休息 ~アンリ・ルソー「眠るジプシー女」より~
Henri Julien Félix Rousseau
アンリ・ルソー
『眠るジプシー女』
La Bohemienne endormie
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お月様は お喋りじゃない
お星様も じっと黙ってる
静かで
立ち止まっても許される夜が好き
駆け続けた昼間の汗が
ひんやり体を冷やしていく
疲れた
敵と闘うのも
我が身を守るのも
群れの仲間と仲良くやるのも
そして
下から追い落される日に怯えて
震えるのも
雄ライオンの気持ちが
世界で一番分かるのは 私だ
ジプシーになれたらな
一人で
心のままに唄って
弦を爪弾き
壺に入った水で 喉の渇きを潤す
それだけ
それだけで 生きていけたなら
夢の中で
夢見た女が眠っている
深く
近寄って 健やかな寝息を聞いていれば
私は休まる気がする
大丈夫 まだやれる
まだ負けてない
ほら
私の尻尾は
まだ こんなに元気
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【眠るジプシー女】
夜の砂漠に身を横たえる、ジプシーの女。
ぐっすり眠る彼女の傍らには、一頭のライオン。
百獣の王は、何故か彼女を襲いもせずに、じっと横目で睨んでいる。
どうして?
ジプシー女の見ている夢だから?
アンリ・ルソー本人曰く
「月の光が詩的だから」だそうです。
よく分からない。
まあ、要はポエムの世界なんだよ~と、ざっくり解釈しますか。
アンリ・ルソーの絵は、だいたい変。
この絵も、やっぱり変。
ジプシー女は、裸足だ。
熱砂の上を、靴も履かずに歩いて来たのか。
寝る前に靴を脱いだ?
いや、靴は描かれていない。
そう暑くない地方で、裸足で歩けたとか?
よく見て。足は綺麗。砂まみれになっていない。
そう。まるでこのジプシー女は、ひょいと運ばれてきて、この砂漠に置かれたように見える。
対して、ライオンには動きを感じる。
高く上がった尻尾。
びっしりと靡く、たてがみ。
こちらに向けた丸い目は、なんだか不安そう……。
じゃあ、これはジプシー女が見た夢ではなくて。
ライオンの方が見ている夢だとしたら。
と思って詩を書きました。
ところで、ライオンはいわゆる「一夫多妻」。
支配するオスと複数のメス、そして子どもたちで構成される群れ(プライド)で生活する。
そして、子育てや狩りは、主にメスたちが協力して行う。
かといって、オスが何もしていないわけではなく、群れを守り、縄張りを守り、狩りの場面で重要な役割を果たすこともあるそう。
う~ん。ディズニーの「ライオンキング」は、ちゃんとそのへんを踏まえていたんですねえ。
だけど、創作ではない現実の世界では、オスライオンの運命は過酷だ。
支配オスは、2~4年ほどで若いオスに追われることが少なくないのだと。
追われれば、二度と群れには帰れない。
「百獣の王」と呼ばれる姿の裏には、常に緊張と競争がある。
王様は、楽な身分ではない。
王様こそ、ゆっくりと眠れない。
いつか負ける日が来るまで、走り続けるしかないと知っている。
だから、この絵に描かれたオスライオンは、自由なジプシー女を羨むような目で見ているんじゃないかな……。
AIで生成した「アンリ・ルソー」風のイラストです




