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親父の遺産がダンジョンだった件  作者: 大石次郎


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66話

魔法素材類を大量消費したから『3体』いるらしいネガジャバウォックの魔竜軍の幹部の復活は後回しになるかな? と思ったのだが、


「このくらい素材があればいけるいける! オレの部下は『オレの血肉』があればすぐ復活できるんだぜ?! オレのコンディション次第で記憶もだ」


「へぇ? 便利だな。いやでも」


血肉ってどれくらいの対価なのかな? と詳しく聞こうと思ったら、


ザシュッ!!


迷いなく自分の巨大な尻尾を手刀で根本から切断するネガジャバウォックっ!


「えぇ〜っっ???」


意外と少ない出血で地面にドスンっと落ちたそれを無造作に拾い、量的に等分になるくらいにさらに切り分けるネガジャバウォックっ。


「結構思い切ったなっ?! 大丈夫なのか?」


「んあ? 切るつもりだったし。ちょっとイテぇくらいだ。食い過ぎたし、ちょうどいい。それにすぐ治るぜ? 今は『栄養』があるならなっ!」


ブリンっっと傷口から新しい巨大尻尾が生えてきたっ。おおお······


「ピロシ君。ネガジャバウォックは竜の中でも『いい加減な個体』だから」


「いい加減な個体、て」


それはそれ、って感じでレウケートレント達と分けられた尻尾にいくらか残りの素材を足して復活の準備を始めるクレバーはヨミロートス。


「昔の私達の記録通りね。ちゃっちゃと済ますわよ? ザトウマージと黒玉仙辺りも手伝って」


「『辺り』とか、雑に呼ぶなでしゅっ」


顔をしかめつつ、アストロロジーとザトウマージと黒玉仙も呼び復活の手はずを整えるロックローズ。


「シュゥッ、層が深くなると生き死にの基準がテキトーなヤツらが増えるもんだな」


「ねぇ」


「まったくだな」


呆れた様子のリュブリャナ、ゴールドスコップ、コメリナ。


「1層からして『我々』がいましたぞ?」


「ヒィィィッッッ」


3人をより呆れさせるヘルスパルトイとツルベ火クィーンだったさ。


なんだかんだで、3体の幹部は魔竜の血肉と多少の触媒素材であっさり、それも完全に復活した!


「ゲッコ〜! 我が名は『コンゴウガマ』!! 魔竜軍一番槍ぃっ!」


やたら金ピカの大袈裟な鎧を着た蛙の魔人だ。


「コォーンっ! 我が名は『ヤコゼン』!! 魔竜軍二番槍ぃっ!」


尾が5本ある魔法使い風の狐の魔人だ。


「ブンブ〜ンっ! 我が名は『ベルゼジュニア』!! 魔竜軍三番槍ぃっ!」


魔法戦士風の蠅の魔人だ。


「蘇ったなっ、オレの戦力! 血の同胞!! よし、やるぞっっ」


「「「3体合わせて魔竜三滅槍(さんめつそう)!!!」」」


「ゾォアアァッッ」


ネガジャバウォックも加わわり4体で決めポーズを取る魔竜軍達!


「おお〜、懐かしいですねぇ。この感じ」


面白がる転送陣改良作業から抜けてきたエル・ジェリーマン。


「こんな感じなのね」


「これで俺様より深い層に配置されてるからな」


「かつては強敵であったのである」


やや引くロックローズとクリスタルリトーとアバドンさん。


······というか魔『竜』軍って竜、ジャバウォックだけかよっっ。


_____



そっから2日程掛けて拠点の護りや周辺環境の改善を済ませた。魔竜軍の幹部以外眷属軍の復活は一先ず保留。


拠点の転送陣で他の層にも跳べるようになったし、言霊の石の連絡も上手く繋がる。一先ずジャバウォック達とその食事の世話にヨミロートス達をここに置いてけるくらいにはなった。


俺はいつものメンバーと一旦地上に戻ることにした。のだが、


「わんっ!」


今回はブルワーグ······から、いつの間にか『シルバーワーグ』に進化していたのを連れてきていた。銀毛の霊犬だ。


「犬ッス」


「大きいですね〜」


「お手!」


早速クピド達が構いだす。


ワーグ種は闇と炎の属性だが、シルバーワーグは無属性と炎の属性。レアな進化だ。


「これは『精霊王達の聖域』に暮らすべき個体。進化できたのはリーダー格のこの1体だけだが、しばらく地上で様子を見るのである」


「4層にも連れていけるんじゃないかな?」


「もう少し力が安定すればな。取り敢えず、クピド達に預けるのである」


「よい結果になると見えます」 


「どんどん増えちまうねぇ」


東屋の前辺りでシルバーワーグとじゃれるクピド軍団の図に和ごむ俺達。


「そういや、クピド達が連れてきたモンスターと暮らしてるとこはどーなってんだ?」


「ふむ? 行ってみるか。案内するのである!」


「「「はーいっ!」」」


俺達はクピド達が森のさらに奥に造ってるはずの『モンスターシークレットガーデン』に向かった。


そこは······て、中々たどり着かないなっ?!


「次はこっちッス」


「そこをグルっと回って、45度に直進です」


「それからそこの茂みの穴が『滑り台』になってるから、滑っちゃうよ?!」


「「「······」」」


踏破するのに手順があるタイプの結界はまぁあるんだろうけど、執拗! ちょいちょい遊びが利いてる!!


「······ええいっ、長いのである! 近道はないのかっ?!」


校長先生短気〜。


「あるッスよ?」


あるんか〜い。


俺達は近道でサクッと踏破することにした。


「途中でクイズとか用意してたんですけど?」


不満そうなニーエル。本格的に楽しませに掛かるの勘弁してくれ······


とにかく近道を進んでくと、


「ただいまぁ! アバドンロード様達、連れてきちゃったよ?!」


「ハパン?」


「クェ?」


俺達がたどり着いたのは、ツリーハウスのある森の広場だった。


やたら魔力や聖なる気配が強く、空気が煌めく発光現象がいくらかみられた。


リーフウォーカー達は菜園や花壇の手入れをし、ヨコヅナペンギン達は生け簀や水生花の咲く小さな池の手入れをしていた。


「ほう、これはよい所だ。地上にいる時は蝙蝠もここに預けたが方がよさそうであるな。ケムシーノ達も遊んでくるとよい」


「「ケムんっ」」


「じゃ、寝坊助アリッサはツリーハウスに寝かせてくるッス」


「わんこも行きますよ?」


「わんっ!」


キックエル達がシルバーワーグも連れ、アリッサの籠をツリーハウスに持っていった。


「さすがに天使が1箇所に集まると凄いんだな」


「もう、アリッサ様はここにずっと置いてた方がいいんじゃないかい?」


「いえ、あの方にはまだ役割もあり、また『やる気』を感じ取れます」


「「やる気?」」


アストロロジーの予見に俺とゴールドスコップはハモっちゃったよ。


アリッサのやる気、かぁ?

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