43話 種火の者となり①
日を改めての街の中の細い路地の合間。
…正直、かなり気まずい。
鎧はずっと維持して姿は隠していたから、気を付ければバレる事はない、という確信はあった。
だから、いっそ『赤霧の鎧』をやめてしまおうかとも考えた。完遂するには自分の実力不足だった、そう諦めを付けて。
旋風陣を頼りに行くかとか、いっそ密かによその街まで逃げてしまおうかとかまで考えはした。
けど、捨てられなかった。
というか、今更割り切る勇気が無いまま、ここに来てしまった。
…というのもあるけど、ニメージュの様子、そして何を引き起こそうとしているのか。そこへの興味もあった。
トップ英傑なんて立場に居ながら、上層への反旗? 何らかの理由ありきのようだが、一体何故なのか。
加えて冒険心として、上層に向かう事そのもににも、ちょっぴり期待感。
それもあって、待ち合わせより大分早くここにきていた。
来てからどれくらい経ったか。
本来の予定であろう時間に、路地の更に奥の方から待ち合わせ相手の声。
「…わざわざ鎧着てだなんて、律儀だな。」
確かに見た目には普段のあの鎧を模ってる。けど無駄に黒い魔石を使う訳にもいかない、普通の魔石を使っての見た目だけのダミーだ。
「特定材料が増えるよりか、よっぽど気楽だ。」
「…まいーや。
じゃあ早速だが、計画の話だ。」




