封印
三十代後半から四十代にかけてキャリア積んでから挑戦しようと思ってた矢先の23歳に受けることとなった職場の最終面接。
白髪交じりの初老の男性に、“こうしたものは何の役にも立たないからな”と釘を刺されてしまいこんだ職務経歴書。高校から大学に至るまでのさまざまな現場やIT的な何かの一覧とともに、青春其れ自体にも封印することになった筆者は心底怯えていました。
また掴みかけてするりと抜けていくパターンに違いない。ついさっき会ったつぶらな瞳のお坊さんみたいなヒトも、凄まじく鋭い目線送ってきたお兄さんも、絶対怒声でヒトを動かすタイプに相違ないラスボス的なおじさんも、きっときっと期待だけ持たせといて落とすアレに違いない。
そう信じ込んで臨んだ最終面接。かかとがめり込むくらいの毛足の絨毯の部屋。窓から見える新宿のスカイライン。さきほどの白髪の男性は退出し、当時の職場のホントのボスの前に所在無げに腰を下ろした筆者。
「……それで君の趣味はなんだね?」
自転車と天体観測です。
「自転車は移動手段だろ。趣味とは云えない。天体観測と云ったが、全天の一等星を全て云えるのかね?」
……すいません。
「……まぁ、いいか。自転車で移動する天文かぶれが一人くらい居ても」
ありがとうございます。
その後、筆者はホントに凄まじい15年を送ることになるのですが、それはまた別の機会に。




