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愛の花  作者:
異世界
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29/30

文化祭1日目

―数日後―


魔法の練習もいよいよ大詰め、もうすぐ隼人の父がいる邪神の国へ行くというところだが、隼人はもう1つのビッグイベントを参加していた。

そう、青春の代名詞的存在である文化祭だ。


「文化祭ついに明日だぜー!楽しみだな!」

放課後にいつもの3人でそんな話をしている。

他の生徒は

「そうだね。準備大変だった…かずが不器用過ぎて」

「んなことっ!あるけど…」

その一希の反応に翔と隼人が笑う。

「3人ともまだ残ってたんですか。」

「岩崎先生!すみません!施錠の時間ですよね!」

「それもそうですが、暗いと危ないのでね。君たち学校の生徒で一番最後ですよ?」

「すみません!すぐ出てきます!!俺らは家近いんで大丈夫っす!でも、隼人はちょっと遠かったか?」

「自転車で30分だよ。途中まで一緒だし大丈夫!」

話しながら廊下に出る。

「全員自転車ですか?」

「はい!」

「1台くらいなら自転車乗るので、一人なら良ければ僕の車でおくりますよ。仕事も終わってますし。」

「じゃあ…隼人か?」

「えー?大丈夫だよー」

「だって隼人ヒョロいし…心配…」

「ヒョロっ…酷い…!」

隼人が怒った顔をする。

「ごめんて笑」

「はいはい、先生の迷惑になるからかえるよー」

翔が幼児に言うような少し馬鹿にした言い方をする。

「翔!お前!言い方バカにしすぎだろ!まぁ…確かに帰らないといけないが…!」

「落ち着いてください。」

岩崎がなだめる。

「それで、どうします?瀬戸くんおくりますか?」

「隼人ぉ…こういう時は遠慮せず楽すればいいんだって」

一希がコソっと言う。

「じゃあ…お言葉に甘えて…お願いします」


門の前でまた少し話してから、解散し岩崎の車に乗った。


「ありがとう。師匠」

「ねぇ…隼人くん、昨日冥さんに会いに行ったんだけど…文化祭のこと言っちゃって…めっちゃ行きたそうにしてるんだよね…隼人くんの知り合い枠で来ても大丈夫…?」

凄く申し訳なさそうな顔をしながら言う岩崎に隼人はくすっと笑いながら答える。

「全然いいよ。そりゃあ冥さんは行きたいよな笑」

「ありがとー!伝えとく!」

「てか、どんな見た目でくるんだ…?女?男?」

「流石にあの口調で女性はちょっと目立つから流石に男でこさせる…」

「それもそうか…うーん…まぁ話しかけられたらわかるか。」

「そうだねぇ。多分分かると思う。……そういえば隼人くん…疲れたりしてない…?大丈夫…?」

「えっ、なに?なんで?」

「最近魔法の練習大変でしょ?文化祭の準備も頑張ってて…今日もこんな遅くまで…心配だよぉ…」

「えっ、あっ…だ、大丈夫だ!」

隼人はびっくりして少し言葉が詰まる。

(こんなに心配してくれるの…嬉しいけど、申し訳ない…)

「それならいいんだけど…疲れが溜まって明日、明後日の文化祭、熱とかで参加できないとかあったら悲しいじゃん…」

「そんな心配しなくても大丈夫!そもそもなんでそんな心配してるんだ?」

「だって最後の文化祭じゃん。3年間、学年担当してきた教師として、そして担任として、凄く心配だよ。」

その岩崎の言葉に隼人の胸が暖かくなる。

「ありがと…」

(こんなに心配してくれるなんて…やっぱりちゃんといい教師でもあるんだよな…)



―文化祭1日目―


10時〜15時の一般公開の時間でおおよそのクラスがその時間に模擬店・演劇等をしている。

朝から衣装を着てシフトの時間まで二人は色々な店を周っていた。

「楽しい!!!!!」

「かずうるさいっ!」

「えー、仕方ねぇだろ!はっ!もしかして…!隼人楽しくないのか?!」

「そんなわけないでしょ!楽しいよ!ただ、かずは声がでかすぎる!!」

そんな話をしていたら翔が焦ってる様子で走り寄ってきた。

「はやとー!かずー!」

「翔!どした?そんな急いで。」

「どうしたもなにもお前らそろそろシフトの時間!!!」

隼人のクラスは、1時間ずつ実行委員4人が仕切2人、その他クラスメイトが店員3人で交代して模擬店を営業している。

「え?本当だ!」

「いっそげー!!!!」



―教室―


「ふぅ……ギリ間に合った…」

隼人と一希が一息ついてると学級委員で仕切っている鈴川さんが話しかけてきた。

「もう少し早めに来てくださいよ…これどうぞ」

水を差し出してきた。二人はお礼を言い500mlの水を一気に飲む。

「もうシフトの時間なので、とりあえずこの料理運んで下さい」

隼人が二品、指定された席に料理を運ぶと…

「隼人じゃないか!偶然だな。」

席に座っていたキャスケット帽を被っていて眼鏡をかけている男性にそう言われ隼人は一瞬戸惑うも、すぐに気づいた。

「?…あっ!冥さん?!」

(一瞬…全然誰かわかんなかった…)

「そうだぞ。」

普段の冥とは違い黒髪で薄手の長袖に羽織という現代に馴染める程度の和服のような格好をしている。

「はやとー?知り合いかー?悪いけど会話辞めて働いてくれー!!」

一希と、一瞬、鈴川が少し訝しめな表情を浮かべながら冥と隼人を見た。

「ごめーん!」

「邪魔してすまなかったな。」

冥の声は普段と同じはずだが何だかいつもとは少し違うように聞こえる。

(冥さん、こんな声だっけ?)

「いえ、またあとで話しましょ!」

「おう。」



―約1時間後―


「お疲れ様ー!」

翔が隼人と一希に言う。

「よし!仕事も終わったし!もっと売店、周ろうぜー!翔もしばらく仕事ないだろー?」

「そうだねー、でも隼人の事、鈴川さんが呼んでたよ。急ぎな訳では無さそうだけど…なんかした?」

「え?!何もしてないんだけど…何でだろう」

「なんかしたんだろ!直ぐにこい!って訳じゃないなら、そんなやべぇ事でもねぇだろ!行ってこい!」

「もし、来れるなら旧校舎の前にいるからって言ってたよ」

「旧校舎前=人気が少ない=告白?!」

一希がニヤッと閃いた顔をした。

「それはないでしょ…とりあえずいってくる…」

隼人が軽くため息をつきながら言う。

「いってらっしゃい」



―旧校舎前―


「瀬戸くん、来てくれたんですね」

「…はい、えっと…俺…何かしました?」

「そう…といえばそうなんだけど…えっと……吉村くんとかついてきてないですよね?」

「いないですよ」

「そう、なら本題に…」

少し隼人の心拍数が速くなる。

だが鈴川が話した内容は隼人の想像と全く持って異なるものだった。

「貴方が仕事初めに話してたの、仲いい人ですか?」

「え?はい、そうですけど…」

その事を迷いながら話し始める。

「えっと…何ていうか…信じて貰えないかもしれないんですけど…私、人ならざる者が見えるんです。」

普通なら信じられない話だが、勿論隼人は直ぐに鈴川の言いたいことが分かった。

「その影響で人に化けてる人じゃない者も分かるんですけど…貴方が話してたのは人じゃないだけじゃなくて相当強そうだったから気になって…」

少し気まずい表情を浮かべながら隼人は言葉を絞り出す。

「そ、そうなんですね…」

(そういえば…師匠が普通の人には神とか妖怪は姿を見えないようにできたり元々見えない種族が多いって言ってたな…)

「その様子、やっぱり知ってて関わってたんですね…貴方…何者?」

鈴川が少し隼人に迫る。圧をかけるような感じではなく、恐れ・興味・戸惑いが見えるような感じだ。

それに根負けした隼人は少し躊躇しながら問に答える。

「えーっと…俺…実は魔法の練習してて…あの人ともう1人に教えてもらってて…」

(妖怪と関わってるなら魔法のことも、知ってるよな…)

「魔法…?貴方…異世界人なの…?」

しかめっ面を浮かべる

「産まれたのも、育ったのもここです…だけど父が多分異世界人で…言うなら、ハーフですかね…?」

「そう…まぁ…貴方も、さっきの化物も悪い人じゃないみたいですね…すみません…」

鈴川が頭を下げる。

「いえいえ、確かにあの人を知らずに見たらびっくりするでしょうし大丈夫です!まぁとりあえず本校舎側戻りましょ!」

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