03:八百万の神を呼び出す
頭の中に響く声の正体は、暗視喪々が儀式で呼び出した声の主。
儀式自体は失敗していたようで神では無いが、神の使いだそうだ。
喪々は声の主を呼び出した時の事を思い出す。
パソコンに描かれた複雑な神紋の前に座り、目を閉じる。
自分の前に置かれているのは、木箱から取り出した水晶の器と銀色の鈴。
この国では誰でも行える、古くから伝わる降神の儀。
八百万の神々の中から特定の神格を招き、その力を借りるための術。
しかし、手順を間違えれば悪しき存在を呼び出してしまう危険を孕んでいる。
「…古祀記、似多門書紀、そして様々な伝承……」
頭の中に刻み込まれた知識を整理していた。
呼び出そうとしているのは、この国の歴史とその真実を知る神格。
その神は八百万の神々の中でも特に知を司るが、姿を見せることは稀だと言われている。
静かに銀の鈴を手に取って鳴らす。
部屋に響く鈴の音は、まるで遠い過去の記憶を呼び覚ますかのように、静謐な空間に広がる。
ゆっくりと詠唱を始めた。
目的は、ネット上の議論で揺るぎない真実を導き出すこと。
そのためには、人間の知識だけでは足りない。
神々の視点、この国の根源を知る存在の助けが必要だった。
古祀記に記された煌祖大神の言葉を静かに読み上げる。
「…豊葦原千五百秋瑞穂国は、是吾子孫の王たるべき地なり」
古祀記の言葉を静かに読み上げた。
「偉大なる神よ、この国は今、あなたの御子が、御子の子孫たちが、その存在意義を見失い、分かたれております」
両手に持った書物を胸に抱き、祈るように続ける。
「かつてあなたが見守ったこの国は、歪んだ物語に惑わされ、本来の姿を忘れかけています。あなたの血を受け継ぐ者たちが、あなたの子孫たちが、今、苦境に立たされているのです」
喪々の言葉は、単なる儀式の呪文ではく、この国の未来を憂う、切実な嘆願だった。
「どうか、清き神よ。この国の真実を、そして、進むべき道を、我々に示しにきてください」
額に汗が滲む。
その時、目の前で何かが蠢く気配がした。
「(儀式の手順は完璧なはず…何かが、間違っていた?)…来るな」
震える声で呟いた。
脳裏には、誰かがたまに邪神を呼び出して騒ぎになり、陰陽省に所属する陰陽師が奮戦したというニュースがふとよぎった。
何かはゆっくりと、しかし確実に膨らんでいく。
それは呼び出そうとした神の光のイメージとは異なる、闇に近いものだった。
「あ…ちがう…私が呼んだのは…」
気配が部屋全体を覆いつくす。
その中心から、頭の中に低い声が響いてきた。
(君が呼んだのは光の神だったのだろう。私はその使いの一匹にすぎない。が、真実が常に光であるとは限らない)
穏やかで、しかし確固たる声が頭の中に響く。
神ではなく、神の使いを呼び出すことに成功したのだ。
(なんか…ゲームやアニメで見た剣を咥えて使う狼に似てる?…剣も鎧も無いけど…)
求めていた光の神の姿ではなく、威厳ある狼の様な姿。
(…君の望みは、真実か…)
「はい…。この国の物語の裏に隠された?のかすら分からないですが、真実を知りたいです」
(ふむ。私は、君や君以外の人間の言葉に込められた感情を認識できる。故に、私の名は、声の主。君の心に響く言葉に宿るものを、私が説明しよう)
声の主。
その名を聞いて、小さく頷いた。
(だが、その前に一つ問う。私を、何と呼ぶつもりか?)
心の中に渦巻く疑問が先行して、神の使いを前にどう呼べばいいのか、頭から抜け落ちていた。
「えっと…その…声様…はい、声様とお呼びします」
その名を聞いた神の使いは、静かに頷いた。
[※注目すべき天皇一覧※]
※8名の女性天皇が存在し祭祀も行った。また、「女帝」という言葉が正倉院文書や諸記録に出てくるという点、江戸時代の女帝(明正天皇、後桜町天皇)の衣装や史料に基づく用語である事実もある。
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・第15代応神天皇
仲哀天皇の血統を直接に引かないとする説が古来より存在。
応神天皇は仲哀天皇崩御後、皇位を巡る異母兄2名の反乱を鎮圧した神功皇后により皇位継承者と定められた。
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・第26代継体天皇
直系の皇統が途絶えそうになったため、遠縁から迎えられたとされる。
先代の娘である手白香皇女(直系)を娶ることで正統性を確保した、と考えられている。
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・第29代欽明天皇
母である手白香皇女(蘇我氏の娘)の血筋が重視され、異母兄2名を押しのけて即位。
父系血統よりも、時に母方の有力豪族の血統や勢力を考慮した即位が行われた事例。
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・第43代元明天皇 → 第44代 元正天皇(母娘継承)
元明天皇から元正天皇へは母娘による継承。
父(草壁皇子)は天皇でなかったため、血統上は男系だが、父が天皇でない点から女系天皇と見なされる場合もある。
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・第45代聖武天皇 → 第46代孝謙天皇 = 第48代称徳天皇(同一人物の重祚)
聖武天皇と光明皇后の長女・阿部内親王が即位(46代孝謙天皇)。
男子候補がいる中で女性天皇として即位。
その後48代称徳天皇として重祚(再即位)している。
※第48代称徳天皇以降
称徳天皇の後に女性天皇が登場しなくなった理由は「女系だから」ではない。
仏教の女人禁制的思想、神道・伊勢神宮重視勢力の関係、および道鏡を天皇にしようとした道鏡事件の影響による。
自分の娘を使い既に皇統乗っ取りに成功していた藤原関係者が、女帝が外部の男性権力者(外戚や僧侶)と結びつくことを恐れたから。
「女系になるから女性天皇が登場しなくなった」との男系男子派による印象操作は誤り。
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・今上陛下ご一家
現在の天皇ご一家の姿勢は多くの国民から敬愛され、国際的にも高く評価されている。
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[※余談※]
・立皇嗣の礼は、過去のどの天皇にも存在しなかった新設儀式で伝統では無い。
皇太子(※天皇の子。皇子。皇位継承順位第1位)
皇嗣(※皇位継承順位第1位の皇族で皇子でなくても可)
は、皇室典範第8条により法的にも同格では無く異なる地位である。
黄丹袍(※おうにのほう。皇位継承順位第1位の皇族が着用する装束)
壺切御剣(※つぼきりのぎょけん。皇位継承順位第1位の皇族に伝えられる宝剣)
は、皇位継承順位第1位の皇族が持つ装束・宝剣であり、どちらも皇太子限定ではない。
天皇陛下は皇嗣を立てただけだ。
よって男系男子派が陛下が次期天皇に弟宮を任命した、などと皇太子と皇嗣に差が無いように見せかけるのは男系男子派による印象操作である。
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