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雑記  作者: 飯田橋 ネコ
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就職活動

 TVのCMでヤスタカ氏の例のアレが流れる度、長女が“あ、ナマモノだ!”と言い、筆者が“イキモノでしょ”と言い、次女が“ナニモノじゃない?”というベタな会話流れが発生するここ一ヶ月。本当は気になって仕方がないけどなかなか観に行けない筆者は十数年前のアノ日々を思い出していました。


 既に黎明期のIT土方として月収○十万円を稼ぎだし、その大半を学費と音響機材費に費やしていた筆者は、一体ナニモノになるべきか図りかねておりました。少年時代に白黒TV(ホントコレだったのよオレん家)で見てたナイトライダー(しゃべる黒い車の奴)と天才少年ドギー・ハウザー(10歳だけど天才だから飛び級で医者するトンデモ設定な米ドラ)の影響でパソコンヲタ(まぁ学費的に医者はムリだからね)で“財団”勤務(だってナイト財団カッコいいし)を目指していた筆者は、このままではいずれ便利屋として一生を終えるに違いないと焦燥し、大手企業への就職を画策しておりました。


 記念受験といいつつ、N○Kや伊○忠など、いきなり世界一有名な配管工(ちょうぜつイタリアじん)の6-6に飛び込むような愚挙に出ては門前払いの日々でしたが、最近とった杵柄のおかげかIT関連の企業からはいくつか内定も出たりしてました。まぁ件のブラック印刷オフィスは置いといて、それなりに名の通った会社から届く妙に分厚い封筒にニヤニヤしていた大学四年の春先。


 結局ウチの代、音響一人しかいないので、学科恒例の新入生歓迎合宿in軽井沢(新入生をオリエンテーションという名目で軽井沢合宿所まで呼びつけ、ありえない物量のイベントと機材力で圧倒してオレ等の仲間入りさせる傍若無人イベント)に当然のように参加(普通4年生が参加するなどありえないのですが)していた筆者は、合宿の終盤に3年生(したのこ)たちが一切の策を弄さずに繰り広げた極めて青臭いストレート青春系朗読劇になぜか号泣していました。


“……アレ? だっち泣いてない??”

“……機材ヲタでも泣くことあんだ”

“……キモいけど、やっぱキモい”


 などとヒトに丸聞こえなひそひそ話をする3年生(したのこ)たち。泣いて悪いかよ! と思いつつ、機材バラしその足で東京に帰るつもりだったのですが、そのあと何故かいろいろなアクシデントに見まわれ、翌早朝に帰京(しんかんせん)することに。


 実は翌日10時に幕張で日本I○Mの最終面接を受けることになっていた筆者。なぜか全問回答して余った時間に昼寝余裕だったSPI1と、捏造しなくても十分に分厚い職務経歴書(新卒採用枠なのにすでに職歴3年とか)の結果1次〜3次まで突破余裕だった筆者は、あとはこのオジサンたち(おえらがた)に気に入られれば人生勝ち組にログインできるに相違ないと信じて疑いませんでした。


 でも、前夜までのスケジュール管理が甘く、ヨレヨレ背広に機材満載のバックパックという出で立ちで、いわゆる “ほうほうの体”で面接会場に辿り着いた筆者を、オジサンたち(おえらがた)は気に入っては下さりませんでした。


 もしアノ朗読劇が無かったら。もし新歓合宿なんか行かなかったら。もし合宿日と面接日がカツカツじゃなかったら……。人生の巡り合わせの不思議さに思いを馳せずにはいられない筆者です。


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