第二十四話 なんとかなりそう
「賭博場?」
「サイコロ、トランプ。あれは面白い。作りたいなーと思っていたんだが」
「辞めておいたほうがいいな。ギャンブルで人生狂うってのもあるが、厄介な奴等がこの国に来てしまう」
「厄介な奴等?」
「そう。どうやって騙して金を取ろうか、とかそんなような奴等」
「そーかー。そんなんに来られると面倒なことが起こりそうだな」
「うちの国ではギャンブルは禁止にした」
「仕事をせずギャンブルばっかじゃな」
「気晴らしにはいいんだけどね」
「あとあとー、遠くの地で地を走るドラゴンを競い合わせる競技があるんだ。それも面白そうだからやりたかったが」
「かなりの規模が欲しいからなおさら難しいな。それにそれも賭け事だったよな確か」
「うむ」
「昔、1度だけ見たことがあるんだ。観客席の熱狂、レースを盛り上げる実況。ドラゴン達がゴールしたときはそれが最高潮に達していた。活気があっていいなと思ったんだけど」
そうだよなー、難しいよなー。
「ところで移住者達の様子はどうだ?」
「それなんだが」
「どうした?」
「どうも最近移住者達の間で揉め事が起こっているようなんだ」
「んー、仲良くやっていたように見えたけどな」
「呼び出して聞いてみよう」
争ってると思われる者達をトラマが連れてきた。
「何があった?」
「ええ、コイツがおかしな事を言い出しまして」
「それはお前だろ!」
「落ち着いてください。魔王様の前ですよ」
「はい」
「すみませんでした」
コイツはデカイ揉め事か? なんとかしなくては。
「で? 結局なにが」
「お風呂後の飲み物の件で」
「私は羊乳で決まりだろって言っただけなんですが」
「あぁ! フルーツ羊乳に決まってんだろ!」
(しょーもな。適当な返答でいいんじゃないかしら)
(ペランちゃん?)
「何を言っている。ベリー羊乳だろう?」
「な、ここへ来て第3勢力が!?」
「しかしここは魔王様が相手としてもひけない!」
「くくく、俺は王だぞ? もしそれ以上争うようなら法律で「風呂後はベリー羊乳以外は禁止」にするぞ?」
「むぐぐ、なんてことを!」
「く、くそーー!」
「てのは冗談だ。だがな別にどちらも不味いってわけではないだろう」
「と言うかどちらも美味しいだろ」
「そ、それはそうですが」
「ならば何故、認めていてなぜ罵り合うのだ?」
「……」
「本当は素直になれないだけなのでは?」
「!!」
「正直どちらでもいいけど、「こっちのがうまい」と言った手前引くに引けなくなっただけでは?」
「そ、そうです」
「は、はい」
「ならばもう答えは出ているな?」
「二人共肩を組め」
「はい」
「よし、そのまま帰れ。適当なところで外すがいい」
「ま、魔王様」
「何という名裁き……」
「以上だ。帰れ」
「失礼しました!」
肩を組み、帰っていく移住者達。
「やれやれ行ったか」
(稀にしょうもないことには頭が回るときがあるのよね。これを普段からだせていれば……)
1週間後。
「また揉め事があったそうだ」
「連れてきて」
「卵焼きには砂糖入れるだろう!」
「邪道だ!」
「またー。しょーもないことで……」
「ならば――」
5分後。
「ありがとうございました!」
2人で仲良く肩を組んで帰っていった。
「やれやれ」
(この国の人達はペランちゃんと相性がいいのかもねぇ)




