↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みんな真面目なのに、会社は赤字です。――十一人目の新人から始まる会社再建  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
163/240

十二人目の朝

梶原聡が初出勤した朝、トラッバの事務所には十二脚の椅子があった。新しい机は購入せず、使っていない会議用の小机を運んだ。田倉は貸与端末の受領書を準備し、情報管理に関する説明を先に行った。人が増えたからといって、いきなり顧客の環境へ触れさせるわけではない。

飯塚は梶原に、初週の予定を見せた。社内の連絡先を覚えること、模擬の警告を見て判断の順番を知ること、疑問を記録すること。実際の運用へ加わるのは段階的に決める。梶原は「思ったよりゆっくりですね」と言い、飯塚は「早く任せて困るのは皆だから」と答えた。

梶原の机には、研修用の資料と小さな引き出しが用意されていた。以前の職場では初日から機器の不具合を任されたため、今回は拍子抜けした。だが机の引き出しに誰のものでもない名札があるわけではなく、貸与品の扱いも一つずつ説明される。田倉は「急がせない代わりに、分からないことは言ってください」と伝えた。梶原は頷き、受領書へ署名した。窓の外では隣の店が開店の準備をしていた。会社が十二人になる日の朝も、町はいつもどおりだった。

良助は予備の筆記具を渡した。「僕も最初は、どこに紙があるか分かりませんでした」。梶原は笑って礼を言った。年下の先輩が無理に教えようとせず、分かることだけ話すのが心地よかった。

昼、尾高が全員の昼食注文を確かめると、今までより一つ多い名前が並んだ。誰かが勝手に歓迎会を企画することもなかった。午後にはいつもの顧客から問い合わせが届き、運用室の電話が鳴った。会社は十二人になったが、仕事は昨日からの続きだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。