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親父の遺産がダンジョンだった件  作者: 大石次郎


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45/68

45話

ここで一旦、2日程村に戻って静養することになった俺はやたら『コソコソしているのを』親族やモリオ達に怪しまれながら休み、どうにかユーナンと顔を合わせずに無事ダンジョンに帰還。


地下、最高!!


俺が休んでいる間に生身の兵達も回復し、まだそのまま陸路を使うのは危ないから触媒の魔力系素材のコストが重いが、転生陣と収納系魔法道具を使った物資の運び入れでダークエルフ拠点とそこから近い船着場の強化や生活改善を結構進んでいた。


旧リザード拠点に関してはすっかり安定化し、拠点内の水場も増やされて待機組の水棲種の内、腕っぷしのある連中のいくらかが移ってきてる。


「んじゃ、まずは配置替えの協議だな」


例のやたら大きいリザードマン宿舎の会議室に集まった。アリッサは変わらずケムシーノ2体に見守られ、スヤ〜と寝ている。


「後続の水棲種が多く降りてきています。他には移せそうにありませんし、ここの防衛を担当させるのが順当ではないでしょうか?」


スキュラが控え目に提案し、それもそうだな、と応えようと思ったんだが、


「俺はいつまで3層にいりゃいいんだぁー! もう限界だぁーーっっ!!」


オークジェネラルが大爆発! 俺が地上に戻ってる間に1回戻ってもよかったのに、どうも連れてきたオーク兵達の『行儀が悪かった』ようでリュブリャナを怒らせて帰らせてもらえなかったようだ。


なんだかな······


「わかったわかったっ、お前や配下の配置は考慮するって」


取り敢えずオークジェネラルは1層に返して休ませ、普通のオークから『オーク・バンデット』に進化できた個体数十体は攻略本隊に所属させてあとは2層警備と2層の元々オーク拠点のあった場所の復旧作業に当たらせることにした。


普通のモンクペンギンはここまでの攻略、探索でちょっとしんどそうだったから『ヨコヅナペンギン』に進化できた数十体以外は旧リザード拠点とダークエルフ拠点に再配置が決定。


アクアリーフウォーカーも数十体連れ歩く必要はなさそうなのでもう一段進化できる兆しのあった十数体以外はやはりダークエルフ拠点と旧リザード拠点に再配置。


船着場と野営地2箇所はまだ危ないのでビッグヘッドが増産したヒートストーンゴーレムをいくらか配置し、見張りに上層で追加で進化できたキラーウィスプ達を置くことになった。


スケルトン・ソードマンも上層でさらに追加で進化できていたがこれはより危ういダークエルフ拠点に全て配置。


ダークエルフ拠点の戦力が拡充される見通しとなったので、改めてコメリナとメイジ個体数名は『俺の補佐をするロックローズの補佐』として合流してもらうことになった。


忘れがちだが、ここまでの探索で『水棲種首魁ザトウマージを復活させる為の魔法素材』もそこそこ集まってはきてる。


最初3層はいくらなんでも毒まみれ毒植物まみれ過ぎてどうしようかと思ったが、結構堅実に進められてるんじゃないかな?


_____



転生陣も活用し、配置替え完了! 出発の準備は整った。


「ツルベ火クィーン、斥候と周辺警戒頼む。交戦はよっぽど大物が来ない限り参加しなくていい」


「了解······ヒィィィッッッ」


トリッキーな号砲のようにツルベ火クィーンが悲鳴を上げ、眷属と共に高度を上げてゆき俺達は攻略探索本隊は『東へ』進行を始めた。


最終目的地は植物系首魁ヨミロートスの支配域!


が、ダークエルフ拠点の時と違い、そこまで慌てて進む必要はない。1回の進行でたどり着かなくてもいいし、その点はわりと気楽だ。


陸路を使う。足場の安定だけでなく大雑把に通路と大気の浄化補修も済ませてゆく。慣れたもんだよ。


「よっと」


前衛はリュブリャナ率いるリザード軍。殿はヘルスパルトイ達スケルトン兵も変わらず。


ヨコヅナペンギンとオーク・バンデットが加わったが、隊全体の総数は減ってる。


数の不利はまぁあるが隙は小さくなり小回りも利くようになった。今回はハイスラ船を使うタイミングもなさそうだから、これくらい筋肉質な方がいいだろう。


「休憩も取りなさいね? またアリッサと添い寝することになるわ」


「はいはい」


遠いこともあって間の使えそうな野営地は十数カ所。この内実際使うのは4〜6箇所ってとこか? 流れ次第だが······


「どの道全て直すのであるから、多少行きつ戻りつになっても問題ない」


「それな」


アバドンさんはアリッサを入れた籠を背負い、両肩に上位ケムシーノ2体を乗せていた。色々試したが、これが一番座りいいとなったやつ。


とにかく、最初の野営地がどこになるかで初回の進行でどこまで進める大体決まる。


思案しながらウィスプ勢の斥候の様子も見ながら、慎重に進んでいくさ。


_____



ピロシ達、攻略探索本隊はルート取りを思案しながら野良モンスターとの遭遇に対処しながら2つ目の野営地を簡易に補修し、通過した。


それを、毒靄の向こうから隠れ身のマントと同質の潜行系魔道具と遠眼鏡型魔道具で伺う者達がいた。


いずれも人と植物の中間のような姿をしており耐毒アクセサリーを身に着けていた。


「数時間の小休止のみ。また泊まらず進むか、強気だな」


「ロックローズを解放して自信を付けたのだろう。それでサキュバスクィーンが離脱しているのだから世話はない」


「ヨミロートス様は試し、に拘ってらっしゃるが」


「「今こそ」」


「「「今こそっ」」」


「「先代の不始末の······」」


「「「償いの時!!!」」」


潜み伺っていた者達は植物の怪の本性、人面樹木エントの正体を現し水場に潜ませていた知性の交代して毒の水棲植物モンスター達を足場に毒の水場を突っ切ってピロシ達に迫りだした。


エント達は虫系モンスター群も呼び寄せ飛来させ、茸系モンスター群も自らに生えさせて発生させる。


すぐにツルベ火クィーン達は反応し報せると、並の野良モンスターではないと即断し一気に鍵の杖で周囲の毒環境を浄化させるピロシ。


アバドンロードは光輪の祝福で全員に毒、麻痺、感染耐性の祝福を与えた。


コメリナとメイジ個体は遠距離攻撃を始め、ウィスプ勢も虫の群れに防戦する形て空中戦を始めたが、ロックローズは『炸裂自爆する虫』の群れの最初の突撃の中、姿が見えなくなった。


エント達は勢いを増して首魁ごとに戦力を分けて足止めを計り、特にピロシを孤立させることに集中した。しかし、


「『ヘルファイア』!!」


ロックローズが浮遊する杖の上に立ち、水場からピロシに殺到しようとするエント達の背後に忽然と姿を現し、ファイアジェム十数個を触媒とした苛烈な爆炎魔法を放ち全てを消し飛ばす。


「「「げぇっっ??!!!」」」


爆炎の距離が近く、慌てて自分で杖の結界を張って自分と側のゴールドスコップとアバドンロード達を防御するピロシ。


「危ねっっ」


「ふふん、このロックローズがっ! ポンコツ師匠から補佐を引き継いだからには完璧な仕事をするということよ?」


「雑いだろっ? ギリだったぞ?!」


「······ふっ、これも鍵の主の試し」


髪を掻き上げるロックローズ。


「思い付きで喋ってるぞコイツ!」


「当代はアリッサの弟子であるからな。凶悪な初代から、段々に『こうなった』のである」


「失礼ねッ」


「あんた達っ、まだ終わってないよ!」


「「ケムんっ!」」


「ふひっ☆」


エント達の軍勢はそれなりの規模で、乱戦はさらに続くのであった。

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