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赤ちゃんと高校生男子の日常。  作者: 夜凪


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ハル父の説明回。幸人の予想が大概ひどいです(汗)

さて、先送りにしていた問題を片ずけよう。

『ハルの父親はどんな人物なのか』

現時点で俺が知っていることはあまり無い。



①3年前、姉が家出した原因である事。

②姉よりも8つ前後年上である事。

③やや目つきは悪いが美形である事。

④性格・素性があまり褒められたものでは無い事。



ちなみに①は、姉のよく言えば一途な性格から、別れていたら即効家に帰ってくるはずで、それがなかったという事は、今まで順調に続いていたという事だ。 よって、ハルの父親は家出原因の男で間違い無いとおもう。


②は、姉から聞いた事実だ。

まだ、そういう関係になっておらず姉が一方的追いかけまわしていた頃、『今度の彼はあんたと私くらい年が離れてるんダァ』とウットリとした顔でいっていたのだ。


③、④は完璧に推測だからあまりあてにならないけど、たぶんそう外してはいないと思う。

過去に連れていた彼氏達は皆総じて顔が良かったし、ハルの容姿はどちらかというとうちの家系からズレている。でも、赤ちゃんながら整っている、と思う。


そして、なんで④がでてきたかといえば、姉貴の『家出』だ。

なにせ、30ニートを堂々と恋人として家族に紹介した猛者だ。そして、うちの両親も大概肝が据わっていて、俺が知る限り姉貴が連れてきた彼氏達を頭ごなしに否定した事は無いし、無理に別れさせようとした事も無い。

なのに、紹介もせず黙って消えるなんてらしく無い。

もしくは、俺が知ら無いところで紹介がなされ、あの父母が「これは無い」と判断し反対した結果、家出になったのか……。

どちらにしろレアケースなのは間違いないだろう。


……うん。これだけで、性格難あり判断はひどい気がしてきた。④は、取り消すべきかな?

しかし、まともな大人が家出して縋ってきた10代の女の子をそのまま連れて行き、嫁にまでするもんだろうか?

………って、あれ?


「姉貴やハルは、戸籍どうなってるんだ?」

婚姻届出されたら、居場所とかわかるんじゃ無いのか?

出してなかったしても、保険は?

赤ちゃん産むのって凄くお金かかるよな?

無保険でいけるものなのか?


「これは、実は父さん達は何処にいるか知ってた。それどころか、細やかでも向こうと交流があったと考えたほうがいいな……」

気付いてしまえば今更な事実に、頭を抱えたくなった。

どんだけボケてんだ、俺。


「あぅぅ……」

小さな声を耳が拾って、和室を覗けば、案の定ハルが起き出していた。

少しぼぅっとしていた顔が、俺を見つけてパッと笑顔になる。

「あうっあうっ」

そうしてハイハイで足元までやって来ると、「抱っこ!」というように両手を伸ばしてきた。うぅ、可愛い……。


抱き上げれば嬉しそうにギュッと小さな手で抱きついてくる。

そのまま台所まで連れて行き、用意していたお茶を入れたストローマグを渡してやれば、喉が乾いてたみたいでゴクゴクと飲んでいる。


「あうっ」

満足するまで飲んだら、今度は俺に向かってマグを差し出してくる。

最近のハルのマイブーム「わけっこ」だ。

どうも、自分の手から相手が食べてくれるのが嬉しいらしく、マグや食べかけのクッキーなんかを口元に押し付けてくるのだ。


差し出されたマグからお茶を少しだけ飲んで「ありがとう」と言うと、ハルは嬉しそうに笑った。

それから、ハルのおもちゃ箱を出して、2人でボールや車のオモチャを走らせて遊んでいると母さんが帰ってきた。

ハルがひとり遊びできるようヒモをわたしていざ、対決。




夕食の準備に取り掛かっている母親にさりげなく話しかける。うちの母親は一点集中型なのでなにか作業している時に話しかけると上の空で答える習性があるのだ。


「なぁ、姉貴の旦那さんってプーなの?」

「ちゃんと働いてるみたいよ〜」

よし、かかった。

「だって、中東だろ?何してんだよ?」

内心小躍りしつつ次の質問。

「なんかね、ジャーナリスト?戦場カメラマン?そんな感じみたい」

「自称じゃなくて?」

「ちゃんと会社と契約してるみたいよ?結構大手の出版社」

意外な事実がポロポロ出てくる。

てか、やっぱり知ってんじゃん。最初は、よくもとぼけたな?


「じゃ、保険とかもしっかりしてるんだ?ハルの保険証は?」

「預かってるわよ〜?って、なに?ハル君どこか悪いの?!」

あ、そこには反応するんだ。さすが母親。

手を止めて、慌てたように顔を上げ、俺と目があって母さんは「しまった」という顔をした。

現在の俺はさぞかし人の悪い顔をしていることだろう。

「ずいぶん、旦那さんのことに詳しいじゃん?………父さんもグル?」


「グルだなんて人聞きの悪い。心配かけないように、ちょっと黙ってただけじゃない」

さすがに少し気まずそうにしたものの、すぐに開き直ったらしく、母さんは食事の準備を再開した。

「あんたあの頃アキのせいでイロイロ煮詰まってたし、少し距離取ったほうが良いかなぁって思ったのよ。アキってはトラブル体質で居るだけで何かしらに巻き込まれちゃうし。

おかげで平和な日々だったでしょ?」


確かに平和だったし、気楽になったけど。

そんな、俺の為みたいな言い方されても……。

微妙な表情になった俺に母さんが苦笑した。


「まぁ、正直母さんたちも少しまいっててね。アキのせいだけでは無いけど、かなりスリリングな毎日だったし。で、高城さんに甘えちゃったのよ」

「それが旦那さん?」

「そう。高城和海さん。少し無愛想だけど、良い人よ?」

サラダ用のキャベツを刻みながら母さんはニッコリと笑った





読んでくださりありがとうございます。

長くなりそうなので分けました。

もう少しハル父の話が続きます。

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