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赤ちゃんと高校生男子の日常。  作者: 夜凪


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久しぶりの隆太君登場です。

『幸人。どこか1日時間取れる?近場でいいから遊ぼうぜ』


送られてきた大成からのラインにちょっと考え込んでると追撃メールが来た。


『てか、俺だけ遊んだのが隆太にバレてめっちゃ拗ねてる』


クマが転がって手足バタバタしてごねてるスタンプに笑いながら、母さんに確認を取る。

さすがにハルを連れてけないしな。


『明後日なら母さんのパートが休みだから大丈夫だぞ』

『じゃぁ、そこで。どっか行きたいところあるか?』

速攻で帰ってきたラインにビビる。

『特に無い。出来るなら涼しい所希望』

とりあえず、返せばOKスタンプが返ってくる。ネコがキメ顔で任せろってなってる奴。

みんな、いろんなスタンプ見つけるの上手いよなぁ。

ま、久しぶりだし、何するかは分からないけど明後日楽しみにしとこう。




待ち合わせは10時で、現在9時40分。

もうそろそろ出ないと間に合わないんだが、そうもいかない事情に足止めをくらって、俺はまだ家にいた。

ま、なんの事は無い。

ハルが離れ無いんだ。

赤ちゃんって言葉わかって無いはずなのに、どこで察知するんだろう。


朝から何かを感じ取ったのか、傍を離れようとすると後追い。

母親に気を引いてもらい、こっそり出かけようとすると、玄関出た所で腕の中にハル出現。すごくビックリしつつ速攻で中に舞い戻った。

そういえば、どれ位の距離が限界なんだろう?

無限だったら姉貴追いかけてるだろうし、限界距離があるんだろうけど……。


がっしりと俺にしがみついて泣きじゃくるハルに、母さんと2人で顔を見合わせる。

「これは、無理じゃ無い?泣き疲れて寝た所を逃げても、起きた途端に消えそうで母さん怖いんだけど……」

「……だよなぁ〜」

人目のある所で飛んでこられても困る。


「おはよ〜。迎えに来たぞ〜」

悩んでると玄関から大成の呑気な声が聞こえてきた。

ハルを貼り付けたまま玄関に向かうと、ぐずぐずと泣いているハルを見て察したらしい大成がしたり顔で笑った。


「ま、幸人にベッタリっぽかったし、こうなるわな。連れてけばいいじゃん。どうせ、今日は後、隆太だけだし」

「あ?そうなんだ?」

途端に気が抜ける。

それなら、いいか?

「しかも、行き先は水族館。ハル君連れてても平気だろ」


なんか見透かされた感がシャクに触るけど、素直にありがたがっとこう。

隆太に連絡取れば、コブ付きでも大丈夫との事。ほんといい奴だ。


そうと決まれば、急いでハルのお出かけ準備をして、ベビーカーに乗せる。

連れて行ってもらえると察したハルはご機嫌ニコニコだ。

この間はあんなに反発してた大成にまで笑顔を振りまいてるんだから、本当に嬉しいんだろう。

こんな事なら、最初からハル込みで計画たてとけば良かったな。



待ち合わせ場所にはすでに隆太が待っていた。

慌てて駆け寄ろうとするより少し早く、2人組の女の子が声をかけていた。

逆ナン、初めて見た。

ビックリして足を止めた俺に、ハルを覗き込んでちょっかいかけてた大成がこけそうになってた。ごめん。


「ありゃ、さっすがモテるねぇ」

「凄いなぁ。逆ナンとか初めて見た」

素直な感想をもらせば苦笑が返ってくる。

なんか視線が生暖かいんだが。絶対、失礼な事を考えてるだろ!

反射的に大成の足をダンっと踏み抜けば、飛び上がって痛がってる。大げさな奴。


と、そんな馬鹿騒ぎに気付いたのか、隆太がこっちに駆け寄ってきた。

置き去りにされた子達が残念そうにこっちを見てたけど、俺と目が合うとそそくさと踵を返してどこかに行ってしまった。

ま、赤ちゃん連れとは遊び辛いよな。


「ごめん、待たせて。お久しぶり」

まぁ、彼女達には悪いけど、今回は諦めてもらおう。俺だって、今日を楽しみにしてたんだし、こっちが先約だし……。

隆太かっこいいし、今回断ったって直ぐ次の機会があるだろう。

けどまぁ、一応。

「悪かったな。せっかくの出会いのチャンス潰しちゃって」

謝るとムッとした顔をされた。

「今日は2人と遊ぶ約束だろ。他はどうでも良い」

……なんか機嫌悪くなったな?言い方嫌味っぽく聞こえたか?

いいや、笑ってごまかしちゃえ。

「だな。俺も。すっごい楽しみにしてた。コブ付きになっちゃったけど、今日はよろしくな。こっちが噂の甥っ子ハル君だ」

ベビーカーの横にしゃがみ込んでハルの手をフリフリさせてご挨拶。


「…………あぁ、よろしくな。ハル君」

一瞬戸惑ったように目を泳がせた後、ちゃんとハルと目を合わせて挨拶してくれた。それから、恐る恐るハルのほっぺをツンツンとつついた。

「やわらかいなぁ〜、いつまででも触ってたい感じ」

目を細める隆太にそうだろと頷く。

「他もいろいろ気持ちいいんだぞ〜」

嬉しくて、ハルの良い所をさらに連ねようとすると、大成に止められた。

「はい、きりが無くなるから歩きながらなぁ〜」

そうして背中を押され水族館へと歩き出す。




「では、水族館へ、しゅっぱ〜つ!」




読んでくださり、ありがとうございました。


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