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親父の遺産がダンジョンだった件  作者: 大石次郎


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70話

光の印を辿り、最初の野営地跡まで到着! ここは微妙に地下の野営地の魔除けが利いていて野良は居着いておらず、占拠は用意だった。ラッキ〜。


「よっと」


魔除けがまだ利いてるってことは補修浄化し易くもある。


複数個のガイアジェムとアイスジェムを対価にサクッと砂とその下の地面を処理する。


「あとは隔離だな。クリスタルリトー、ロックローズと協力してざっとでいいから囲って出入り口造ってくれ」


「······黒玉仙、エビルカーバンクル。耳長(みみなが)に手を貸してやれ」


着いてすぐ自分で置いた玉座から動きゼロ! なクリスタルリトー。


「了解でしゅ!」


「合点、チャハっ」


「座ってるだけならいちいち子分達にパスするんじゃないわよ、回りくどいわね〜っっ」


「訓練だ。ふふん」


「も、その件いいからさ。城壁! 簡単なのでいいからっ、外からの砂避け用に!!」


俺はガイアジェム、ウォータジェム、エアジェムをロックローズ達に杖の念力で渡しながら急かし、作業を進めさせた。


ズズズッ。なんだかんだで、豊富な砂を活用した石壁が野営地を覆った。砂中では地下の地面の魔除けとも繋がってる。


魔除けと風の結界が覆い、野営地の環境は一先ず安定化した。


ようやくマスクやマフラー、ゴーグルから解放される。


「レウケートレント、マガリコダマ、タンクシメジ達を少し調整しよう。思ったより消耗してる」


「そのようですね」


「御意」


樹海組は強化個体を参戦させてる眷属の面倒を見るようだ。


「水場を造ります。どこがいいでしょう?」


「手伝うよ、厠もいるね」


人間体スキュラとゴールドスコップは滞在設備の設置に掛かる。


「例によって4層間の簡易転送陣をエンヤコ〜ラっ」


エル・ジェリーマンはハイスラのヒーラー個体達と転送陣造りを開始。


「テントを張る。リュブリャナとアストロロジーは少し休め」


「ありがとう」


「まぁ、ちっと休むか······」


「アリッサとケム達も頼むのである。俺はなにか入り易い物でも造ろう。魔竜の眷属どもも手伝え! そろそろ主がゴネる頃だそっ?!」


「「「了解!!」」」


色々力使うアストロロジーと、環境がやはり合ってないリュブリャナ、あとはアリッサとケムシーノ達はコメリナのケアで休憩。


アバドンさんは魔竜軍幹部3体と焚き出しの準備に入った。


ロックローズ達城壁組はヘルスパルトイとツルベ火クィーンも呼んで見張り台を造ったり、完成度上げる方向で引き続き動いてんな。


「「「······」」」


余りは俺、クリスタルリトー、ネガジャバウォック、そして大量のエッジキューブ郡と絵札兵達。


「えーと、エッジキューブ達を城壁の外に配置して見張りさせてるくれるかな?」


「いいだろう遅刻主!」


「絵札兵達はいつでも出れる用に同じマークの隊ごとに待機。消耗してたら渡した魔力結晶を適宜使用! ネガジャバウォックは······」


「なんだ? やるぞっ、オレ! 有能っ!」


ん〜。基本、連れ歩くにはデカ過ぎるんだよな。ただ気分で微妙に『大きくなったり縮んだりしてる』感じもある。


「スキュラみたいに人間体にまではならなくていいけど、もうちょい小さくなれたりする?」


「なれる! なれる、オレ! 有能っっ」


ネガジャバウォックは奇妙な霧で自分を覆うと、シュルシュルと縮んでゆき······


「お、おおおっ?」


リュブリャナより頭3つ分くらい大きいくらいのサイズになった。ちょっと頭身が変わり、『デカ過ぎるぬいぐるみ感』っ。


いや実際小さくはないが、元が巨竜だから断然コンパクトにはなってる!


「どうだ? 当代主っ。オレ、有能だろ?」


「前向きに評価する」


「ゾォアッハッハッハッ」


場所は前程取らないし、ノシノシ歩いて大きく地面を揺らさないだけでも十分改善だ。これで、よし!


_____



諸々の対応が一段落し、主に縮んだネガジャバウォックによって焚き出しの鍋が空になり、俺も少しアリッサ達のテントで仮眠を取りだしていると、


「オイっ、ピロシ! アストロロジーの予見だっ。近いぞ?! これはっ」


コメリナに叩き起こされた。アリッサを抱えて眠っていたはずのアストロロジーがなにか直感したらしい。


「北北東より、一撃······モジホコリニュウドウを倒した合体攻撃! ダーファンとテラツツキです。すぐに小山のような群体を召喚·····とても硬く地属性です。私達は手を焼き、続けて速い鳥の眷属群を大量に喚び出され······リュブリャナ様が死にます」


「シュウゥッ?! 俺かよっっ」


「硬い地属性からの撹乱目的の群体召喚。護衛のリュブリャナが討ち取られる。対策されてんな」


無駄に撃退されまくってなかったか。


「こっちも」


「いえ、今回は私が1箇所に留まって警戒し、相手の気配を覚えていたので早くに予見できましたが、余り外からすぐわかる形で対応してしまうと、向こうも反応して予見した未来が大きく変動して見通しきれなくなります。慎重に行う必要があります」


兆しを知っても『要因側』に即応される切っ掛けを作ると、未来の結果が混乱しちまうのか······ムズいな。


「そっか。じゃあ、外に配置したエッジキューブ達は動かせないな」


「ピロシ、札の兵士やタンクシメジ等も気配を気取られ易い。自我のあるキノコ達に回復道具等を多めに持たせ、リュブリャナは······どうにかしろよ」


「雑だろっ? お前、コメリナ、前から思ってたが、ロックローズ以外に態度が大き過ぎる!」


「······チッ」


「舌打ち?!」


「待て待てっ、コメリナの態度は直らないから諦めとけ。リュブリャナに関しては背中に隠れ身のマントで包んだミスリルケムシーノを忍ばせとこう。速いしガードできる」


「ケムん!」


「そりゃ助かるが、いいのか?」


「アリッサはアバドンさんがわかってたらテラケムシーノだけで、あ。スキュラもいるのか、ゴールドスコップも隠れ身のマントを着せてアバドンさんのとこに配置しよう」


隠れ身のマント大活躍! 怪鳥コンビもほぼ毎回使ってくるしな······


こっから、動かせないキューブと絵札兵以外に知らせ、回復手段や防御手段や乱戦前提の個別の陣形なんかの確認を取った。


まず『城壁を破られ、なんか硬い丸いのを多数召喚され、鳥の群れを喚ばれ、おそらく俺を守ってる前提のリュブリャナが狙われる』までは実際、好きにやらせる必要がある。


そこまでやらせたら相手側に未来変更の択の余地が一気に減る!


「ふっふっふっ。今回はどっちか1体捕獲する! くらいまで詰めてやんよ」


準備はできた。懲りない怪鳥コンビ、本格的に片すぜ?

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