第11話 青色の猛追
20時30分。
俺の本業(趣味)が始まる。
今日は青凪レインの配信だ。
彼女は『クロマリンク』の青色担当で、普段はゲーム配信がメイン。
しかし、今日は雑談配信。
しかも実写!!
彼女は実写配信をあまり行わない。そのため、リスナー達も気合が入り、俺もマウスの握る手の力が強くなる。
ーーそうこうしているうちに、配信が始まった。
青:『あ…あ〜、どう? 聞こえてる?』
青:『みんなどうも。 『クロマリンク』の青色担当、青凪レインだよ』
青:『今日は実写配信をするよ。ボクはこれやるの珍しいから、貴重だぞ』
青凪さんのいつものダウナー系キャラが炸裂している。
……この感じ好きだ。
青:『どう? 今日のボクの服、可愛い?』
彼女の服装はもこもこのルームウェア。
ハーフパンツのため、太ももが露見し、いつもより緊張感が増す。
「可愛いよ」
「レイン様最高!」
「実写感謝」
リスナーも盛り上がっている。
俺も負けじとコメントを打つ。
もちろんスーパーチャットだ。
「青凪さんさいこー!可愛いです!」
青:『あっ! アカケンさん、スパチャありがとう! ボクも君たちに褒められて嬉しい』
褒められて照れているのか、足がモゾモゾ動いている青凪さん。
……やばい、可愛い。
ーーというか俺、最近配信内で名前呼ばれてすぎてないか?
黄瀬さんといい、青凪さんといい、古参ファンへのサービスかな?
「アカケンさんいいな」
「俺も呼ばれたい!」
「古参ファン、さすがです」
その証拠に、リスナーも俺への羨望の眼差しを向けている。
俺もつい、ニヤけてしまう。
青:『ボクはゲーム配信がメインだけどさ、君たちにはもっとボクを観てほしいんだ。だから、今後はゲーム以外の企画もたくさんやるつもりだから』
青:『だから君たちも、絶対観てね』
「任せろー!」
「当たり前だ!」
「可愛い」
「応援してる」
コメント欄のリスナー達が暴れている。
……なんだろう。
今日の青凪さん、なんかメロいな。
これがメロいってやつか。
俺は新鮮さと罪悪感、そして優越感で体がとても温かくなる。
配信の良さって、これだよな。
リスナーになってよかった。
青:『で……今日雑談配信をした理由なんだけど、実はこれを試すために行いました』
そう言い、彼女は顔が見えないように机の下から箱を器用に取り出す。
彼女が箱を中身を丁寧に開封する。
その中に入っていたものはーー
ダミーヘッドマイクだった!
青:『今からちょっと試すよ』
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