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親父の遺産がダンジョンだった件  作者: 大石次郎


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98/120

98話

背に張り付いていたエビルカーバンクルと黒玉仙はノビちまったが、クリスタルリトーが最初に反撃に出た!


「『製造品』が『物質』に勝ると思うなよっ?! オッラァーーーっっ!!!」


ある程度圧縮した巨大化両腕で砲撃を受けつつ攻撃するクリスタルリトー。結晶化の力も使っているが、砲火が激し過ぎて捉えきれていない。


「『材料』が優位を主張する。不合理」


援護しようとする俺達に緑壁を破った機械触手で牽制しながら、さっきの砲撃に巻き込まれ破損していた旋回錐を一瞬で再生させてクリスタルリトーに撃ち込むボルケーノ。


「苛々させるネジどもだ」


「ヒホっと!」


ナマクラ斬鉄で触手を斬り払い、超高速で速射した砲撃を回避しあるいは魔力練りの強力な砲弾を両断し、懐に入り込むヘルスパルトイっ。


その勢いのままリュブリャナ製氷属性の剣で抜苦与楽スキルを放つが、


ガキィッ!!


どう収納したか不明の大きな円盤型回転ノコギリで至高の高速斬撃を受け、回転ノコギリと氷の剣を相殺させたボルケーノは、


「クァッ!!!」


口を開け奇妙な砲門状に変化させ、電気を帯びた熱線? を放ったっ。


ロックローズの結界と俺の遠隔生成電気属性魔力杭で防ごうとしたが、防ぎ切れず、ヘルスパルトイは防具を砕かれ弾かれて『焦げて帯電して骨』に変えられて昏倒した。


「皆、各個撃破されているのである!」


「「ケムんっっ」」


アバドンさんとケムシーノ達の檄が飛ぶ。


「誰が撃破されたってっ! お〜んっ?」


「さっきのノコギリは『オリハルコン』製。この環境では彼も早々生成できる物じゃない」


あちこちヒビ割れてるが旋回錐を砕いたクリスタルリトーと、機械触手を植物触手で絡め取って抜けたヨミロートスが挟撃する。


俺とロックローズも触手対処の合間にどうにか間接攻撃支援をし、ゴールドスコップとツルベ火クィーンは俺達2人が攻撃できるよう自分達の分に追加して俺達の分の機械触手も払いに掛かってくれた。


「ネジ、ネジ、ネジ······ヘイスケの言ってることは理解できない。やっぱり不愉快なだけ。ああ、もう、余は、もう······我慢のっっっ」


またボルケーノの魔力が膨れ上がり砲門が全身から露出するっっ。


その時、3枚重ねの隠れ身のマントを着た血塗れのダーファンが背後の中空から燃える鉤爪の両手で両肩を掴んだ。マントから面にヒビの入ったヴクヴ・カキシュも顔を出して火の魔力を供給するっ。


ダーファンは風も操り発生させた火炎を全ての砲門の中に打ち込み、魔力耐性を越えさらに付与された熱耐性よりも火薬として性質が勝る温度まで一気に上げ全ての砲弾を暴発させた。


ドォオオッッッ。


熱ではなく炸裂した魔力と衝撃で全身にダメージを受け、膝をつくボルケーノ。


ダーファンとヴクヴ・カキシュも吹っ飛ばされたが、火属性主体のダメージだったからか両腕は消し飛んでも死にはしていなかった。


「ギャハ。三下、舐めん、なよ?」


「1回死んで復活した方が効率良かったかもピョ······」


揃って昏倒していた。


_____



この機会にクリスタルリトーとヨミロートスが畳み掛ける。迎撃がままならず、殴打と結晶化。氷属性の植物触手の刺突とその侵食でダメージを重ねるボルケーノ!


俺達への触手牽制も緩まってきた。しゃっ。


「えー、いきなりバトっちまったがっ。改めて! 俺はピロシ・シープランド!! 新しいグランドマスターだっ」


謝罪とか、首魁同士の関係性云々って感じでもないか?


「こっちの要求は大体矢文の通りなんだが。あ、読んだよな? そうだな。機械か。ドワーフ式のは結構都会まで行くとあんだよ、それで」


「ピロシ、ノープランで話してるようだけど大丈夫なの?」


説得できるのか? に加えてそのトークは着地点あるのか? と懐疑的な目を向けてくるロックローズ!


「ま、任せろっ。機械だろ? アレだよ、ほら」


ぐおお、やっぱ触手邪魔過ぎるっ。機械、機械。相手の要望。友好的。光画機? 違うか。水晶通信機? ほぼ魔法道具だな。待て待て、遠ざかってる! ヤバいっ、クリスタルリトーとヨミロートスで倒しちまいそうだっっ。いやだがジェム云々って話もあったよな?


「なんか軍活動ばっかしてるが、他に楽しいこともあんだぜ? 例えば······」


楽しい、機械、都会、灼熱地帯、都会都会。思い出せっ。ロックローズのダメだこりゃて顔。くっ、アリッサはもうちょいふんわり対応だった気がするぞ?! いやそれはいい、楽しい、だ。


触手が、違う違うっ。都会で、機械で楽しかったこと。ドワーフ式だろ? ······っ! 夏! 地獄の夏の外営業っ! 依頼人のドワーフの商会の方が仕事終わりに出してくれたっ。


あの機械の! ニュルっと捻り出される冷たく柔らかな凍えた甘いクリーム!! あれは至福だった。都会すげぇなと思った。あのマシン、山羊買えるくらいの値段だもんな。ええい、これかっ。


「ボルケーノ! その『帽子』、『ソフトクリームマシン』に改造してやるよ!!」


「どんな経緯でそうなるのよっ?!」


ロックローズの激しいツッコミ。


「ええっ??」


楽しいかと。


「······」


ボルケーノは真顔でこちらを再び見た。


「これは余の『頭部』だ。余を、『ソフトクリームマシンに改造する』だと?」


「いやいやいやっ!」


「『勇者と同じ愚弄』するとは貴様ぁあーーっっ!! もうっっ、我慢の限界だぁぁああーーーっっ!!!!」


大量の噂のマシンジェムとウォージェムらしいのを展開するボルケーノ!!


「まさかの勇者からの負の天丼っっ??」


「当時、ちょうどヤツの頭のような氷菓子機が流行っている街を救ったことがあったのである」


「「ケムん?」」


力を取り戻すどころか増して巨大化し顔も仮面で覆われ完全に機怪の魔人となるボルケーノ!


失った砲門の代わりにさっき口で放った電気のような熱線を放つ短い砲門が全身に発生し、一斉の照射でヨミロートスにダメージを与え、かなり損耗していたクリスタルリトーは身体を砕き頭だけを転がしたっ。


「ピロシっ! 余計なことすんな!!」


「ほんとそれ君ね」


クリスタルリトーとヨミロートスの視線が辛い。


「ごめんて、よかれと······」


言ってる間に激しい電気熱線!! もう触手とか使わず、熱線に専念っ。広間もブチ壊れそうだっっ。ロックローズの結界とゴールドスコップとツルベ火クィーンのガードがなかったら杖込みでも黒焦げミンチにされてるとこだ。


トークで状況悪化。いつも以上にガックシきたぜ······


そんな具合に俺が気力を奮い起こすのに苦労してると、凄い質量の気配?!


ズドォッ! 入り口から橋の橋脚か? てくらいの『特大棒』が飛び込んできて、砲撃を物ともせず機械魔人化ボルケーノの腹を打ち据えて緑壁の壁に激突させ、一旦砲撃を止めさせた。


棒は細く縮んで雲に乗って入ってきたヴァーリンの手に収まった。


「ダハハッ、詰められてんな。つかフェネクスどした?」


「ヴァーリン! 極めて高度な交渉の結果、決裂したっ。こっからは本格的な物理交渉で行く。力を貸してくれ」


「おお、怒らせたかぁ」


「ピロシが変な煽り方したのよ。やぶからぼうに」


「······」


補佐、言い方つよっ。

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