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ドラゴ・ニック  作者: なんたい生物
死神12騎士編第二章黒転の章
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第22章半竜状態の謎を解明するために、いざ妖帝領へ!!

砂魔竜(すなまりゅう)との死闘から一夜明けた。

朝露に濡れる砂漠の境界線で、クリウスアーナさんは「別に行く場所がある」と僕たちに告げた。


「ああ、そうだ。お前らに一つ、いい土産話を置いてってやる。妖帝領(ようていりょう)にある『炎骨山島えんこつざんとう』――そこに行けば、お前の『あの状態』の正体が分かるはずだ。じゃあな」


「あの状態……?」

首を傾げる僕に、彼は歩きながら言葉を投げた。


「自覚ねぇのかよ。あの魔竜を斬り伏せた時の姿だよ。……『半竜状態はんりゅうじょうたい』。お前が何者なのか、その答えがそこにある」


「なぜ、貴様がそれを知っている」

ホワイトドラゴンが、鋭い視線で彼の背中を射抜く。クリウスアーナさんは顔だけをこちらに向け、不敵に口角を上げた。


「言ったろ。俺はあいつの、古い友人だってな」


そう言い残すと、彼は陽炎の向こう側へと姿を消した。


妖帝領(ようていりょう)か……。一年前に建国されたばかりの、獣竜種じゅうりゅうしゅが支配する新興領域だったな」

僕の呟きに、里見さんが地図を広げながら答える。


「ここから西へ進んだ先よ。炎骨山島(えんこつざんとう)はその妖帝領内(ようていりょうない)にある火山島。……でも、あそこはただの島じゃないわ」


「ああ。魔竜が封印されている島だ」

ホワイトドラゴンが、好戦的な光を瞳に宿して続けた。

「だが、あの男の言葉が真実なら、行ってみる価値は十二分にあるな」


「私は反対よ」

里見さんが、ぴしゃりと言い放った。

「もっと安全な調査場所があるはずだわ。あのクリウスアーナという男、まだ怪しい部分が多すぎる。彼が私たちを罠に嵌めようとしている可能性だって――」


「いや、危険だからこそ真実が眠っているんだ。あいつも言ってたろ。あそこに行けってな」

「だから、その言葉を鵜呑みにするのが危険だって言ってるのよ、ホワイトドラゴン!」


昨夜からの火種が、再び二人の間に飛び火する。僕はその間に割って入るように声を上げた。


「……僕は、あの人を信じてみたいんです。僕の知らない僕を知っている、あの人の言葉を。それに、自分の体の中で起きていることが何なのか、この目で見極めたい」


里見さんは僕の決意の固さを悟ると、小さくため息を吐いた。

「……分かったわ。でも、ドダバ砂漠に来る時に交わした約束、忘れないでね。『無理だと思ったら即座に撤退する』こと。いいわね?」


「ああ。分かってるさ」

ホワイトドラゴンがどこか上の空で答え、僕たちは西の空――妖帝領(ようていりょう)を目指して歩き出した。


どこまでも続く草原を歩き続けること、二時間。

次第に背の高い木々が目立ち始め、視界は鬱蒼とした森へと変わっていった。


「この森を抜けた先に、獣竜種たちの街、『獣国ししこく』がある。まずはそこを目指すぞ」


ホワイトドラゴンが先頭に立ち、森の奥へと踏み込む。

その時、森の深淵から「カサ……」と何かが這いずるような音が聞こえた。


僕たちは即座に武器を構え、周囲を警戒する。


木々の隙間から姿を現したのは、ボロボロに汚れた茶色の布を纏った、一人の青年だった。

彼は幽霊のように足元をふらつかせ、虚ろな目で僕たちを一度だけ見つめると――。


「……ぁ……」


細い声を漏らし、糸が切れた人形のように、その場に力なく倒れ込んだ。

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