第十七話 国の名は
「そろそろ国の名前を考えてみてはどうだ」
「そうだな」
正直発展していくとは思っていなかったからな。国の名前なんて全く考えていなかった。
「考えておこう」
「それから前も言ったが、やはり良い建材用の石が取れるようだ。それからレンガ用の土も」
「おお。それを売っていけば儲かりそうか」
「移住者達の家は建て終わったからこれから売り出してみようと思う。特に石は需要がありそうだ。私の国は良い石切り場がなかったからね」
「いいね」
「それと開墾した場所の土壌はなかなか良好のようだ。もう少し切り開いたら三圃制を――」
なんだか難しい話をするトラマ。ふわ~、今日の晩飯はなんだろうなぁ。
「ふむ、ふむ」
適当に相槌を打つマシーンと化した俺がそこに居た。
「自給自足できる国は強いからな。ここはいい国になるかもしれない」
「まあ、俺が王だからな!」
「そ、そうか」
「それにしても人手が足らないな」
「まさかこんなに順調に行くとは思っていなかった」
「伐採がとにかく早かった」
「相手を殺すために覚えた剣技がこんなところで役に立つとは思いませんでした」
「はっはっっは、殺しをするよりは断然真っ当な使い方だな」
「それからペラン様」
「どうした、シノセ」
「私ども人間達の中にもこの国に来たいという者がいるかもしれません。よろしければ探してきますが」
「ほほぉ。それで何人か捕まれば。だけどなー」
「うーむ、基本魔族と人間は敵同士。どうなるか予想できない」
「とりあえず移住者らに話を聞いてみるか」
移住者の人達を呼び寄せた。
「問題ないですよー」
「あー、家族で来てもらったほうが」
「そうだな、同じ条件のほうが良いだろう」
「うし、シノセ。家族限定で連れてきてくれ。移動が大変な場合はこちらが補助する」
「はい」
翌日、シノセは人間の国へと向かっていった。
1ヶ月後。
「なんと、温泉が見つかったらしい」
「マジで!」
「いいわね!」
「無限山脈にあるようだ。案外近いからすぐにでも引っ張ってこれるかも」
「すぐにお願いします!」
「皆も入れるよう公共の浴場を作ろうか」
「ナイスアイディア!」
1週間後。
「温泉ひっぱてきたぞ」
「いいね!」
「早速共同浴場に流してっと」
「お城にも頂戴」
「了解した」
「最高だわ!」
翌日。
「温泉好評だな」
「あれはいいものだ。疲れもとれるし。俺も早速温泉を導入している」
お湯をすくってみせる。
「ふむ」
「出来ればかけ流し王座にしたいが」
「流石にもったいないわね」
「シノセの方はどうなってる?」
「昨日連絡があった。数グループの家族を連れてくるって話だった」
「ふむ」
2週間後。
「ペラン様、お連れしました」
「初めましてペラン様」
「ふむ。今後とも宜しく」
「シノセ、トラマ。彼らを連れて行ってやってくれ」
「了解した」
「こっちです」
「うまくいくかしらね?」
「なんとも」
1ヶ月後。
「それでさー」
「へへー」
共同浴場が賑わっているのがわかった。人間、魔族が仲良く裸の付き合い。
「杞憂だったようね」
「うまくやっているようだな」
「そうだペラン。国の名は決めたか」
「ああ」
「「アレム」と名付けることにする」
「いい名前だ」
「諸国に通達しておこう」
「頼んだ」
俺の国か。エーレと二人のときは実感なかったけど、これだけ人が集まると国って感じはしてくるな。まだ村程度の規模ではあるけど。
「まだまだ大きくなるわね。この国は」
「ああ」




