表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/29

第27話 その後

 翌日。


 スマホを開き、ネットニュースを見た瞬間、それは目に飛び込んできた。


『人気Vtuberに“転生疑惑”虹川ソラとの関連か』


「……は?」


 思わず声が出る。


 昨日の配信の切り抜き。

 例のぬいぐるみ。

 比較された音声波形。


「ここまでやるか……」


 SNSも荒れていた。

「確定だろ」

「いやまだ分からん」

「声一致しすぎ」


 断定する者。

 否定する者。

 面白がる者。 


 でも、共通していたのはーー

 止まらないことだ。


 胸がざわつく。

 あの時と同じだ。

 軽い一言から始まって。気づけば、止められなくなる。


「……やめろよ」

 呟いても、当然止まるわけがない。


 その日からずっと、アパートには妙な静けさがあった。

 アパートの踊り場で桃西さんとすれ違う。


「……あ、赤石くん」

 少し、困った顔。


「どうかしたんですか?」


「ううん……ちょっとね」

 歯切れが悪い。


「最近、黄城ちゃんが元気なくて」


「黄城さん……ですか」


「……うん。私達も心配してるんだけどさ。電話にも出なくて……」

 それ以上は言わなかった。


 でも。

 なんとなく、分かってしまう。


 あの日。洋平に相談した日。

 俺の中で、納得して結論づけられたことがまた思い浮かんでくる。


 黄城さん=黄瀬ミレア。




 そして、今回のことから考えると、彼女はーー

 黄瀬ミレア=虹川ソラ。


 楽しむことが、そしてファンでいることが俺の中で大切なこと。

 それ以外は気にしない。

 そう決めたんだ。


 それは今でももちろん変わらない。


 踏み込まないことが俺のルール。


「……でも」

 拳を握る。


「見て見ぬふりをしていいのか?」


「あの時と同じことになっていいのか?」


 今は前と違う。

 話を聞くことで助けられるかもしれない。


 むやみに接することが良いとは思わない。

 でも、彼女は今、俺のアパートの住人だ。

 黄瀬ミレア?虹川ソラ?

 彼女が誰であろうと構わない。


 俺はこのアパートの管理人として、そして赤石健介として、困っている黄城さんを助けたい!


 俺はあの時のハンカチを握りしめ、部屋を出る。


 向かうのはもちろんーー


 黄城さんの部屋だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ