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抜剣少女は魔術教師に恋をする  作者: みこ


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91/110

91 本気なの?(1)

 明日は、リナリが帰る日だった。

 なんだかんだ任されたたくさんの仕事を、レーヴの秘書のゴールディに引き継いで行く。


「この詳しい資料は、別にこっちに用意してあります」

「なるほど」

 パラパラっとめくると、

「いい資料ね」

 と、受け取ってくれる。


 なんでも、すぐに理解されてしまう。

 あたしは、あんなに大変だったのに。

 毎日、ラビラントさんに並ぼうって必死で。


 でも。

 この人は、もうラビラントさんの隣に並んでいるんだ。


 悲しくなる。


 また、ここに戻ってきたいと思う。

 けど、もう要らないって思われてたら?


 ゴールディさんみたいな、完璧な人じゃない。


 完璧じゃないから、ゴールディさんの方がいいって思われてたら?


 あたしと違って、大人っぽい人。

 あたしと違って、仕事がよくできる人。


 あたしと違って……。


 美人で。

 スタイルも良くて。


 せめて、あたしが子供じゃなければよかったのに。


「…………」


 引き継ぎが一息ついたところで、リナリは一つため息をついた。


「リナリさん」

 躊躇いのある呼びかけ。

 ……あまり好ましくない雰囲気。


「はい」


「あの、こんなこと聞くのはよくないかも知れないけど」

 見つめたゴールディは、視線を真っ直ぐにこちらに向けていた。


「あなた、レーヴのこと……本気なの?」


「え……?」


 なんで、そんなこと聞くの。


 この人が。


 よりにもよって、この人が。


 ラビラントさんの、隣に居られるこの人が。


「あ、あたし……」

 声が、震える。

 けど、ここで負けられない。

 ずっと、……ずっと好きなんだから。


「本気、です」


「そう……」

 それだけを言って、沈黙する。

 困ったような顔。

 それでいて、憐れむような顔。


「……これはね、余計なお世話かもしれないんだけど……」


 何……?


 本当に……、この人が……、ラビラントさんの恋人だったりするのかな……。


 心臓が跳ね上がる。

 緊張の面持ちのリナリに、ゴールディが口を開く。


「あの人は……、やめた方がいいと思う……。もし、まだ引き返せるなら」


 言いにくそうな声。


 なんで?


 なんで、諦めないといけないの?


 なんで、この人が諦めさせようとするの?


「なんで……ですか」


 声が、小さく震える。


「性格が悪すぎるから……。後できっと後悔する」


 性格って……。


 あんなに優しいのに。


「もう……引き返せないので……。ここで引き返した方が……、きっと後悔する、から……」


「ごめんなさい……」


 そう、返事が来た。扉が開いたのは、その時だ。


 ガチャ。


 ノックもなく入ってくるのは、ここで仕事をしている3人以外いない。

 ここにすでに2人いるってことは……。

 振り向くと、そこにはレーヴが立っていた。

リナリの話は、これがラストエピソードになる、かな?

どうぞよろしくお願いしますね!

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