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みんな真面目なのに、会社は赤字です。――十一人目の新人から始まる会社再建  作者: 竜太郎


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説明の順番

購買部の会議に同席した卸会社の情報管理者は、監視を止めればどれほど費用が減るのかという質問に困った。コストの表はある。しかし事故が起きた場合に誰が何を判断するか、資料には書かれていない。真壁は遠隔で会議に参加し、質問へ答える順番を変えた。

銀利が事前に整理したのは、提供する監視の範囲と顧客が持つ責任だ。不要な作業を残して契約を高く見せるつもりはないが、実施しない場合の影響は示す必要がある。真壁は断定できないリスクを数字に置き換えず、判断材料を順に説明した。

会議が終わったあと、真壁は顧客担当から「結局、どの部署が決めるか決まってなかった」と打ち明けられた。予算を持つ部署と業務を守る部署の意見が違えば、契約は止まる。銀利は次の説明に社内の決定者を呼ぶよう依頼したが、出席を強制することはできない。真壁は説明資料を短く整え、会議で聞かれた質問へ個別に答えた。分かりやすい資料でも、決める人がいなければ決まらない。その単純な事実を実感した。

良助は社内資料の準備中「この表、値段から読むと、何を買うのか後で出てきますね」と言った。真壁は説明の並びを入れ替え、まず保護したい業務と必要な対応を示した。青年はいつものように紙を揃え、仕事へ戻った。

会議の結論は持ち越しになった。情報管理者は必要な範囲について社内の部門と話し合うことになり、購買担当は削減目標を一律に当てはめられないと認めた。真壁は会議後、約束した追加資料の範囲を手帳へ書いた。急いで答えを出すことより、誤解したまま決めないことを選んだ午後だった。

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