表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/29

第18話 紫色のASMR

 夜10時、俺の本業(趣味)が始まる。


 今日は『クロマリンク』の紫色担当、紫峰しほうカレンの配信だ。

 そしてやるのはASMR配信。

 彼女は『クロマリンク』内で1番ASMR配信を多くやってくれる。

 彼女がお姉さん属性なのもあって、いつも破壊力抜群だ。


 そんな彼女のASMRだが、今日はいつもと違う。

 普段はタイトルをあらかじめ教えてくれているのだが、今日は配信開始のタイミングで発表してくれるそうだ。


 ……何をやってくれるのかな……楽しみだ。


 待機画面で待つ俺の、マウスを握る手の汗が止まらない。



 ……そういえば、お姉さん属性といえば、この前の紫藤さんは凄かったな。

 彼女は声のお仕事をしているらしく、その役のオーディションの練習を付き合った。


 あの時のラッキースケベは衝撃過ぎて、あの後数日は頭がボーっとしていた気がする。

 ……多分、あれが俺の生涯のマイベストラッキースケベだろうな。



 ーーと、考えていたら待っていたら彼女の配信が始まった。


 紫色:『お待たせ。 『クロマリンク』の紫色担当、紫峰しほうカレンです。 告知通り今日はASMR配信をやります。 君たち、楽しみにしてた?』


 紫色の髪でウェーブロングが彼女のチャームポイント。片目が隠れていて、少しミステリアスっぽさも兼ね備えた彼女のキャラクターデザイン。

 そして彼女から放たれる艶やかな声で、俺たちリスナーの気持ちはすぐに最高潮に達する。


「待ってました!」

「今日のASMRは何やるの?」

「カレン様、大好きです!」


 リスナーも思い思いのコメントを残す。

 リスナーの中のガチ恋率は『クロマリンク』の中でも随一な気がする。


 紫:『君たち待っててくれてありがとう。 楽しみにしてくれていたASMRだけど、実は今回は私のオリジナルを聴かせたいと思います』


「マジで⁈」

「すごい」

「楽しみ!」


 ……オリジナルの脚本だって⁈

 確かにオリジナルで作るVtuberもいないことはないが、少なくとも『クロマリンク』の中では行っているメンバーはいない。


「自作なんてすごい!」

 俺もスーパーチャットを打つ。



 紫:『あっ! アカケンさんスパチャありがとう。 へへ……私は頑張って作ったんだ。褒めてくれてありがとう。 君たち全員に楽しんでもらえると嬉しいな』


 紫:『それで、今回のASMRのタイトルなんだけど…』



 ……ゴクリ。

 俺も含めたリスナーが一斉に静かになる。


 紫:『「電車の隣の席のお姉さんがいつもイタズラしてくる」です!』



 ……え?


 ……本当に?

 俺は開いた口が塞がらなかった。


 紫:『構想も既に練ってあるから、好評だったら、次回作も作ろうと思ってる。 ぜひたくさんの感想ちょうだいね』



 ーーおいおい。

 確かこの前手伝った紫藤さんの役の台本も似たようなタイトルだったよな。

 最近、電車のお姉さん系流行ってるのか?


 それとも偶々似たようなタイトルが被っただけなのか……。


 とりあえず、聴いてみないことには始まらない。紫藤さんの方の内容は、衝撃的な出来事すぎて、ほとんど覚えているし、どうなんだろう。




 ーー数分後。


 紫:『君たちお疲れ様。 どうだった? 楽しんでくれてたら嬉しいな。 たくさんSNSとかでも感想書いてね。 ……じゃあ、今日の配信はこれで終わります! またね』




 彼女の配信が終わった。

 正直、内容はほとんど同じだったと思う。


 たまたま似たような作品が2つあっただけなのか?

 それとも紫藤さんは実は作家?

 そして、あの台本はVtuberの紫峰さんに依頼されて作った。そして、その出来栄えを見るために俺に手伝ってもらった。


 ……いや、それは絶対にあり得ないか。

 依頼者に見せる前に、ただの一般人に教えるわけないし、そもそも紫峰さんがこのASMR配信の台本はオリジナルだと言っていた。

 彼女がそんな嘘をつくはずがない。



 となると、見えてくる答えは1つだけ。


 紫藤さん=紫峰カレン


 という説のみ。



 それにーー

 この前の、青菜さんの言い間違い。 黄城さんのことを、なぜか“黄瀬さん”と呼んだこと。

 そして、あの料理配信後の肉じゃが。


 俺が『クロマリンク』にハマりすぎて、何でもかんでも結びつけているだけなのか?


 ……いや、それにしては今回の事件は、重なる部分が多すぎる。



 正直めっちゃハマってる節はあるが、これはオタクすぎる故の変な妄想なのか?


 それとも、俺が考えていることは真実なのか?

 こう考えたら、全て辻褄がある気がするんだよな。



 このアパートには、一部の『クロマリンク』のメンバーが住んでいるって。

お読みいただき、誠にありがとうございます。

この作品の感想やブックマーク、評価をして下さるとありがたいです。筆者が泣いて喜びます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ