↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みんな真面目なのに、会社は赤字です。――十一人目の新人から始まる会社再建  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
136/228

誰のログか

倉庫の追加調査では、古い点検端末から送られた記録の一部に、担当者を特定できる情報が含まれていた。野江は必要な範囲だけ確認し、無関係な従業員の情報を共有資料へ入れないようにした。原因を知るために、何でも見てよいわけではない。

点検会社は自社の操作記録を調べ、手順の変更が現場へ十分に伝わっていなかったことを認めた。ただし未記録の通信がすべてその変更によるものかは、現時点では断定できない。銀利は顧客と点検会社の双方に、確認できる根拠を分けて示すよう指示した。

点検会社の担当者は、ミスを認める文面を書くのに時間を掛けた。社内の報告制度が、間違いを隠さず伝えられる形になっていなかったためだ。銀利は相手をかばうことも責めることもせず、今回必要な事実だけを求めた。秋山は今後の点検申請に、作業後の完了連絡と実際の操作記録を添えるよう決めた。日下部は自社の保全記録を期限どおり管理し、顧客から求められていない情報を残し続けないよう確認した。

日下部は点検会社から受け取った回答へ、確認済みと未確認の区分を付けた。担当者を責める言葉は入れず、今後の運用に必要な事実だけ残す。顧客への報告は短くなったが、削ったのは事実ではなく重複した説明だった。

その記録は次の点検でも使われることになった。同じ会社が作業するとは限らないからこそ、誰にでも読める日付と名称が必要だった。秋山は新しい申請書を自分の机へしまった。

数日後、顧客側で監視条件と点検の申請方法を改め、制限していた機能は段階的に復旧した。トラッバは確認できた範囲を明示して調査を閉じた。倉本は遅れた出荷を取り戻し、秋山は次の点検予定へ目を通す。大事件にしなかったからこそ、残る仕事が見えるようになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。