第23章虹色の魔能石の謎、未知の遺跡探索へ!!
森の奥から現れ、力なく倒れ込んだ青年。僕たちは顔を見合わせ、すぐさま彼に駆け寄った。
「大丈夫ですか……!?」
僕が肩を抱くと、青年は幽霊のような足取りでヨロヨロと立ち上がり、消え入りそうな声で呟いた。
「……食べ物を……何か、持ってないか……?」
言葉と同時に、彼のお腹が切実な音を鳴らす。見かねたホワイトドラゴンが、非常食用に携帯していた乾燥パンをポケットから取り出し、無造作に差し出した。
「……これでも食うか?」
「ありがとうございます……っ!」
青年はひったくるようにパンを受け取ると、一心不乱に頬張った。
食後、少しだけ顔色の戻った彼に、里見さんが静かに問いかける。
「……こんな魔物の多い森で、一体何をしていたの?」
「……ある『魔能石』を探していたんだ」
青年の答えに、ホワイトドラゴンが鼻で笑った。
「魔能石? あんな観賞用のガラクタを探して、命を懸けてるのか。物好きだな」
僕は隣にいた里見さんに、声を潜めて尋ねた。
「里見さん。魔能石って、そんなに価値のないものなんですか?」
「……そうね。基本的にはただの光る石よ。ほとんどがコレクション目的で取引される程度ね。」
里見さんの視線の先で、青年――黒羽が強い眼差しでこちらを見据えた。
「ただの魔能石じゃない。僕が追っているのは『虹色の魔能石』だ。僕の考察が正しければ、そこにはどんな力が秘められているのか…。……あ、名乗るのが遅れました。僕は黒羽といいます」
「虹色の……魔能石?」
僕がその名を口にすると、黒羽さんは確信に満ちた声で頷いた。
「魔能石の中でも、伝説級に希少な存在だ。他の石とは比較にならないほどの膨大な魔能を内包している。……それを探し求めてこの領地まで来たけれど、どこにもなくてね。最後の手がかりである『候補地』へ向かう途中で、行き倒れてしまったんだ」
黒羽さんは「助かりました」と一礼し、再び歩き出そうとした。
その時、僕の指先が、無意識に彼の腕を掴んでいた。
「……待ってください。僕たちも、その場所へ行かせてくれませんか?」
「おい、黒ドラ……」
ホワイトドラゴンが呆れたような声を出す。
黒羽さんは突然のことに驚いた表情を見せ、僕はハッとしてすぐに手を離した。
「すみません……っ。突然、失礼なことを」
「……いえ、気にしないでください。断る理由もありませんし」
黒羽さんは少しだけ遠くを見るような目をして、小さく微笑んだ。
「君のその必死な顔を見て、少し……懐かしい人を思い出しただけですから。行きましょう、僕たちが目指す遺跡へ」
こうして僕たちは、黒羽さんと共に、虹色の輝きが眠るという未知の遺跡へと足を進めることになった。




