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秘める聖女と優しき逃亡者  作者: 黒羽、冥月 霜華
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★早朝の密会

 日が昇り、クロードは目を覚ます。隣ではユリアがまだ寝ている。昨日あのあと今日は遅いから話は明日しようと言い、二人は眠りについた。


 そっとベッドから抜け出し着替えた。そして、なるべく音をたてないように注意しながらドアを開けて寝室を出た。


(……今日、ラファールが会いに来る。冷静にならないと、あいつにはあのことを話さなければいけない。冷静になれ、敵を増やすはよくない……)


 廊下を歩きながらクロードは「冷静になれ」と何度も言い聞かせた。


「クロード!!」


 後ろから足音が聞こえ振り返ると、ユリアがこちらに向かって走ってきていた。


「ユリア」

「クロード、今日、あの人と会うの? 昨日のあの人と」


 ユリアはクロードの前までやって来ると、心配そうに彼を見つめた。


「ああ。あいつは、そんなに悪いやつじゃないよ、たぶんな」


 クロードはユリアの頭を撫でながら答えた。悪いやつではないと断定はできないが、クロードの勘ではローザの味方をするようなやつには見えなかった。それならば、まだ説得の余地があるはずだ。


「今日は一日中部屋にいてくれないか。あいつがいつ来るか分からない。ユリアとはあいつと話したあとにちゃんと話したい」

「えっ、うん、分かった」


 ユリアはクロードから話したいと言われるとは思っておらず、一瞬戸惑ったが自分もクロードと話したいので素直に言うことを聞いておこうと考えた。それに、あの人と会うのは怖いし、と心の中で呟いた。ユリアはクロードの顔を心配そうに一度見てから、何も言わずに自室に向かった。その姿を見送ったクロードは屋敷の外へと向かった。



   ***



 屋敷の外へ出て、クロードは外の新鮮な空気を吸う。気分が落ち着くような感じがした。


「わざわざ出迎えか?」


 ガサガサと草を踏む音がして、木の陰から現れたのはクロードの待ち人――ラファールだ。


「随分と来るのが早いな」

「聖女様にあとつけられたくないからな」


 ラファールは苦虫を噛み潰したような顔をした。昨日、明日つまりは今日またローザがカルマ家を訪れるという約束をしていたが、領主――ラファールの父ならば上手く話をつけてくれるだろう。クロードがここにいることさえ知らない領主の方がむしろ上手く事を運んでくれるかもしれない。


 ローザと会ってからではいつクロードに会えるか分からないし、ローザがついてくるなどと言えば大変なことになる。


「まあ、早い方がオレもいい。中で話そう」

「ああ」


 クロードが先に屋敷に入り、ラファールはそのあとにつづいた。

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