81話
たんまり拾い集めたタイムジェムを進化触媒に、エル・ジェリーマンが個体数自体が増やされてるハイスライムヒーラー個体達を時空属性ゴールド種ベースにエレメントチェンジ!
エッジキューブ群も氷属性に水属性を付与して渇き対策を強化済み!
全員装備の渇き対策と時空系耐性も強化済み!!
陣形も決まったし、あとは出発するだけだ。
「シュウゥッ、上手くやれよっ」
「再度の撤退が必要な時は躊躇なくな」
「アリッサ様はお任せ下さい」
俺達はアリッサの籠を背負ったリュブリャナ、ザトウマージ、人間体スキュラに見送られ、
「んじゃ行ってくる」
「2度同じ手は食わないわ」
「三滅槍に代わってここは頼んだゲコ!」
「普段そんな居着いてる感じもないでしゅけどね」
「チャハーっ」
「ピョーっ!」
「ヒィィィッッッ」
「「「······」」」
実際、環境整ってないネガジャバウォック拠点にあんま寄付いてる感じもない三滅槍達がバツ悪そうになったりしながら、ネガジャバウォック拠点から出発した。
まぁ絵札兵とエッジキューブをいくらか残しているのと、リザードマン兵達も降りてきてる。
ここを襲えばアリッサと首魁2体を仕留め、退避拠点を潰す効果は一応あるから、こっちは転送陣でまず逃げられることや環境の有利を棄ててまでやるかどうか別として、備えて置いて無駄ということはないさ。
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砂漠へ入り、さらにザリチュの支配域に侵入した。感触としては、
「いいなこれ」
温帯の草原でも歩いてるようだ。
勿論、足場は砂地でルートから外れると魔力吸収棘植物や野良モンスターに遭遇するが、最初の時とは段違い。
「だが物資はこれきりだぞ? ずっと渇きの遠距離攻撃受けてるようなもんだし、装備の損耗は激しい。成果が必要だ。ピロシ。成果だ」
杖に横座りしてるロックローズの護衛として目を光らせ、ギラついてるコメリナだよ。
飛行絨毯のアストロロジーは以前の撤退の時の近接ハイスライム達がそのまま護衛に付いてる。
「やるけどさ、最悪祠に一番近い野営地解放まででもそれなりだぜ?」
今回は向こうも対応してくるだろうしな。
「そいつぁどうだ? フェネクス様は間抜けで臆病で言い訳ばっかするヤツは嫌うぜ?」
「それな〜」
ダーファン&テラツツキ。揚げ足取る機会は逃さないタイプ。
「いつの間にかフェネクスの御機嫌を伺うようになってるのが不服コーン」
「不服に同意ブン!」
「目的とは合致しているのですから、よしとしましょう」
「お前らの主は特に気にした風でもないぞ? くくっ」
ヤコゼンとベルゼジュニアのボヤきをレウケートレントが嗜めた側からダークエント・マガリコダマが皮肉を言う。
実際、ネガジャバウォックはヨミロートスが淡々と念力でパスする『干しジャンボ棗』をモリモリ食べて、『散歩してる気分の顔』になっていた。
「「······」」
三滅槍も大変たな、と。
「ここは愚直に進めるだけの段である。アストロロジー、ルートに異変を感じたらすぐ知らせてやるのだ」
「はい」
「ずっと集中していても保ちませんぞ? ポイントごとに探知してヒホっと効率よくするとよいでしょう」
「そうします。ありがとう」
「ヒホホ」
アストロロジー、ロックローズはわりと俺と近い所にいるので護衛のヘルスパルトイとツルベ火クィーンもすぐ近くだ。
今のところ、アクセサリーと装備の改善のお陰で何事もなければ観光地の浜辺をずっと歩いてるような感じすらちょっとあるくらい。
実際の海に観光に来たのに魔法の装備で『環境効果無効』とかやったらなにしに来たんだ? 話だが。
とにかく、予定では解放済みの1つ目の野営地からさらに7つの野営地を結構蛇行するように進んでゆく計画で、3つ目までは装備無しでは酷過ぎる環境のせいで野良モンスターも魔力吸収棘植物もロクに生き残れないから、ルートをきっちり進めば難なく拠点を解放してゆけた。
拠点の結界の固め具合も以前よりバッチリだ。スキュラがいないから水場の確保が最低限度って感じだったが、特に消耗してないから大して苦にはならなかったな。
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んが! 3つ目の拠点以降は様子が違ってきた。
いることいる、この環境でも動ける野良モンスター砂中を泳ぐ骨の魚のようなモンスター『ディザートデスグッピー』の群れに対処していたんだが、
「っ! 来ます砂中! 祠の方位! 大きななのもいます!!」
アストロロジーが反応っ。
ディザートデスグッピー達もザリチュの祠の方角から逃れるように一斉に遁走しだした。
「陣形構え直すぞ?! 地中にも注意」
俺は指示を出しつつ、氷ベースの完封陣を放てる準備をした。
地響きが近付いてくる。
「まだるっこしいヤツだ!」
クリスタルリトーを地面を殴り付け、近付いてくる巨大ななにかに向けて結晶の槍衾を掘り起こすように放った。
ドォッ!!
たまらず砂中から飛び出したのは、『砂海鯨アンコウ』だったっ。
砂漠に巣食う、船並の巨体の鯨だかアンコウだかトカゲだかのデタラメなヤツっ。
「ボォオオーーーッッッ!!!」
またコイツ単体でもない、一緒に地上蠍型人間『ワースコーピオン』の兵団も飛び出してきた!
地上では、砂漠地方の多くで他の人型種族と延々と争い続ける引くことを知らない好戦的な戦闘種族だっ。
「ザリチュの眷属ピョ! 将がいなくてひたすら突っ込んでくるから始末に負えないピョっ!」
「ワースコーピオンは『強毒』が厄介であるな、耐毒の祝福を与える!!」
アバドンさんが全員に耐毒の光の輪の祝福を与えた。
レイブン兵も人型だったが『手順』を踏んで攻めた結果だったしな······
「「「イィィーーーッッッ」」」
「死の渇きをーーっ!!」
「鍵の主の首と心臓を取れっっ」
「ザリチュ様に勝利を!!!」
相手は目が血走り、とても交渉の余地はなさそうだ。
「ピロシ、向こうから来たけど、矢文は完璧に諦めて!」
「了解っ。デカいのを抑えて、群体の近接にも注意! キューブと絵札兵とサボテンは数体ずつ組になれ!!」
ザリチュ、手下までやり辛いノリだぜっ。




