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2.貨物と人間は似ている

 お客さんは今回、海外への輸出を希望している。荷物を送りたいお客さんを以下荷主とする。

 荷主が「上海に段ボール一箱送って」と言うメールと共に、荷物の詳細の書いてある英語の書類…インボイスを送ってくる。

「よくある段ボール箱が一つ。重さは5kg。ABC社の千葉にある工場に明日午前中に集荷へ行って、ABC社の上海支店へ配達すれば良いのか」

 書類を確認したら、パソコンに貨物の重量やサイズ、発送元から発送先の住所など、貨物の詳細を入力する。

 まずやるのは飛行機のスペース…人でいう座席を取る作業。航空会社に連絡しなければならないのだが、航空会社とやり取りをする予約課という課が弊社にあるので、そこにお願いする。

 しばらくすると

「明後日の12時のフライトでどうですか?」

 と良い感じのフライトが提案されるので、問題なければそれで作業を進める。

 次にやるのは、国内の移動手段の手配だ。人間であれば成田空港行きのリムジンバスだったり、特急券だったり、普通電車だったりする。貨物の場合はトラックだ。

「貨物の集荷は、明日の午前中にABC社の千葉にある工場までトラックで貨物を取りに行ってもらうように手配して…あっ!通関書類の準備もしなくちゃ」

 通関。人間で言う出国審査や税関検査にあたる作業。

 人間ではパスポートに出国証印を押してもらって許可が出たら出国できるように、貨物も許可がないと出国できない。

 人間だったら出国の際に本人がパスポートやチケットを提示できるが、貨物の場合は物流業者が書面に起こして税関へ事前に提出する。

 お客様から貰った情報、主にインボイスという書類から必要事項をパソコンに記入して、内容におかしいところはないか確認する。

 その後、私達営業課から、弊社の通関課へデータを提出。通関の専門家が税関に提出するまで内容を何度もチェックし、税関にデータで提出して許可が出れば貨物が出国できる状態になる。

「明日貨物が届いたときのために搬出依頼をしよう」

 搬出依頼とは、トラックでABC社の千葉にある工場から成田空港近くのスワローの倉庫に届いた貨物を、航空会社の倉庫まで運ぶ作業を依頼することだ。

 なぜスワローの倉庫を挟むのか?それは最後に説明するのでしばらく我慢して欲しい。

 この作業は人間で言う空港内での移動全般と言ったところだ。人と違って貨物は自ら動けないので、人の手で動かす作業を依頼する必要がある。

 空港に着いたら人間だったら何をするか?

 少し早く着いて飛行機を待つ間に美味しい物を食べたり、お土産を買ったり、免税店で買い物したりするのは含まれないとして。

 最低限何をしなければならないだろう?

 まず、搭乗チケットを印刷する。そこには、便や座席が書いてある。

 貨物も一緒だ。搭乗チケットのようなものがあり、それを貨物に貼り付ける。

 次は手荷物検査。貨物も危ないものが入ってないか倉庫でチェックする。

 それが終わったら出国審査、税関検査だが、貨物では先ほどの行なった通関がそれに当たる。通関許可が出てればOKだ。

 その次は、出国ロビーを見つける。航空会社ごと、便ごとに違うはずだ。貨物も同じく出国ロビーが変わるので、貨物ごとにトラックに乗せて貨物出国ロビーまで運ぶ。

 これらの作業をなぜ空港の倉庫で済ませないのかというと、自ら動いてくれない、話すこともできない、しかも大小のある貨物では大混乱だからだ。

 そもそも航空会社の倉庫にも入りきらない。

 という事で、貨物の場合は直接空港へ運ぶのではなく、一度成田空港近くの倉庫を経由し、航空会社の倉庫(出国ロビー)までの手続きは全て空港近くの倉庫で済ませておく、というわけだ。

 ちなみに、この貨物の出国の準備をしてロビーまで届けてくれる作業をする課をCFS(シーエフエス)課と言う。Container(コンテナ) Freight(フレート) Station(ステーション)を略してCFSだ。

 私はこの課に向けて搭乗チケットのようなもののデータを作って送ることで、どの便に載せれば良いか分かるようにする。

「はぁ~…これで最低限今日やる仕事は終わったかな。時間があるからAWB(エアウェイビル)を作ろう」

 Air Way Bill の頭文字を取ってAWB(エアウェイビル)。略してBL(ビーエル)と呼ばれることも多い。簡単に言うと国際航空輸送の送り状。国内輸送より複雑な形式だけど、国際輸送でも送り状が必要だ。

「できた~!パソコンに全部入力するだけで終わった!」

 なんて。そうスムーズにいけば私達の仕事は難しくない。

説明に四苦八苦しました。物流企業から見る貨物の動き

①お客さんの会社(工場)→②物流業者倉庫(スワロー社倉庫)→③航空会社倉庫→④飛行機搭載

ここまでが貨物の輸出です。 

人間で言う①〜②の移動が国内移動、②以降は空港内の移動になります。

②では人間は予約したチケットを印刷して、手荷物検査→税関検査→出国審査までの工程をやります。

 貨物ではチケットのようなラベルを貨物に貼り、爆発物検査→通関 みたいなイメージです。

違うのは、人間はこれを空港内で全てやりますが、貨物は物流業社の倉庫でやります。なぜなら空港内に貨物を長時間置いておくスペースがないから。

②〜③ は人間で言う出国ロビーまでの移動です。貨物で言うと、成田にある物流会社倉庫から航空会社の倉庫まで貨物が運ばれていく作業です。

航空会社の倉庫(出国ロビー)まで貨物を持って行ったらあとは航空会社の作業員にお願いします。物流業社の輸出の作業は基本ここまでです。

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