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説明回後半。
父さんがやっぱり陰が薄いです。
母さん曰く。
高城和海。32歳。フリーカメラマンだったけど、姉との結婚を機に契約し、某出版社の専属になる。
もともとその時に気に入ったものを撮る感じの人で、姉貴はモデルとして知り合ったらしい。
俺たち家族が丁度ギクシャクしている時期で、少し距離を置いてみては?と提案してくれたのも彼だった。
で、姉は彼の助手兼モデルとして一緒に着いて行き、その間に猛アタックしまんまとゲットしたそうだ。
「困り顔で信頼を裏切るようなことになり申し訳ありません。って土下座された時は、どうしようかと焦ったわよ」
「むしろ、こっちこそご迷惑かけて申し訳ないって感じだよな」
2人っきりの旅先で、あの姉の猛アタック。
さぞかし大変だっただろう。
むしろ、適当に摘むでも無く、しっかりと責任を取ろうとするなんて何てまともな。
で、姉が居なくなった事でようやく落ち着いてきた俺を見て、姉が暫くはこのまま黙っとこうと言い出したそうだ。
イロイロと姉なりに責任を感じてたらしい。
で、俺には内緒でコッソリ連絡取りつつ生活してたんだが、高城さんがどうしても行きたいと珍しく言い張り中東出張が決まり、1度は居残りに納得していた姉が1月持たずに限界を迎え、会いに行くと騒ぎ始めた。
だけど、そんな所に1歳未満の子どもを連れて行けるはずも無く、紆余曲折の後、うちで預かる事となった。
だいたいの流れを聞いてしまえば……。
「結局、騒ぎの元は姉貴の暴走かよ。あの、恋愛脳め」
ため息しか出てこない。
ここまで暴露されてしまえば、面倒だからと放っておいたもう一つの方も確認する気になれるってもんだ。
やっぱり、味方は多い方が良いしな。
「じゃあ、もう一つ。高城さんって、超能力とか持ってたりする?もしくは、姉貴なんかそれ系の事言ってなかった?」
「は?なんの事?」
キョトンと首を傾げた母さんが嘘をついているようには見えなかった。
けど、騙されてたんだっけ?女って怖い。
説明より実施が早いと、俺はハルを呼んでみた。
「う?」
ご機嫌でヒモをフリフリしていたハルは顔を上げ、どうしたの?と言わんばかりだ。
「ハル、ここにおいで」
手を広げてコッチにおいでと示す。
さっき、どうもテレポートするコツを掴んだみたいだから、うまく誘導すれば飛んできてくれないかな?と、思ったんだけど。
「なに?なんで?!どういう事?!!」
はたして、笑顔で俺の腕の中に出現したハルに母さんは悲鳴をあげた。
あ、本当に知らなかったんだ。
びっくりしすぎて挙動不審な母さんに少しだけ溜飲を下げつつ、突然の大声に怯えるハルの背中をトントンと叩いて落ち着かせる。
「だから、超能力。テレポーテーションっていうみたい。後は手を使わずに物動かす所みた。ハルが、あり得ないはずのもの持ってるの見た事ない?」
「そういえば……」
俺の言葉に母さんが頷く。心当たりがあるらしい。
「冷蔵庫に入れたはずのバナナ、食べてたわね。微妙な時間だったから、ユキがあげたのかとおもってたけど」
って、またバナナか。どんだけ好きなんだよ。
腕の中のハルを見ると目を逸らされた。なんか都合の悪い会話がなされてるのに気付いたみたいだ。
「ハル君、そんな事が出来るの〜。凄いわねぇ〜」
「あう!」
立ち直ったらしい母さんが、にこにことハルを褒めながら頬っぺたをつついてる。
軽いな、反応。
「で、残念だけど母さんは何も聞いてないわねぇ。アキの事だから、気付いてもいないんじゃ無いかしら?」
うん。俺もそう思ったけど、他の認識もそんなものか。
「とりあえず、帰ってきたら父さんに聞いてみたら?あの人、たまに会社帰りに2人で呑んでたみたいだし。今回の事でも連絡してたみたいだから、何か聞いてるかもよ?」
新たな新情報に唖然とする。
絶対、姉貴と母さんに押されてしぶしぶ共犯してたのかと思ってたら、ノリノリでむしろ主犯格?
夕飯終わったら、取り調べ第2弾開催だな。
覚悟してろ、父さん。
なんて意気込んでた時もありました。
が、結果から言うと、父さんの情報も母さんと大差なかった。
せいぜい緊急連絡の番号知ってた程度。しかも、その番号も使える日が決まってるらしく、次は1週間後だそうだ。
ま、事が事だし、例え力持ってたとしてもそうそう人には話さないよな。
内心「使えない」って舌打ちしたくなったのは秘密の方向で。
とりあえず、大成の姉情報を待つとして。
このまま、他にばれないように注意する事で家族間の話し合いはおわった。
ま、悩みすぎてもしょうがない、って事で。
読んでくださり、ありがとうございます。




