン、デンシャ


(て、天才!! 最後は何言っているかわからないけど一度聞いただけで応用バージョンを!)


「ははは、どうだ?」


「は、はは。凄いです」


「すみません、私はこれで……」


「えー、帰っちゃうんですか」


「また来ます」


 吟遊詩人は力なく帰っていった。


「あれ? なんかやっちまった?」




 数週間後、某酒場にて。


「ターマが負けた!?」


「嘘だろ?」


「そうか、「天才ターマ」より上手がな」


「はい。あれこそ「天才」なのかと。枠を超えいきなり応用を」


「それで帰ってきたのか」


「はい、師匠。あの人に勝ちたくなりまして」


「そうか」


「しかし、人間のサガなのですかね。平和を歌ってきたつもりでしたが、まさかその私が彼に戦いを挑みたくなるとは」


「生物ってのは争いの輪からは逃れられんのさ。しかし、歌の戦いならば殺し合いよりは全然いいさ」


「そう、ですね」


「私はこれから修行を。各地を回って鍛え直してきます」


「ああ、存分に」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。