表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

目覚め

勢いだけで書いたのでネット小説ということで許してください。


気がついたら、私はただふわふわと浮いているだけの存在となっていた。

肉体がない。手も足も神も胴体もない、ただ視点のみが私と世界をつなげている。


私は何なのだろうか。

昔は人間で、どこかの国に生まれ、幸せに生きて、そして。

詳しいところまでは思い出せないがそれぐらいしか覚えていない。

名前もあった気がするがおぼろげでしか覚えていないのでさっぱりだ。


まず状況判断をしよう。

動けるのか。

これは簡単だ、動ける。

視点は肉体があったころよりも自由に動ける、上下左右、ターン&ジャンプ。


次にここはどこなのだろうか。

動けるのだから、何か手がかりとなるようなものが見つかるかもしれない。

今いるであろう場所をくるくると回るとどうやら私の中の記憶で該当する言葉では「森」と呼ばれる場所っぽい。木々は生い茂り鳥は空を自由に飛び、足元には、足はないからそう呼んでいいのかわからないが、二匹の子リスが追いかけっをして一匹の名も知らぬ虫は白い美しい花の花弁につかまりユラユラと揺れている。


もうちょっと知りたいので前へと進んでみるとスピードというものが存在しないのかグイッと吸い込まれるかのように移動できた。もしかして瞬間移動のようなものだろうか。とりあえず「ゆっくり、上へ」を自分に念じながら上へと進む。

どうやらうまくできたらしい。


ふむ、やっぱり森だ。どこまでも続く大自然だ。


次に何を確かめようか。

そうだ、「人間」を探してみよう。

人間にあって、私の存在を理解してもらえるかわからないがあってみてから考えればいい。


人間を探し私は太陽が三回ほど上がるまで森をふよふよと探し回った。



太陽が三回昇り、真上に昇った頃。

私はようやく人間を見つけた。このカラダは、いや、魂とでも呼んでおこうか、疲労というものが存在しないらしくずっと動き続けたにもかかわらず一切疲れていないし、息も上がらない。便利なものだ。


人間は弓のようなもので一羽のウサギを狩った。

死んだのを確認すると弓ごとウサギを引き上げどこかへと歩き出したので、その後ろをついていくことにした。一回この人間の前に出てみたのだが気がついていないようで私は人間の体をすり抜けてしまった。


この三日でわかったことは動物は私のことを認識できるのだが私は彼らに触れること、もっと詳しく言えばこの世界に存在するものに触れられないということ。


そして今この瞬間、人間は私のことを認識できないということがわかった。

これは良いことだ、ストーカーしてもばれないし、私の存在を知られて問い詰めらることもない。自分のことすらわからないのに、答えられるわけがないのだ、むしろ私が知りたい。

人間という生き物は「わからないものを恐れる」者であると昔の記憶がささやいた。

ならば知られないことだ、自分のことが説明できるようになるまでは。


この魂の姿になってから時間を感じることが難しくなった、いつの間にか暗くなっているとしか思えないからだ。人のカラダって便利だったんだと改めて思い知った。

人間は村に帰った。

原始的な村だ、木で簡単に作られた住居、穴を掘ったゴミ捨て場。そして中央には祭殿のようなものがある。

老人が人間からウサギをもらうとその祭殿のほうまで歩き掲げ

「女神様よ、今日も生きていけることに感謝します。」といいウサギを置いた。


この世界は「女神」というものを信仰しているのかもしれない。

村の者たちは静かに今日の収穫を一箇所に集め食べると素直に寝た。

欲を満たす娯楽も、しゃべる内容もあまりないのだろうか


私はその後太陽が10回ほど落ちるまで村にぼんやり浮かんでいたが次第に「面白くない」ということに気がつき、もといた森へ帰ることにした。


この頃にはもう自分のカラダをある程度は理解できていたので「瞬間移動」で帰ろうと思えばすぐにでも帰れるのだが『暇』である。自分にはすることがないのでのんびり戻ることにした。

一応自我の形成がまだうまく保てていないので彼女の目線と、気持ちだけです。次回からは一気に時間がたつよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ