4.世界渡りの意識と救いを与える歌姫 第一章 02
4のここからは一気に書くが故にかなりフィクション色が強く、無理がある部分が出てきます。
ですが、それもできれば、4を書き終えた後の改稿で直せればいいと思います。
彼は小説を一気に書き始めるために、まず、彼を救ってくれた声優・歌手に決意を伝えることにした。
そこで、彼が目をつけたのが、あるラジオのイベントだった。
その声優さんも、そのラジオのイベントに出るそうなのだ。
そこで、彼はそのイベントの席の先行抽選に応募した。
だが、時はコロナ禍だ。
「イベントがあるって言っていたけど、開催しないのではない?」
「きちんとイベントが開催されるかを確認してから、行きなさい」
親も反対側の意見を言ってきたりした。
だが、彼は
「こんなに近くになっても中止の話はないから大丈夫だよ」
そう、彼は先行抽選に当選していたのだ。
彼は、コロナ禍であるがゆえに応募者が少なくて、
当選したのではないかとにらんでいる。
そして、当日を迎え、彼はその声優さんに会う機会を得た。
だが、ここはコロナ禍が災いした。
コロナ禍であるが故に声を出すことが禁止されているのだ。
彼は悩んだ。
だが、彼は見つけた。
彼には異能がある。
パーソナライズコール。
彼には様々な異能があったが、彼は世界に明かされたこの異能だけで、
その声優さんに決意を伝える術を考える。
「ーーーーさん」
彼は観客席から心の中でその声優さんの名前を呼ぶ。
「え、え、何これ」
「ジジジ」
ノイズが走った気がしたが、彼は気にせずに決意を心で強く想う。
「私は必ず、あなたの隣にたどり着きます!」
その一言だった。
彼は、創作で小説でライトノベルでいつか世界に認めてもらって、
その声優さんの隣にたどりつきたいそんな気持ちを込めた。
そのイベントは無事に終わった。
だが、彼の言葉はパーソナライズコールでは、きちんと伝わっていなかった。
それでも、世界愛の具現。
彼らの世界渡りの助けもあって、その声優さんには届いていた。
「いいの? 影治くん? 私のモデルになったヒトではないよ?」
「それでも大丈夫さ。光ちゃんのモデルになったヒトでなくとも、
多分、彼なら、僕ーーいや、俺たちを祝福してくれるし、
僕たちを世界渡りとしたまま、彼女の元にたどりつくさ。
大切なのは、光ちゃんのモデルということではなく、
彼にとっての救いであるということだ」
「だけど、私は少し嫉妬してしまうな。
私以外のヒトと影治くんが結ばれるみたいで」
「違うよ。光ちゃんの立ち位置のモデルは確かに彼の昔の好きな人だ。
だけど、光ちゃんの言葉、性格、心、生き様は彼の想像したものだ。
だから、光ちゃんはある意味、彼なんだよ」
「わかっているよ。でもさ」
「なら、彼に少し意地悪をしよう」
「えっ、どういう?」
そこで世界渡りは彼の意中の声優さんに世界渡りを使い、言葉を伝える。
「私です。私はたとえ何があっても君の隣にたどりつく。
だから、勝負をしましょう。
あなたは私をなんとも想っていないでしょう?
ですから、私は私の全力であなたの隣にたどりつくために小説を書きます。
私があなたの隣にたどりつけたら、私の勝ち。
無理だったら、私の負け。
そんな勝負です。
よろしくお願いしますね」
世界渡りはその言葉を伝えた。
「え、影治くん? 大丈夫? 大分、誇張している上に、余計なこと言ってない?
彼、勝負しているつもりなんてないよね?
仮にも、私たちの源なんだから、負けるとこまるんじゃない?」
「大丈夫。
隣にたどりつくは言っていたし、勝負にしないと彼女は気にもとめないし、
何より、彼は諦めないから、たどりつかない限り、勝負は終わらない」
「え、影治くん? 聞かれているみたいだよ?」
「えっ?」
「ふーん、そういうこと言うんだ。
私、なんとも想っていないなんて言ってないんだけどなぁ。
でも、いいよ。
私をそんな風に想ってくれたのは、あなたが初めてだから勝負受けるよ。
ーーーーさんでしょ?」
その口調も声もその声優さんとはかなり違っていた。だから、影治は見破る。
「これ、多分、意識がかなり混じっている。
多分だけど、彼の昔の好きな人、光ちゃんの立ち位置のモデルになった人の意識が混じっているね。
大丈夫。
この人も、彼を不幸にはしないだろうから、悪いようにはしないよ」
「ああ、アノコね。アノコ、もう別の人と結婚しているし、子供まで産んでるものね。異能を使ってでも、彼の邪魔をしたら、異能的不倫だし、何よりーー」
「昔から言うからね。
人の恋路を邪魔する人はウマに蹴られてなんとやらって」
こうして、彼は彼女と勝負する。
彼女の隣にたどりつくために声優というプロになっている彼女程、
小説で認められるために。




